麻婆の意味・由来、麻婆豆腐を日本に広めた有名な人物とは?

今回は「麻婆の意味・由来」ということで、麻婆豆腐にまつわる雑学を紹介します。
現在では中華料理の定番となっている麻婆豆腐ですが、実は日本に広まったのは意外にも戦後のことでした。

また、麻婆豆腐の「麻婆」という言葉の意味や由来については、「婆」という漢字が使われていることから、どこかのお婆さんが作ったと考えてる人も多いようです。
「麻婆」という言葉の正しい意味や由来を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでいってくださいね。

麻婆の意味・由来

それではさっそく麻婆豆腐の「麻婆」の由来について解説していきます。
意外に思うかもしれませんが、実は麻婆豆腐という食べ物が登場したのは19世紀~20世紀にかけてなので、そこまで歴史が深い料理ではありません。

麻婆の由来とは?

麻婆豆腐が初めて食べられるようになったのは中国が清の時代のことで、四川省の成都で料理屋を営む女性によって考案されました。
女性の名前は陳劉であったことから、麻婆豆腐は「陳麻婆豆腐」と呼ばれていたそうです。

麻婆豆腐は元からあった定番メニューではなく、材料が乏しかった時期に、ありあわせの材料で労働者向けに作ったのが由来で誕生したメニューでした。
そして、たまたま作られた麻婆豆腐は予想に反して客にウケ、その評判は成都以外の都市も広まっていったとされています。

清の文献によると「陳麻婆豆腐と言えば知らないものはなく、食べに行く者は多少の距離でも気にせず食べに行く」と記録されているほどだったんですね。
たまたま料理屋が豆腐屋と羊肉屋と隣接していて、麻婆豆腐の食材の調達が容易だったこから、麻婆豆腐はその後の定番メニューとなっていきました。

麻婆の意味とは?

続いて「麻婆」という言葉の意味について解説していきます。
「麻婆」という言葉は、麻婆豆腐を考案した陳劉氏に関係する言葉となっています。

まず「麻」という漢字ですが、「麻」には「あばた(天然痘が治った後に残る顔のくぼみ)」という意味があります。
麻婆豆腐を考案した陳劉氏に顔には、この「麻(あばた)」があったとされています。

そして「婆」という漢字ですが、「婆」には「妻」や「身持ちの固いおばさん」という意味があります。
陳劉氏は若くして夫を亡くしており、その後も独身を貫いたことからまさに「身持ちの固いおばさん」だったのです。

そのため「麻(あばた)のある身持ちの固いおばさんが作った豆腐料理」という意味で「麻婆豆腐」と呼ばれていたんですね。
陳劉氏自身は麻婆豆腐のことを「羊肉料理」と呼んでいたそうですが、結局は「麻婆豆腐」という名前でその後も定着することになりました。

麻婆豆腐を日本に広めた人物

日本で麻婆豆腐が一般的になったのは1970年代のことです。
まだ一般的ではなかった麻婆豆腐を広めた人物は、「中華の鉄人」として知られている陳建一氏の父の「陳建民氏」だったとされています。

陳建民氏が日本へとやってきたのは1952年のことでしたが、本場中国の辛い麻婆豆腐は日本人の口には合わないと考えました。
そこで、辛さを控えた麻婆豆腐を提供したところ、日本人の舌にも受け入れられて、徐々に評判を呼ぶようになりました。

そして、1970年代にはテレビなどで麻婆豆腐が料理番組などに登場するようになり、ほとんどの人に麻婆豆腐という料理が認知されるようになりました。
その後、特殊な調味料を使わなくて、簡単に作れる麻婆豆腐の素なども開発されたことから、麻婆豆腐は瞬く間に日本の食卓へと普及していったのでした。

以上が「麻婆の意味・由来」「麻婆豆腐を日本に広めた人物」についてでした。


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まとめ

麻婆豆腐は18世紀~19世紀頃、中国が清の時代に考案された料理である。
元々は四川省の成都で料理屋を営む女性によって、労働者向けにありあわせの食材で作れる料理として提供していたが、評判を呼び有名になった。
麻婆豆腐には「麻(あばた)のある身持ちの固いおばさんが作った豆腐料理」という意味があるが、元々は「羊肉料理」という料理名だった。
日本に普及したのは1970年代のことで、日本人の舌にあわせて辛さを控えて作られた結果、日本人にもウケて急速に普及することとなった。