アルプス一万尺やこやりの意味とは?童謡にまつわる雑学。

今回は「アルプス一万尺やこやりの意味」ということで、童謡にまつわる雑学を紹介します。
皆さんも一度は童謡「アルプス一万尺」を耳にしたり、歌ったりしたことがありますよね。

歌詞の中には「小槍の上でアルペン踊りを踊りましょ」というものが登場しますが、「小槍(こやり)」とは何なのかご存じですか?
また、そもそも「アルプス一万尺」とは何なのかについても解説していきます。

アルプスとは日本アルプスのこと

アルプス一万尺意味
それではさっそく「アルプス一万尺」について解説していきます。
おそらく、ほとんどの人が「アルプス」といえば、ヨーロッパにある「アルプス山脈」をイメージするのではないでしょうか?

そのため、アルプス一万尺は西欧から伝わってきた童謡だと思われているんですよね。
しかし、実は童謡「アルプス一万尺」に登場するアルプスとは「日本アルプス」のことを指しているのです。

アルプス一万尺の意味

それでは、タイトルの「一万尺」とは何を意味しているのでしょうか?
日本アルプスは「飛騨山脈」「木曽山脈」「赤石山脈」の3つの山脈の総称であり、中部地方に連なる山々のことです。

そして、日本アルプスには3,000メートル級の山々がずっと連なっているんですね。
現在ではほとんど「尺」という単位を耳にしなくなりましたが、1尺は「3.3センチメートル」になります。

そのため、一万尺といえば約3,000メートルとなり、アルプス一万尺は日本アルプスの山々のことを意味していることがわかりますよね。
ちなみに、アルプス一万尺の歌詞を考えた人は「京大山岳部の学生」だとされていますが、現在でも作詞者は不明になっています。

小槍(こやり)の意味

続いて歌詞に登場する「小槍(こやり)」の意味について解説していきます。
アルプス一万尺には日本アルプスの山の名前がいくつか登場しますが、その中に「槍ヶ岳」という山が登場します。

槍ヶ岳の頂上付近は厳しい岩場となっており、頂上については「大槍(おおやり)」と呼ばれています。
そして、その手前にある尖った岩場が「小槍(こやり)」と呼ばれているんですね。

更に、その間には「孫槍(まごやり)」「曽孫槍(ひこやり)」などが続いているのです。
頂上である大槍にはハシゴが掛けられていることから、一般の登山者でも登ることが出来るようになっています。

しかし、小槍にはハシゴが掛けられていないため、ロッククライミングなどの技術を身に付けた人しか登ることが出来ません。
そのため、小槍(こやり)の上でアルペン踊りを踊る人は、登山やロッククライミングの上級者ということになりますよね・・・。

ちなみに、小槍(こやり)の標高は3,030メートルのため、ちょうどアルプスの一万尺の標高に位置しています。

アルプス一万尺の原曲

アルプス一万尺の原曲は元々はアメリカ合衆国の民謡であり、全く山とは関係の無い歌でした。
アメリカでは「ヤンキードゥードゥル」という曲名で知られ、1978年にはコネチカット州の州歌としても採用されています。

「ヤンキードゥードゥル」の由来は諸説ありますが、元々はイギリス軍が植民地であったアメリカの軍隊をからかうための歌だったとされています。
「ヤンキー」はアメリカ軍を意味する言葉で、「ドゥードゥル」にはまぬけといった意味がありました。

しかし、イギリス人たちの予想に反して植民地の住民たちはヤンキードゥードゥルを好んで歌うようになったのです。
そして、アメリカの独立戦争では、逆にイギリスを蔑むような歌詞で歌われ、愛国歌としても歌われるようになりました。

その後、様々なパターンの替え歌が作られるようになり、当時の総司令官であったジョージ・ワシントンをコケにする内容の歌詞まで登場したとされています。
ちなみに、日本にはペリー来航の時に「ヤンキードゥードゥル」が伝わり、上陸時の行進曲として演奏されました。

以上が「アルプス一万尺やこやりの意味」についてでした。


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まとめ

アルプス一万尺に登場する「アルプス」とは日本アルプスのことであり、歌詞の中にも日本の山の名前が多数登場する。
日本アルプスには3000メートル級の山々が連なっており、一尺は30.3センチであることから、一万尺は約3000メートルとなっている。
小槍は北アルプスの槍ヶ岳にある岩場の名前であり、頂上を指す「大槍(おおやり)」の手前の尖った岩場のことである。
原曲は「ヤンキードゥードゥル」というアメリカ合衆国の民謡であり、独立戦争の時に歌われていた。