憮然とはどういう意味?間違えやすい日本語を解説

この雑学では、意味を間違えられて覚えられがちな「憮然」という言葉の意味について解説します。

雑学クイズ問題

「憮然」とは本来どういう意味?
A.落胆するさま
B.腹を立てるさま
C.不満があるさま
D.落ち着いているさま

答えは記事内で解説していますので、ぜひ探しながら読んでみてくださいね!

憮然とはどういう意味?間違えやすい日本語を解説

間違えた意味で使われる「憮然」

本を読んだりしているとたまに登場する「憮然(ぶぜん)」という言葉がありますが、意味を知っていますか?
この「憮然」という言葉は本来の意味ではなく、間違えた意味で使われている言葉の筆頭となります。

例えば「憮然として立ち去った」という例文があったとしたら、どのような意味だと思いますか?
おそらくほとんどの人が「憮然」を「腹を立てている様子」という意味で捉えるのではないでしょうか?

他にも「憮然とした態度」は「不満がある態度」などどいう意味で使われがちです。
しかし、これらの意味や使い方は本来の意味とは違い誤用となります。

今回は正しい意味で使われなくなっている日本語である「憮然」について正しい意味を解説します。


憮然という言葉の本来の意味

それではさっそく「憮然」という言葉の意味について解説していきます。
「憮然」について調べると本来は以下の意味であることがわかります。

・失望しがっかりするさま。
・意外なことに驚くさま

このように「腹を立てている」や「不満がある」といった意味とは全く違う事がわかります。
したがって冒頭の例文で紹介した「憮然として立ち去った」とは、「失望しがっかりして立ち去った」という意味が正しい意味となります。

かなりの人が誤用していると説明しましたが、過去に文化庁によって行われた「国語に関する世論調査」によると、本来の意味ではない「腹を立てている様子」と回答した人が70.8パーセントもいたそうです。
誤用に対して正しい意味である「失望してぼんやりとしている様子」と回答した人は17.1パーセントしかいなかったようです。

これだけ誤用している人が多いという事はますます誤用の方の意味で定着していきそうですよね。

誤用されすぎて意味が変わった

実はこの「憮然」という言葉、あまりに間違われ過ぎたため日本語として定着し、ついに本来とは違う意味が辞書に登録されました。
大辞林の第三版には「憮然」という言葉について以下のように記載しています。

・思いどおりにならなくて不満なさま。
・落胆するさま。
・事の意外さに驚くさま。

間違えた意味で使っている人が70%もいる時点で、むしろ間違えた意味で使ったほうが相手に伝わりやすいということになりますよね。
日本語として相手にちゃんと伝っているという時点でもう既に「不満である」という意味を持った言葉となってしまってるので、辞典に登録されるのもわかる気がします。

しかし、本来の使い方の方が忘れ去られていくのはなんだか複雑な気持ちですよね。


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それでは雑学クイズの正解発表です、答えはもうお分かりですよね?

雑学クイズ問題解答

雑学クイズ問題の答えは「A.落胆するさま」でした!

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まとめ

「憮然」という言葉は「腹を立てているさま」や「不満があるさま」という意味で使われているが本来は違う意味である。
本来の意味は「失望しがっかりするさま」「意外なことに驚くさま」という意味である。
「国語に関する世論調査」によると本来の意味ではない「腹を立てている様子」と回答した人が70.8パーセントで、正しい意味である「失望してぼんやりとしている様子」と回答した人は17.1パーセントしかいなかった。
しかし、最近では誤用の意味が定着したことによって、辞典に「思いどおりにならなくて不満なさま」が正式に採用された。