雷を利用して発電をしない理由とは?そもそも可能なの?

今回は「雷を利用して発電をしない理由」ということで、雷にまつわる雑学を紹介します。
世界には「風力発電、水力発電、太陽光発電、地熱発電」など、自然のエネルギーを利用した発電方法が色々とありますよね。

しかし、とてつもないエネルギーを秘めた「雷」を利用した発電って、全く耳にしたことが無いと思いませんか?
雷を利用して発電することにより、かなりの電力が賄えそうな気がしますが、なぜ人間は雷を利用しないのか、理由が気になりますよね。

雷を利用して発電をしない理由

雷発電
それではさっそく雷を利用して発電をしない理由について解説していきます。
そもそも皆さんは雷がどのように発生して、どのぐらいのエネルギーを秘めているのかをご存じですか?

雷発生のメカニズム

実は雷が発生するメカニズムについては、2019年現在でも解明されていないそうです。
毎年夏になると、全国的に相当数の雷が落ちていることから、とても身近な現象に思われているので意外ですよね。

雷が落ちる時に鳴る音である「雷鳴」については原因が解明されているようです。
微弱な静電気でも発生した場合には「パチッ」という音が鳴りますよね?

雷についても同じで、雷が発生して放電した際に「ゴロゴロゴロ」という音を立てているのです。
もちろん静電気とは比べ物にならないぐらいの凄まじいエネルギーのため、その音は数百メートルから数キロ先まで響き渡ります。

ちなみに、近くで雷が鳴ると建物が振動することがありますが、それは雷の衝撃波によるものです。
雷が発生すると、周辺にある大気が急激に温められて膨張することにより、衝撃波が発生するそうです。

雷の威力ってどれぐらい?

続いて、雷がどれぐらいの威力を持っているのかについてです。
雷の一回分の放電量は、電流が数万~数十万アンペアであり、電圧が1億~10億ボルトとなっています。

一般的な二人暮らしの家庭で契約しているアンペア数が50~60アンペア程度なので、凄まじいエネルギーであることがわかりますよね。
雷が一回落ちるだけでこれだけのエネルギーが発生するなら、全国で雷のエネルギーを発電に転用出来れば、一気にエネルギー問題が解決されるように思えます。

そもそも雷発電は可能?

それでは、雷を利用した発電が可能なのかについてです。
雷を利用して発電をすることは理論上は可能です。

しかし、あくまで”理論上は可能”というだけで、人間の日常生活で役立てるレベルに転用することは難しいようです。
凄まじいエネルギーを秘めているのに利用できないなんてなんとも歯がゆいですよね。

実用化はやはり難しい

雷を利用して発電をしない理由とは?そもそも可能なの?
雷発電の実用化が難しい理由はいくつかあります。

電気は一気に充電できない

スマートフォンやノートPCを充電する時もそうですが、コードを繋ぐだけで一瞬でバッテリーが100%になる訳ではありませんよね。
世の中にある電機を使った様々な機器がそうであるように、充電とはゆっくりと時間をかけて行うものなのです。

仮に雷から放たれた電流がスマートフォンに流れ込んだとすると、想像するまでもありませんが壊れて使い物にならなくなります。
雷が24時間かけてゆっくりと放電してくれる現象なら充電も可能ですが、一瞬で膨大なエネルギーを発生させることから充電には圧倒的に不向きなのです。

もし充電出来たとしても時間的には一瞬のため、充電される電気の量も微々たるものでしょう。

そもそも装置が無い

そもそもスマートフォンなどの機器が一瞬で充電できないように、現代には一瞬で充電が可能な機器がありません。
雷を利用した発電を行いたいのであれば、大量の電気を流し込んで一瞬で充電が可能な機器を発明する必要があります。

コストパフォーマンスが悪すぎる

運用コストを考えても雷発電の実用化は難しいことがわかります。
膨大なエネルギーを秘めているといっても、雷はいつどこで発生するかわからないため、全国のあらゆる場所に雷発電装置を配備する必要があります。

もちろん設置したら終わりではなく、全国に無数に点在するその装置をメンテナンスする必要もあります。
装置を開発するのにもお金が掛かりますし、コストパフォーマンスを考えればいかに運用が困難かがわかりますよね。

全国の雷を少しずつ充電できれば?

雷を利用して発電をしない理由とは?そもそも可能なの?
雷の全てのエネルギーを発電に利用できなくても、全国で発生する雷から少量ずつエネルギーを集めるという手段がありますよね。
しかし、日本で発生する雷を全て集めたとしても、日本全国で消費する電力の1000分の1程度にしかならないという試算が出ています。

また、日本で発生する雷をすべて集めるためには、そのための装置を全国に配備する必要が出てきます。
先ほども解説しましたが、日本全国で消費する電力の1000分の1を集めるために、そのような装置を運用するのは逆にエネルギーやお金の無駄遣いになってしまいますよね。

以上が「雷を利用して発電をしない理由」についてでした。


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まとめ

雷が発生するメカニズムはいまだに解明されておらず、雷のエネルギーを一瞬ですべて貯えるような装置は開発されていない。
雷による発電は”理論上は可能”というだけで、実用化にはいくつもの障害がある。
雷は日本全国のいつどこで発生するかわからないことから、全国に装置を配備しなければならず、実用化は現実的ではない。
また、日本全国で発生する雷全てから少量ずつエネルギーを蓄えても、日本で消費される電力の1/1000程度にしかならない。