豆腐の語源と由来、なぜ”腐”という漢字が使われるのかを解説。

今回は「豆腐の語源と由来」ということで、豆腐にまつわる雑学を紹介します。
豆腐は「豆が腐る」と書きますが、実際に豆を腐らせて作っている訳ではありませんよね。

そのため、なぜ「腐」という漢字が使われているのか、不思議に思った方も多いでしょう。
そこで豆腐の語源と由来、また豆腐を「やっこ」と呼ぶ理由についても調査してみました。

豆腐の語源にまつわる俗説

豆腐語源由来
まずは「豆腐」の語源にまつわる俗説について解説します。
豆腐は納豆と共に中国から伝来しましたが、その時に意味が逆になってしまったという噂を聞いたことがありませんか?

実際に納豆は「豆を納める」と書くことから本来の豆腐っぽいですし、豆腐も「豆を腐らせる」ことから納豆っぽいですよね。
そのため、信ぴょう性のある情報のように思えますが、これは俗説であり、本来の語源と由来は違います。

また、中国では実際に豆腐を腐らせて豆腐を作っていたという説も存在していますが、これについても間違いです。
ちなみに、豆腐は豆を水に浸して柔らかくし、豆乳状にしたものににがりを加えて固めて作るため、豆を腐らせている訳ではありません。

豆腐の本当の語源と由来

続いて、豆腐の本当の語源と由来について解説していきます。
日本では「腐」という漢字は、一般的には「傷む」という意味で使われていますよね。

しかし、「腐」という漢字は「傷む」以外にも「柔らかい」や「塊」といった意味を持っています。
「腐」の漢字の成り立ちは、冠である「府」と「肉」を合わせたものになっていますよね。

「府」には食べ物などを貯蔵する「蔵」という意味もあることから、「腐」は元々は肉を蔵に保存しておくことを意味する言葉でした。
そして、蔵に保存されたばかりの肉は死後硬直で硬くなっていますが、時間が経つと柔らかくなっていくことから「柔らかい」という意味で用いられるようになりました。

そのため、「柔らかい豆を塊にしたもの」というこが語源・由来となって「豆腐」という言葉が誕生したのです。
このように、「豆腐」とは「豆を腐らせて作る」こととは無縁の食べ物なのです。

それでは”やっこ”とは?

豆腐語源由来
例えば「冷ややっこ」などのように、豆腐は「やっこ」と呼ばれることがありますよね。
なぜ豆腐が「やっこ」と呼ばれるのかというと、大名行列の先頭で槍を振っている奴さんが由来となっています。

奴さんが来ている服の胸の部分には四角い紋章があることから、豆腐を四角に切ることを「奴(やっこ)に切る」と言うようになりました。
そのため、奴に切られた豆腐(四角に切られた豆腐)そのもののことを「奴(やっこ)」と呼ぶようになったとされています。

また、冷ややっこは元々「冷ややか豆腐」と呼ばれていたことが語源となっている説もあります。
「冷ややか豆腐」が「ひやっこい」と呼ばれるようになり、やがて「やっこ」と呼ばれるようになったとも考えられているんですね。

お店によっては”富”と書く

豆腐の語源や由来について、詳しく知っているという方は世間的にかなり少ないですよね。
そのため、少なからず「腐」という漢字を見て、「傷んでいる」ということを連想する人もいるそうです。

また、飲食店的にもメニュー表に「腐」という漢字を表記するのは縁起が悪いと考えられているんですね。
そのため、お店によっては「豆腐」ではなく、メニューに「豆富」と書いてある場所もあります。

「富」は日本人にとっては縁起の良い漢字ですし、「腐」に比べていいイメージが持たれていますよね。
また、「富をもたらす」という意味で、飲食店側にとっても縁起の良い漢字となっているのです。

以上が「豆腐の語源と由来」についてでした。


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まとめ

中国から豆腐と納豆が伝来した時に、逆に伝わってしまったという説があるが、これは俗説である。
豆腐の「腐」という漢字には「傷む」という意味以外にも「ぶよぶよと柔らかい」や「塊」という意味あり、大豆が柔らかく固められたことで「豆腐」と名付けられた。
また「やっこ」という言葉は、大名行列の先頭で槍を振る「奴(やっこ)」が着ている服の紋章が由来となっている。
「腐」という漢字のイメージが悪いことから、店によっては豆腐を「豆富」と記載する店もある。