「琴線に触れる」とはどういう意味?語源由来も解説

この雑学では、意味を間違えて覚えられがちな「琴線に触れる」という言葉の意味や語源由来を解説します。

雑学クイズ問題

「琴線に触れる」とはどういう意味
A.相手の心を傷つけること
B.感動や共鳴を与えること
C.怒りを買ってしまうこと
D.触れてはいけない話題に触れること

答えは記事内で解説していますので、ぜひ探しながら読んでみてくださいね!

「琴線に触れる」とはどういう意味?語源由来も解説

意外と間違われてる琴線に触れるという言葉

誤用の目立つ日本語で「琴線に触れる」という言葉があります。
先日、テレビのクイズ番組を見ていて「琴線に触れる」という言葉の意味について出題されていましたが、意外と意味を間違えて覚えている人が多いことに驚きました。

皆さんは「彼の言葉は私の琴線に触れた」という例文を見た時に、どのような意味だとして捉えますか?
もしも「気に障る」や「癪(しゃく)に障る」などという意味で捉えたのであれば、その使い方は間違えています。

「琴線に触れる」という言葉には相手の怒りを誘うような意味は全くありません。
今回は「琴線に触れる」という言葉の意味や、語源由来などをわかりやすく解説します。

ぜひ最後まで読んでいってくださいね。


「琴線に触れる」という言葉の本来の意味

それではさっそく「琴線に触れる」という言葉の本来の意味について解説します。
辞書などで調べてみると以下の意味であることがわかります。

・良いものや素晴らしいものに触れて感銘を受けること

このように「怒りを買ってしまうこと」というようなネガティブな言葉ではなく、逆にポジティブな意味の言葉だということがわかります。
そもそも「琴線」には「琴の糸」という意味以外にも「心の奥に秘められた感動し共鳴する心情」と意味を持っており、琴の糸を心の奥底の心情を表すものとして比喩的に表現しているものです。

以上のことから「琴線に触れる」は簡単にいうと「感動する」という意味になります。
しかし、冒頭でお話したとおり意外と意味を間違えている人が多く、文化庁の「国語に関する世論調査」によると、「感動や共鳴を与えること」と答えられた人は37.8パーセントしかいなかったそうです。

誤用である「怒りを買ってしまうこと」と答えた人は35.6パーセントもいるため、「琴線に触れる」という言葉を使った時にどちらの意味で伝わるのかがいまいちわからないのが問題です。

「琴線に触れる」の語源

続いては「琴線に触れる」という言葉の語源について解説します。
「琴線に触れる」といった心の奥底の心情を「琴の糸」に例えて比喩的に表現したものは、古代中国である「周」の時代から使われているそうです。

周の時代に伯牙(はくが)と鍾子期(しょうしき)の故事から生まれたものであり「君が琴を聴く耳は私の心の中とそっくりだ」(『列子』「湯問第五」)と言ったことが語源とされています。
琴という楽器の歴史の長さにも驚きますが、このような美しい表現がかなり昔から誕生していたことも驚きですよね。

意味を間違えて覚えていた方にも正しい意味で覚えて頂けたのではないでしょうか?


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それでは雑学クイズの正解発表です、答えはもうお分かりですよね?

雑学クイズ問題解答

雑学クイズ問題の答えは「B.感動や共鳴を与えること」でした!

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まとめ

「琴線に触れる」は意味を間違えて覚えている人が多い言葉である。
本来は「感動や共鳴を与えること」という意味だが「怒りを買ってしまうこと」といった意味で間違えている人が多い。
文化庁の「国語に関する世論調査」によると正しい意味を答えられた人は37.8パーセント、誤用で答えた人は35.6パーセントもいた
「琴線に触れる」という言葉の歴史は古く、中国が周だった頃の故事で既に使われていた言葉である。