この雑学では、プロ野球がメジャー挑戦の時に活用できる「ポスティングシステム」の仕組みについてわかりやすく解説します。
雑学クイズ問題
2016年以前で最も高額でポスティングシステムでメジャーへ移籍したのは誰?
A.イチロー
B.ダルビッシュ有
C.田中将大
D.前田健太
答えは記事内で解説していますので、ぜひ探しながら読んでみてくださいね!
ポスティングシステムとはどんな仕組み?条件や意味を簡単に解説!
よくわからないポスティングシステム
皆さんは普段からプロ野球を見ていますか?
筆者は大のプロ野球ファンでペナントシーズン中は何度も贔屓にしているチームの球場に足を運んでいます。
日本シリーズも終了してオフシーズンとなると、面白いテレビ番組も無くなってしまい寂しい気持ちになります。
2017年現在、一番話題となっている選手は二刀流に挑戦している、日本ハムファイターズの大谷翔平選手ですよね!
子供のころからメジャーリーグでプレーする事に憧れていたため、2017年のシーズンを日本でプレーした後、メジャーリーグに挑戦する事が確実視されています。
「大谷翔平選手の意思を尊重して、ポスティングシステムでメジャーへ挑戦する事を球団側も容認する。」というニュースも出ました。
メジャーリーグで活躍している姿も見てたいですが、日本で活躍する姿も見ていたいですし、ファンとしては複雑な気持ちです。
前置きはこの辺にしておいて、メジャーへ移籍する際に良く聞く「ポスティングシステム」ってありますよね?
正直言ってどのような制度なのかをはっきり答えられる人って少ないと思います。
今回はそんな「ポスティングシステム」についてわかりやすく解説していきます。
現行のポスティングシステム
まずは現在(2013年以降)のポスティングシステムについて解説します。
ポスティングシステムはメジャー挑戦を希望する選手に対して、上限2000万ドルという譲渡金を設定して、メジャーリーグの各球団と交渉する事を可能とするシステムです。
仮に2000万ドルを支払う意思のある球団が複数ある場合についても、その全ての球団と契約についての交渉を進めることができます。
メジャーリーグ側の球団との交渉が成立した場合には、その選手を譲渡する見返りとして、日本の球団に2000万ドルが支払われます。
上限が2000万ドルのため、もちろん2000万ドル以下の場合もあります。
通常では海外FA権を獲得してからメジャーリーグに挑戦する流れとなりますが、ポスティングシステムを利用する事により、若い選手でもメジャーリーグに挑戦することが可能となります。
しかし、自由にポスティングシステムを利用できてしまうと、優秀な選手が次々に流出してしまうため、ポスティングシステムは日本の球団側が容認した場合に限って利用することが認められています。
交渉期間については、メジャーリーグ側にポスティングシステムの利用を申請してから30日間と決まっています。
交渉期間内に入札がなかったり、契約合意がされなかった場合は、移籍を諦めて日本の球団と再契約するか、自由契約でメジャーへ挑戦(トライアウトを受けるなど)することとなります。
旧ポスティングシステム
続いては旧ポスティングシステム(2012年以前)について解説します。
ポスティングシステムが導入されたのは1998年となっており、日本のプロ野球の歴史を考えれば最近のこととなります。
現在のポスティングシステムでは複数球団と交渉が可能となっていますが、旧ポスティングシステムでは1球団との交渉権しかありませんでした。
譲渡金の上限も無かったため、1番の高額で入札した球団のみが交渉権を得るといういわゆるオークションのようなシステムでした。
そのため、選手が複数のメジャーリーグ側の球団と交渉し希望した球団へ行く権利がなく、仮に契約がまとまらなかった場合は、その年のメジャー移籍を諦めるか自由契約で移籍を目指すこととなります。
仮に移籍が決定しても、希望する球団に移籍できる可能性が低いため、現在のポスティングシステムの方が、より選手の希望が反映されやすいシステムとなりました。
日本の球団側からすると、旬である選手の放出を認める見返りとして高額の譲渡金を受け取る事が出来たため、旧ポスティングシステムの方が利益があったといえます。
過去にポスティングシステムを利用した選手
過去にポスティングシステムを利用した選手を紹介します。
過去のポスティングシステムで最高額で移籍した選手はダルビッシュ有選手で「5170万3411ドル」でした。
現在のポスティングシステムで移籍した選手については、今のところ田中将大選手と前田健太選手の2名のみで、譲渡金額は2000万円でした。
実績を考えれば両選手ともに2000万円以上でも入札されるポテンシャルを持った選手だと思いますので、ポスティングシステムの改正は球団側にとっては痛すぎますよね・・・
旧ポスティングシステムで移籍した選手
1998年
アレファンドロ・ケサダ・・・40万1ドル
広島東洋カープ→シンシナティ・レッズ
2000年
イチロー・・・1312万5000ドル
オリックス・ブルーウェーブ→シアトル・マリナーズ
2001年
石井一久・・・1126万4055ドル
ヤクルトスワローズ→ロサンゼルス・ドジャース
2002年
ラモン・ラミーレス・・・30万50ドル
広島東洋カープ→ニューヨーク・ヤンキース
2003年
大塚晶文・・・30万ドル
中日ドラゴンズ→サンディエゴ・パドレス
2004年
中村紀洋・・・不明
オリックス・バファローズ→ロサンゼルス・ドジャース
2005年
森慎二・・・75万ドル
西武ライオンズ→タンパベイ・デビルレイズ
2006年
松坂大輔・・・5111万1111ドル11セント
西武ライオンズ→ボストン・レッドソックス
岩村明憲・・・450万ドル
ヤクルトスワローズ→タンパベイ・デビルレイズ
井川慶・・・2600万194ドル
阪神タイガース→ニューヨーク・ヤンキース
2010年
西岡剛・・・532万9000ドル
千葉ロッテマリーンズ→ミネソタ・ツインズ
2011年
青木宣親・・・250万ドル
ヤクルトスワローズ→ミルウォーキー・ブルワーズ
ダルビッシュ有・・・5170万3411ドル
北海道日本ハムファイターズ→テキサス・レンジャーズ
新ポスティングシステムで移籍した選手
2013年
田中将大・・・2000万ドル
東北楽天ゴールデンイーグルス→ニューヨーク・ヤンキース
2015年
前田健太・・・2000万ドル
広島東洋カープ→ロサンゼルス・ドジャース
このように並べて金額を見てみると、日本人は投手が高く評価されているのがよくわかりますね!
逆に青木宣親選手が250万ドルの入札であることを見ると、野手のメジャー挑戦のハードルの高さがわかります・・・
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それでは雑学クイズの正解発表です、答えはもうお分かりですよね?
雑学クイズ問題解答
雑学クイズ問題の答えは「B.ダルビッシュ有」でした!
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まとめ
メジャーリーグなど海外の球団に移籍するシステムとして「ポスティングシステム」がある。
現在のポスティングシステムは、譲渡金が2000万ドルと定められていて、入札のあった複数の球団と交渉を進めることができる。
旧ポスティングシステムは、譲渡金の上限が無く、1番高額で入札した球団のみが交渉権を得る事が出来た。
通常は海外FA権を取得するまで移籍できないが、球団が認めた場合にポスティングシステムを利用することが出来る。
交渉期限がメジャーリーグに申請をしてから30日間と決められているため、契約が決まらなかった場合は自由契約などでメジャーを目指すこととなる。