今回は「ワインドアップの意味」ということで、野球用語にまつわる雑学を紹介します。
テレビでプロ野球中継を見ていると「ピッチャー、ワインドアップから投げました!」と実況されることがありますよね。
しかし、野球経験者じゃない人にとっては「ワインドアップ」っていまいち意味のわからない言葉ですよね。
今回はワインドアップやノーワインドアップなど、一般的にはあまり知られていない野球用語について詳しく解説します。
目次
ワインドアップポジションとセットポジション
まずは「ワインドアップポジション」と「セットポジション」の違いについて解説します。
ピッチャーが投球を行う上で、ワインドアップポジションとセットポジションには違いがあります。
「セットポジション」は塁上にランナーがいる状態のポジションを意味します。
セットポジションでは盗塁などを警戒する必要があることから、素早いモーションで投球を行うことが要求されます。
逆に「ワインドアップポジション」は塁上にランナーがいない状態のポジションを意味します。
ワインドアップポジションでは、ピッチャーは大きく分けて「ワインドアップ投法」と「ノーワインドアップ投法」の二種類の投げ方をします。
今回はワインドアップポジションにおけるピッチャーの「ワインドアップ」を中心に解説していきますね。
ワインドアップの意味とは?
まずは「ワインドアップ」についてですが、ワインドアップとは簡単に言えば「振りかぶる」ことです。
ピッチャーにはそれぞれ独自の投球フォームがありますが、その中でもボールを頭の上で振りかぶって投げる投法を「ワインドアップ投法」と呼びます。
2019年現在の現役プロ野球選手では、中日ドラゴンズの松坂大輔選手や阪神タイガースの能見篤史選手などがワインドアップ投法で投げています。
しかし、ダイナミックなフォームから投げ込むワインドアップ投法は、ピッチャーの花形の投法でしたが、近年ではその数を減らしつつあります。
メリット
続いて、ワインドアップ投法のメリットについて解説していきます。
まず一つ目のメリットとして、大きく振りかぶって投げることから、ボールに勢いをつけやすいことが挙げられます。
また、全身を大きく使って投げ込むことから、ワインドアップの方が球速が速くなる傾向があります。
振りかぶった際に身体を大きく伸ばすため、軸足に思いっきり力をため込んで投げ込めることもワインドアップのメリットですね。
二つ目のメリットとして挙げられるのは、バッターへ威圧感を与えることが出来ることです。
特に長身ピッチャーは豪快に振りかぶって投げることにより、バッターは「凄いボールを投げそう」と気圧されることがあります。
逆に、豪快なワインドアップ投法から変化球を投げて、緩急をつけることによってバッターに狙い球を絞らせない効果も期待できます。
デメリット
ワインドアップ投法にはデメリットもあります。
ワインドアップ投法の一番大きなデメリットは、コントロールが乱れやすいという点です。
身体全体を使ってダイナミックなフォームから投げ込むため、身体の軸が安定しにくく、どうしてもコントロールがアバウトになってしまうんですね。
近代の野球では球速よりも、コントロールの方が重要視されるようになってきたため、ワインドアップで投げるピッチャーは減っているのが現状です。
また、バッターから見た時に、投球フォームが大きいことから、どのタイミングでボールが投げられるのかが見極められてしまいます。
いくらボールに勢いがあって球速が速くても、投げ込むタイミングがわかれば、プロ野球の世界では打たれてしまうのです。
ノーワインドアップの意味とは?
続いて「ノーワインドアップ」の意味についてですが、ノーワインドアップは振りかぶらない投球フォームのことです。
近代のプロ野球では、ノーワインドアップで投げるピッチャーが増えています。
メリット
ノーワインドアップの大きなメリットはコントロールが安定するところです。
ワインドアップとは違ってコンパクトなフォームで投げ込むため球速は出ませんが、その分コントロールが安定するんですね。
ボールの出どころがわかりにくいこともメリットの一つです。
バッターから見てボールの出どころがわかりにくいと、タイミングが取り辛いため、打つことが難しくなります。
また、ワインドアップは振りかぶった際に球の握りが見えることもあり、球種がある程度読まれてしまいます。
一方でノーワインドアップは胸の前で球を握ることから、球種が読みづらいことも特徴となっています。
デメリット
ノーワインドアップのデメリットは、ワインドアップに比べて球速が出にくいことです。
選手によっては問題なく速い球を投げることが出来ますが、フォームがコンパクトになる分、どうしても球速が出にくくなってしまいます。
しかし、実は球速が出にくくなるというデメリット以外、ノーワインドアップにはこれといってデメリットがありません。
そのため、近代の野球ではノーワインドアップが主流となっており、ワインドアップで投げるピッチャーが減っているのでした。
以上「ワインドアップの意味」がについてでした。
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まとめ
ワインドアップは振りかぶって投げる投球モーションのことであり、球速が出やすいことが特徴である。
しかし、身体全体を使ってボールを投げ込むことから、身体の軸が安定せずにコントロールがし辛いデメリットがある。
ノーワインドアップは振りかぶらないで投げるコンパクトな投球モーションであり、コントロールが安定しやすい特徴がある。
近代のプロ野球ではコントロールが重視されていることから、ノーワインドアップで投げ込むピッチャーが主流となっている。