今回は「四苦八苦の意味・語源・由来」ということで、四字熟語にまつわる雑学を紹介します。
皆さんも普段から「四苦八苦」という四字熟語をよく耳にすることがあるかと思います。
実は「四苦八苦」は仏教用語が由来となっていて、人間の様々な苦悩をまとめたものなのです。
仏教用語を難しく感じる人も多いかもしれませんが、なるべくかみ砕いてわかりやすく解説していきますね。
目次
四苦八苦の意味
まずは「四苦八苦」という言葉の意味について解説していきます。
「四苦八苦」という四字熟語をについて辞書を使って調べてみると、以下の意味であることがわかります。
・たいへんな苦しみ
・あらゆる苦しみ
・人間の苦悩の原因をあげたもの
単純に苦しみを感じるというよりは、たくさんの苦しみが重なった時に使われる言葉ですね。
生活をしていて、何をしてもうまくいかず、悪いことが重なってしまうタイミングってありますよね。
そのような状況こそ、まさに「四苦八苦」している状態なのです。
四苦八苦の語源と由来
続いて「四苦八苦」という言葉の語源と由来について解説していきます。
冒頭でも軽く解説しましたが、「四苦八苦」は仏教用語が由来であり、人間の様々な苦しみをまとめたものです。
皆さんも人生を送る上で様々な苦しみを経験されてると思いますが、それらも全て四苦八苦のうちの一つなんですね。
四苦八苦は「生老」「老苦」「病苦」「死苦」「愛別離苦」「怨憎会苦」「求不得苦」「五陰盛苦」の八つの苦しみを指します。
人間が苦しむ時には、上記の八つの苦しみのどれか一つが原因となっているということですね。
ちなみに、四苦と八苦を合わせて十二苦になるというわけではなく、四苦八苦は八つの根本的な苦しみを意味します。
生苦(しょうく)
まずは「生苦(しょうく)」についてですが、これは読んで字のごとく「生きる苦しみ」のことを意味しています。
人間は生きるために働かなければならず、時には争ってライバル達を蹴落としていかなければなりません。
そして、この苦しみは人が生きていく上で避けられないものであることから、人間は生きているだけで苦しいと考えられています。
現代は暗いニュースがとても多いので、生きることに苦しみを覚える人もたくさんいるでしょう。
老苦(ろうく)
続いて「老苦(ろうく)」についてですが、これは「老いることの苦しみ」のことを意味しています。
小さなころは全てのことが新鮮に感じられて、毎日がワクワクとドキドキで溢れかえっていましたよね。
しかし、年齢を重ねて置いてくると、毎日が同じことの繰り返しになっていき、楽しいことも少なくなっていきます。
そして、身体も動かなくなり、物覚えも悪くなって新しいことも始められなくなるなど、老いることは人間にとっての苦しみだと考えられています。
病苦(びょうく)
続いて「病苦(びょうく)」についてですが、これは「病による苦しみ」のことを意味しています。
人間が生涯を終える時、その理由のほとんどは「老衰」によるものではなく、「病気」によるものです。
人間の大半は人生のどこかで病を患いますし、最終的には病死で人生を終える人がほとんどなんですよね。
特に年齢を重ねると病の治りも遅くなりますし、治らないことから死ぬまで病で苦しむこともあります。
そのため、病も人間にとっての大きな苦しみの一つだと考えられています。
死苦(しく)
続いて「死苦(しく)」についてですが、これは「死の苦しみ」のことを意味しています。
人間には必ず「死」が待っており、いくら地位や名誉、財産がある人でも、死は平等なのです。
死を自覚した瞬間には、積み上げた地位や名誉、財産などが無意味なものに感じられますし、苦しむこともあります。
また、自分が死んでしまったらどうなるのか?死を迎える瞬間は苦しいのか?など、死に恐怖を感じます。
死ぬということは人間にとってとてつもない苦しみであり、恐怖の対象の一つとなっています。
愛別離苦(あいべつりく)
続いて「愛別離苦(あいべつりく)」についてですが、これは「愛する人や大切な物との別れ」を意味しています。
人と出会うということは、いつか必ず別れる瞬間がやってきます。
例えば、それが自分にとってどんなに大切で愛する人だったとしても、人間である以上「死」からは逃れられません。
そして、残された方はこの別れに大変な苦痛を覚えます。
もちろん死を迎える側にとっても、ずっと一緒にいられなくて寂しいという思いもありますし、別れとは人間にとって大きな苦しみなのです。
怨憎会苦(おんぞうえく)
続いて「怨憎会苦(おんぞうえく)」についてですが、これは「会いたくない人や物に出会う」ことを意味しています。
人間誰しも嫌いな人であったり、苦手な人がいるかもしれませんが、顔を合わせないといけない日もありますよね。
それが学校の教師であったり、職場の厳しい上司であったり、そのような人と会うことには大変な苦痛を感じます。
しかし、これは避けては通れないことのため、会いたくない人と顔を合わせなければいけないことは余計に苦痛なことなのです。
求不得苦(ぐふとっく)
続いて「求不得苦(ぐふとっく)」についてですが、これは「欲しいものが手に入らない」ことを意味しています。
億万長者であれば、お金でこの世の欲しいものを全て手に入れられると考えるかもしれません。
しかし、この世にはお金では決して手に入れられないものがあり、誰もが欲しいものが手に入らないことに苦悩します。
ましてや一般人はお金が足りなくて手に入らないものがたくさんあるため、余計に欲しいものが手に入らないことに苦悩します。
更に、人間の欲望は尽きることがないため、例え欲しいものが手に入ったとしても、また欲しいものが出てきます。
そのため、常に人間は「欲しいものが手に入らない」という苦しみと隣り合わせで生きていかなければならないのです。
五陰盛苦(ごおんじょうく)
続いて「五陰盛苦(ごおんじょうく)」についてですが、これは「肉体を持つ苦しみ」のことを意味しています。
五陰盛苦の「五陰」には「肉体(心身)」という意味があり、人間はこの肉体(心身)を持つゆえに苦しむことがあります。
そして、五陰盛苦は今までの七つの苦しみの全てであり、人間は肉体(心身)を持つからこそ、七つの苦しみを感じているんですよね。
肉体(心身)さえなければ、他の七つの苦しみを感じる必要もないため、肉体(心身)を持つというだけでも、苦しみだと考えられています。
以上が「四苦八苦の意味・語源・由来」についてでした。
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まとめ
四苦八苦には「非常な苦しみ」「あらゆる苦しみ」「人間の苦悩の原因をあげたもの」という意味があります。
仏教用語が由来となっており、人間が生きていく上でどのようなところに苦しみを感じるのか説いたものが「四苦八苦」である。
四苦八苦は「生老」「老苦」「病苦」「死苦」「愛別離苦」「怨憎会苦」「求不得苦」「五陰盛苦」だと考えられている。
以上の八つの苦しみのことであり、四苦と八苦で十二の苦しみがある訳ではない。