今回は「桃源郷という言葉の意味」ということで、日本語にまつわる雑学を紹介します。
桃源郷という言葉の意味はぼんやり覚えている人が多いかもしれませんが、桃源郷が具体的にどんな場所なのかまでご存じでしょうか?
桃源郷の意味とは?
まずは「桃源郷」という言葉の意味について解説していきます。
「桃源郷」について辞書を使って調べてみると、以下の意味のような言葉だということがわかります
・俗界を離れた別世界
・仙境
・理想郷
「俗界」とは私たちのような世間一般の人間が住んでいる世界のことで、桃源郷はそこから離れた別世界のことなんですね。
また、「仙境」についても人間が住んでいる世界とは別世界で、仙人が住む場所だとされています。
簡単に言ってしまえば「楽園」といった意味合いで使われているのが「桃源郷」という言葉なのです。
「まるで桃源郷のような世界」といった使い方をする言葉で、「現実離れしたとても良い場所」といった意味になります。
桃源郷の類義語
桃源郷には以下のような類義語があります。
・天国
・パラダイス
・ユートピア
・極楽
以上の類義語があることから、より「桃源郷」という言葉の意味が理解しやすくなったのではないでしょうか。
桃源郷とはどんな場所?
それでは、桃源郷とは実際にはどのような場所なのでしょうか。
「桃源郷」という言葉の由来については、中国の詩人が書いた「桃花源記(とうかげんき)」という作品の中にあります。
「桃花源記(とうかげんき)」を書いた人物は六朝時代の陶淵明(365年~427年)という人物です。
実際に桃花源記の桃源郷が登場するシーンについて簡単にお話します。
桃源郷を見つけたのは漁師
中国が晋の時代だったころ、「武陵(ぶりょう)」に住む漁師が魚を求めて小舟で谷川を昇っていき、どこまで来たのかわからなくなりました。
すると、突然桃の花が一面に広がる美しい林が川の両岸に広がりました。
桃の花の美しさや花びらの香りに心奪われた男性は、さらに桃の花が咲く谷川を奥へ奥へと昇っていきました。
なんとその奥には、秦の時代の戦乱から逃れて、数百年もの間争いからは無縁であり、世界から隔絶された平和郷があったのです。
平和郷にも美しい桃の花が咲き乱れており、桑や竹が風にそよぎ緑ものどかで、犬や鶏の鳴き声も聞こえてくる楽園のような場所でした。
一見すると平和郷はどこにでもある農村のような風景でしたが、他のどんな農村よりも清楚で美しく整っていました。
また、そこに住む人々はみんな微笑みを絶やさず働いており、見えるものすべてがのどかで幸せそうに見えたのです。
漁師はこの平和郷で手厚い歓迎を受けて、まさに夢のような時間を過ごし、数日後に帰路につきました。
しかし、その後、漁師がまたその平和郷を目指そうとしたところ見つけることはできず、他の誰にも平和郷が発見されることはありませんでした。
このお話が由来となって、平和郷は桃の花がたくさん咲く源の理想郷ということで「桃源郷」と呼ばれるようになったそうです。
現代社会は何かとストレスを感じる場面が多いので、何の争いもなくのどかに笑顔で暮らせるような桃源郷があれば、ぜひ住んでみたいですよね。
以上が「桃源郷」という言葉の意味についてでした。
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まとめ
桃源郷には「俗界を離れた別世界」「仙境」「理想郷」という意味がある。
現代では主に「楽園」という意味合いで使われている言葉である。
桃源郷は六朝時代の詩人である陶淵明によって書かれた「桃花源記(とうかげんき)」という作品に登場する架空の場所である。
桃源郷は桃の花が咲き乱れており、秦の戦乱を逃れた人々が平和に幸せに暮らしていた平和郷のことである。