お雛様やお内裏様とは誰?実はおひな様はひな人形全員のこと。

今回は「お雛様やお内裏様とは誰?」ということで、お雛様にまつわる雑学を紹介します。
皆さんは、お雛様がひな壇の上段に飾られているお姫様のことだと思っていませんか?

また、お内裏様(おだいりさま)がひな壇の上段に飾られているお殿様だと思っていませんか?
実はこれらについては勘違いされているだけで、どちらも間違いなのです。

お雛様やお内裏様とは誰?

おそらく多くの人がお雛様について勘違いしていますが、お雛様はお姫様のことではありません。
実は、ひな壇に飾られているすべての人形がお雛様なのです。

どういうことかというと、「お雛様」については「ひな人形を敬い親しむ呼び方」であって、特定の人形を指す言葉ではないんですね。
そのため、本来は右大臣や左大臣、三人官女や五人囃子についても全員がお雛様なのです。

その中でも、お殿様のひな人形については「男雛(おびな)」、お姫様のひな人形については「女雛(めびな)」と呼ばれています。
お雛様以外にも、ひな人形には多くの人が勘違いしていることがあります。

お内裏様(おだいりさま)の勘違い

お雛様がひな壇上段のお姫様だという勘違いが多いように、お内裏様についても勘違いされています。
お内裏様を多くの人がひな壇上段のお殿様だと思っていますが、これについても勘違いなのです。

内裏(だいり)とは天皇の私的な区域のことであり、内裏の中には紫宸殿(ししんでん)と呼ばれる場所があります。
紫宸殿では天皇元服や立大使、節会などの儀式が執り行われる正殿であり、天皇と皇后の結婚式もこの紫宸殿で行われます。

ひな人形はその結婚式の様子であり、お内裏様とは紫宸殿で結婚式を挙げる天皇と皇后の両方を指す言葉なんですね。
そのため、お内裏様は一体の人形を指すのではなく、男雛と女雛を一対にして呼ぶ呼び方なのです。

勘違いが生まれた理由

それでは、なぜこのような勘違いが生まれ、これほど多くの人に広まってしまったのでしょうか。
実は童謡の「うれしいひなまつり」に登場する歌詞が理由で、勘違いが広まってしまったとされています。

うれしいひなまつりの一部には、以下の歌詞が登場します。
おだいりさまとおひなさま ふたりならんですましがお

この歌詞を読むと、おそらくほとんどの人が男雛をお内裏様、そして女雛をお雛様だと勘違いしてしまいますよね。
歌詞の内容ではお内裏様とお雛様となっているので、同じ登場人物が二回も登場してしまってます。

うれしいひなまつりは幼稚園や学校などでも習いますし、ひなまつりシーズンに毎年聞くことになるため、このような勘違いがどんどん広まってしまったのです。

歌詞には他の間違いも存在

実は童謡「うれしいひなまつり」には他の間違いも登場します。
すこししろざけめされたか あかいおかおのうだいじん

歌詞には赤いお顔の右大臣とありますが、実際にひな人形で赤い顔をしているのは左大臣の方です。
ひな人形は男雛から見て左右が決まっていることから、歌詞では左右も間違ってしまっているんですね。

うれしいひなまつりを作詞したハチロー氏は誤解を与えてしまったことを後悔していたそうで、テレビで曲が流れるたびに不機嫌になったとされています。
また、いつも「うれしいひなまつり」に代わるひな祭りの歌を誰かが書いてくれないかと、ぼやいていたともいわれています。

以上がお雛様やお内裏様が誰なのかについてでした。


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まとめ

お雛様はひな人形のお姫様のことだと勘違いしている人が多いが、本来はひな人形すべてを敬い親しむ呼び方である。
また、お内裏様もお殿様のことだと勘違いされているが、本来は男雛と女雛の両方を指す言葉である。
このような勘違いを生んだのは童謡「うれしいひなまつり」に登場する歌詞が「おだいりさまとおひなさま ふたりならんですましがお」となっていたためである。
他にも「あかいおかおのうだいじん」とあるが、実際のひな人形で顔を赤くしているのは左大臣である。