割愛するとはどういう意味?誤用多発の慣用句に注意

この雑学では、「割愛する」という誤用されやすい慣用句の本来の意味について解説します。

雑学クイズ問題

「割愛する」とはどういう意味?
A.省略する
B.惜しみながらも手放す
C.平等に愛する
D.別れを告げる

答えは記事内で解説していますので、ぜひ探しながら読んでみてくださいね!

割愛するとはどういう意味?誤用多発の慣用句に注意

よく間違われる「割愛する」の意味

「割愛させて頂きます」といった表現を聞いた事がありますか?
社会人になってからプレゼンテーションだったり、大きな会議が開かれたりした時に司会者が使う表現ですよね。

よく時間が無い時に「時間の都合で割愛させて頂きます」という使われ方をしますが、皆さんはどういう意味として受け取っているでしょうか。
おそらくは「大切ではないので省略する」といった意味で受け取ることが多いのではないでしょうか。

しかし、実はその意味は間違えで本来は違う意味となります。
闇雲になんでもかんでも「割愛する」という人がいますが、それは実は間違いなのでちゃんとした「割愛する」の意味を覚えて頂きたいと思います。

今回は「割愛する」の意味の他に語源由来も解説しますので是非最後まで読んでいってくださいね。


「割愛する」の正しい意味

それではさっそく「割愛する」という言葉の正しい意味を解説します。
辞書などにも載っていますが、正しい意味は以下の通りです。

・惜しいと思うものを、思いきって捨てたり、手放したりすること
・愛着の気持ちを断ち切ること、恩愛や煩悩 (ぼんのう) を捨て去ること

このように「惜しいと思う気持ち」があるため、「大切ではないため省略する」といった使い方は誤用であることがわかります。
そのため「時間の都合で割愛する」とは「時間の都合により惜しみながらですが省略します」という意味で使うのが正しいです。

文化庁が発表した平成23年度「国語に関する世論調査」では、本来の意味である「惜しいと思うものを手放す」と答えられた人は17.6パーセントしかいなかったそうです。
また、誤用である「不必要なものを切り捨てる」といった意味で使っていた人は65.1パーセントもいました。

正しい意味で使っていたとしてもほとんどの人には違う意味で受け取られてしまうなんて、なんとも日本語は難しいですよね。

「割愛する」の語源

続いては「割愛する」という言葉の語源について解説します。
もともと「割愛」とは仏教用語だって知っていましたか?

仏教では出家して僧になるということは俗世を捨てる、つまり愛する家族や故郷の地を離れて寺に入ることとなります。
このように、愛する家族や故郷の地を惜しみながらも手放す事を「割愛」といい、これが転じて現在のように「惜しみながらも手放す」といった意味で使われるようになりました。

決して無駄なものを切り捨てるという意味ではない事がわかりましたよね。
しかし、あまりにも誤用が多すぎると辞書に誤用の方が正式な意味として採用される事もあるため、今後は「割愛する」も仲間入りすることになるのでしょうか。


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それでは雑学クイズの正解発表です、答えはもうお分かりですよね?

雑学クイズ問題解答

雑学クイズ問題の答えは「B.惜しみながらも手放す」でした!

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まとめ

「割愛する」は「不必要なものを切り捨てる」という意味で使われる事が多いが誤用である。
本来の意味は「惜しいと思うものを、思いきって捨てたり、手放したりすること」である。
平成23年度「国語に関する世論調査」では、本来の意味で答えられた人は17.6パーセントしかおらず、誤用で答えた人は65.1パーセントもいた。
元々は仏教用語で出家する際に、愛する家族や故郷の地を惜しみながらも手放す事を「割愛」と表現をしていた。