テニスのパッシングショットは逆転の一撃!ネット際の面白い駆け引き。

2019年現在では地上波でもテニスが中継されるようになり、普段聞きなれないテニス用語を耳にする機会も増えました。
試合をテレビで見ていると「パッシングショット」などのテニス用語を実況や解説の方が使っていますよね。

テニスの経験がない方にとってはわかりにくいかと思いますので、今回は簡単にパッシングショットについて解説します。
パッシングショットはテニスにおいて逆転の一撃であり、知っているとネット際の攻防がより面白くなります。

パッシングショットとは?

さっそく「パッシングショット」について解説していきます。
パッシングショットとは、ネットに向かって前進してくる相手のわきを抜くショットのことです。

パッシングショットとも呼ばれますが、「パス」と省略して呼ばれることもあります。
テニスには様々なショットがありますが、その中でもパッシングショットは逆転の一撃であり、観客が盛り上がるショットでもあるのです。

パッシングショットは逆転の一撃

なぜパッシングショットが逆転の一撃なのかというと、まずはテニスの攻防について知る必要があります。
テニスのラリーにおいては、相手に前へ出られると不利になってしまうことから、基本的にベースライン近くを狙って深いショットを打ち込みます。

相手に前へ出られてしまうと、打ち返す範囲が限定されてしまう上、早いタイミングで角度の付いたショットが返ってきます。
そのため、基本的にテニスでは相手に前へと出られてしまい、自分が後ろへと下げられると圧倒的に不利な状況なんですね。

その状況を一発で打開するのがパッシングショットなのです。
圧倒的に不利な状況から、前へ出てきた相手のわきを鮮やかに抜いて点数を奪うパッシングショットは、まさに逆転の一撃と言っても良いでしょう。

パッシングショットが得意な選手

2019年現在でパッシングショットを武器にしている選手とえいば、スペインのラファエル・ナダル選手です。
ナダルはコートを大きく使い、例え鋭いショットがきたとしてもボールに食らいつき、体勢を崩しながらも精度の高いパッシングショットが打てる選手なのです。

必死にボールを追いかけ、追い詰められてもパッシングショットで点数を獲得する、そんなナダルのプレーに魅了されるテニスファンも多いんですね。
スイスのロジャー・フェデラー選手は無類の強さを誇り、前へ前へと進む早い展開のテニスを得意としています。

フェデラーの早い展開のテニスの攻略は難しく、そのためフェデラーは10年以上もトッププロとして君臨しています。
ナダルがフェデラーに対抗できるのも、例え前へ出て攻められたとしても、そのわきを抜くパッシングショットの技術が飛びぬけているからなんですね。

パッシングショットの駆け引き

パッシングショットの魅力の一つとして「駆け引き」があります。

普通はクロスに打ち込む

パッシングショットは通常はクロスに打ち込む方が効果的です。
テニスのネットは真ん中の方が低くなっていることから、ネットの真ん中を通した方がより低いショットになるからです。

また、クロスに打った方が当然ながら角度がつきますし、必然的に相手にとって返球しづらいショットとなります。
逆にストレートに打つパッシングショットについては、ボールを沈めにくく、角度もつかないため、難易度の割にメリットが少ないんですね。

ストレートに打って返球された場合についても、自分のオープンコートに角度のついたボレーが返ってくることになります。
そのため、パッシングショットは基本的にはクロスに打ち込むものであり、クロスに打つ方がポイントに繋がりやすいんですね。

敢えてストレートを狙う

基本的にはクロスに打ち込むパッシングショットですが、駆け引きで敢えてストレートに打つ場面もあります。
当然ですが、パッシングショットを打ち込もうとすると、相手もそれに対応して動こうとします。

そのため、パッシングショットを打たれてから動くのではなく、打つ直前にクロスに打たれる事を想定し、クロス側へと走り出す選手も多いのです。
そんな選手の更に裏をかくために、ストレートへのパッシングショットが生きてくるんですね。

パッシングショットを打つのは一瞬の出来事ですが、その瞬間にはクロスに打つor走る、ストレートに打つor走るの駆け引きが発生しているのです。
今後はパッシングショットを打つ瞬間の両選手の動きにも注目して試合観戦を楽しんでくださいね。

以上がパッシングショットについての解説でした。


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まとめ

パッシングショットとは、ネットに向かって前進してきた相手のわきを抜くショットのことである。
圧倒的に不利な状況から点数を奪う鮮やかなプレーであることから、観客が盛り上がることが多い。
2019年現在、現役選手でパッシングショットを得意としているのはラファエル・ナダルであり、どんな体勢からも制度の高いパッシングショットを打つことが出来る。
パッシングショットは普通はクロスに打ち込むが、駆け引きでストレートに打ち込むこともあり、その読みあいが魅力の一つにもなっている。