元号の由来や「平成」「昭和」「大正」「明治」に込められた意味

元号というものは普段から何気なく使っていることから、意味や由来はあまり意識することはないかもしれません。
しかし、「平成」「昭和」「大正」「明治」などの元号には、由来や意味が込められているってご存じでしたか?

大化の改心からの「大化」から始まった元号ですが、平成まででなんと231もの元号が存在しています。
全ての元号の由来や意味を書いていくとキリがないため、今回は「平成」「昭和」「大正」「明治」の4つの元号について解説していきますね。

元号の由来や意味

それではさっそく元号に込められた意味や由来について解説していきます。

明治

まずは「明治」についてですが、明治は易経の「聖人南面而聴天下、嚮明而治」という漢文が由来となっています。
易経は中国古代の書物であり、儒教の基本書籍である四書五経という経典の一つで、伏羲(ふぎ)が著者だとされています。

先ほどの漢文を日本語に直すと「聖人南面して天下を聴き、明に嚮いて治む」となります。
この言葉には「聖人が北極星のように顔を南に向けてとどまることを知れば、天下は明るい方向に向かって治まる」という意味が込められているのです。

明治という元号は江戸時代より以前に10回も候補として挙げられていましたが、なかなか選ばれることはありませんでした。
そして、天皇が水から抽選した結果、通算で11度目の候補に挙げられた時に初めて採用されることになったのです。

大正

続いて「大正」についてですが、大正についても易経の「大享以正天之道也」という漢文が由来となっています。
この漢文を日本語にすると「大いに享を正すをもって天の道なり」となります。

そして、この言葉には「政治を執り行う人間が民の意見や言葉を喜んで聞き入れたならば、政治は正しく行われる」という意味が込められています。
「大正」も過去に4回候補に挙がったことがありましたが、5回目で採用されることとなりました。

昭和

続いて「昭和」についてですが、昭和は書経の「九族既睦平章百姓 百姓昭明協和萬邦」という漢文が由来となっています。
書経についても中国古代の書物であり、先ほど解説した四書五経のうちの一つとなっています。

この漢文を日本語に直すと「九族既に睦まじくして、百姓を平章す。百姓昭明にして、萬邦を協和す。」となります。
とても難しい内容に見えますが、つまり「それぞれの人々が徳をもって行動することにより、世界中の人々が仲良くすることが出来る。」という意味になります。

昭和には国民の平和だけではなく、世界各国と共存して繁栄を願う意味が込められていたのです。

平成

最後に「平成」についてですが、平成は史記「五帝本紀」の「内平外成」、四書五経「書経」の「地平天成」という漢文が由来となっています。
史記は中国の歴史書であり、中国前漢の武帝の時代に司馬遷によって書かれたものだとされています。

それぞれを日本語に直すと「内平かに外成る」「地平かに天成る」となります。
つまり「内外、天地ともに平和が達成される」という意味が込められているんですね。

実は平成についても江戸時代最後の元号である「慶応」の改元の際に、一度だけ候補に挙げられたことがありました。
このように、元号については過去に候補にあがったものが採用されることもあるため、もしかすると平成以降の元号も過去の候補から採用されることもあるかもしれませんね。

また、中国の古代の書物を由来にして新元号が考えられる可能性が非常に高いことが予想されます。
以上が元号の由来、「平成」「昭和」「大正」「明治」に込められた意味でした。


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まとめ

明治・・・易経の「聖人南面而聴天下、嚮明而治」が由来で「聖人が北極星のように顔を南に向けてとどまることを知れば、天下は明るい方向に向かって治まる」という意味
大正・・・易経の「大享以正天之道也」が由来で「政治を執り行う人間が民の意見や言葉を喜んで聞き入れたならば、政治は正しく行われる」という意味
昭和・・・書経の「九族既睦平章百姓 百姓昭明協和萬邦」が由来で「それぞれの人々が徳をもって行動することにより、世界中の人々が仲良くすることが出来る」という意味
平成・・・五帝本紀の「内平外成」、書経の「地平天成」が由来で「内外、天地ともに平和が達成される」という意味