「乱」「変」「役」「陣」の様々な戦いの違いとは!?

この雑学では、歴史上の様々な戦いの名称で用いられる「乱」「変」「役」「陣」の違いについて解説します。

雑学クイズ問題

歴史上の戦いで「○○の乱」などの「乱」の意味とは?
A.農民が起こした反乱で失敗した戦い
B.農民が起こした反乱で成功した戦い
C.権力者に対して反乱を起こし失敗した戦い
D.権力者に対して反乱を起こし成功した戦い

答えは記事内で解説していますので、ぜひ探しながら読んでみてくださいね!

「乱」「変」「役」「陣」の様々な戦いの違いとは!?

「乱」「変」「役」「陣」の様々な戦いの違いとは!?

色々な戦いがあるけど何が違うの?

皆さんも小学校や中学校、そして高校でも歴史の授業って必ずあったかと思います。
日本史から世界史で人物名や様々な出来事、その年号などを覚えるのはとても大変ですよね!

筆者も暗記するのにとても苦労した記憶があります。
歴史の中でも、時の権力により、様々な戦いが繰り広げられましたよね!

「○○の乱」「○○の変」「○○の役」「○○の陣」など、戦いには色々な名称があります。
それぞれ、どのように使い分けているのか気になったことはありませんか?

この雑学を知っていれば、周囲からは歴史が得意に見えるかもしれませんね!


「○○の乱」と「○○の変」は勝利者によって呼び分ける!?

まずは、「乱」と「変」の違いについて解説していきます。
「乱」も「変」も共通している事は、時の権力者に対して反乱を起こす戦いであることです。

それではどこに違いがあるのでしょうか?
その使い分けは、実は勝利者がどちらかによって使い分けされているんです!

それぞれについて、例をあげながら説明していきましょう!

「○○の乱」について

有名な乱で、1637年に起こった「島原の乱」がありますね!
別名「天草一揆」とも呼ばれています。

この戦いは、天草四郎を筆頭にして、江戸幕府の弾圧に苦しんだキリスト教徒の農民を中心に起こった反乱です。
しかし、結果として幕府軍に鎮圧されて、反乱は失敗に終わりました。

他にも江戸幕府の役人が起こした反乱として、「大塩平八郎の乱」などもありますが、これもわずか半日で鎮圧されることとなりました。
したがって、「○○の乱」とは権力者に対して反乱を起こしたが、権力者が勝利した戦いであることがわかりますね!

「○○の変」について

続いては「○○の変」についてです。
歴史上の出来事でも有名なのは「本能寺の変」ですよね!

この戦いでは、反乱を起こした明智光秀が、時の権力者である織田信長を討ち取りましたよね!
他には、「桜田門外の変」などがありますが、この反乱でも時の権力者、江戸幕府の大老である「井伊直弼」が討ち取られることとなりました。

つまりは、権力者に対して起こした反乱が成功し、政治的な変革を伴った戦いを「○○の変」と呼ぶわけですね!

「○○の役」について

続いては「○○の役」についてです。
「○○の役」は鎌倉時代に元が攻めてきた「文永の役」や「弘安の役」などがありますね!

他には豊臣秀吉が行った朝鮮出兵も「文禄の役」「慶長の役」といいます。
この事から、外国や辺境の地で行われた戦いのことを「○○の役」と呼ぶという説があります。

しかし、どうやらこの説は怪しいようです。
なぜなら、「大阪の陣」についても、「大阪の役」と呼ぶこともあり、また、「関ヶ原の戦い」についても「関ヶ原の役」と呼ぶことがあるからです。

このことから、「役」とは「戦役(戦争)」の略から「○○の役」と呼ぶ説が正しいように思われます。

「○○の陣」について

「乱」「変」「役」「陣」の様々な戦いの違いとは!?
最後は「○○の陣」についてです。
陣といえば「大阪冬の陣・夏の陣」が思い浮かびますよね!

意味を調べてみると「権力者の命によって、その傘下の勢力が義務的に参集した戦役」であることがわかりました。
つまりは、本人の意思とは関係なく、命令によって集められ、起こされた戦争が「陣」ということですね!


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それでは雑学クイズの正解発表です、答えはもうお分かりですよね?

雑学クイズ問題解答

雑学クイズ問題の答えは「C.権力者に対して反乱を起こし失敗した戦い」でした!

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まとめ

「乱」とは、反乱を起こしたが権力者によって鎮圧された戦いである。
「変」とは、反乱を起こした結果、権力者が倒され、政治的な変革を伴った戦いである。
「役」とは、「戦役」の略である。
「陣」とは、権力者の命によって、その傘下の勢力が義務的に参集した戦役である。

追記

「乱」や「変」の使い分けに関しては明確な定義がされているわけではなく、全てに解説した内容が当てはまるものではなく、例外が存在しています。
あくまで参考程度にして頂ければ幸いです。

コメント

  1. 通りすがり より:

    ちょっと違和感ありますね。この定義。
    例えば「壬申の乱」はどうでしょう?
    権力者は大友皇子(=弘文天皇)側ですが、勝者は大海人皇子ですね。
    権力者に対する反乱で、権力者が負けて政治的変革を伴ったのですが「乱」です。

    それから「坂下門外の変」とかはどうでしょう?
    狙われた安藤信正はその場より逃亡して生存しております。
    結果的にこれにより信正は老中を罷免されましたが、変の3ヶ月後のこと。
    あまり政治的変革とは言いがたいですね。

    さらに「応仁の乱」はいかがでしょう?
    将軍の後継争いが元ではありますが、明らかにそれだけではありません。
    将軍足利義政・義尚陣営の東軍が権力者側ではありますが、勝敗は不明確。
    ちょっと「失敗した」とは言い難いですよね?
    坂下門外の変レベルでの変化を「政治的変革」というのであれば、応仁の乱に伴う
    政治的変革はもっと大規模なものです。

    教科書レベルの内容でもこれだけ例外が出ますし、そもそも学会レベルではこのような
    使い分けがされていない状況で断言するのは大変危険です。

    • 雑学.com運営者 より:

      ご指摘頂きありがとうございます。
      明確な定義がある訳ではないので素人の私が断言するものではないですね。
      まとめに追記致しました。

  2. 通りすがり より:

    学習院大学の安田先生の論文です。この記事の2年前に著されたものです。
    どこの馬の骨か分からない人のツイートよりもこういうのを参考にしても良いですよね。