シャングリラの意味を簡単に解説、元々は小説に登場する理想郷。

今回は曲のタイトルや歌詞などに登場する「シャングリラ」という言葉の意味についてです。
ほとんどの人に知られていませんが、実は「シャングリラ」とは小説に登場する架空の楽園を指す言葉なんですね。

シャングリラの意味

さっそく「シャングリラ」という言葉の意味について解説していきます。
そもそも「シャングリラ」とは特定の意味を持つ単語ではなく、固有名詞となります。

「シャングリラ」という言葉が初めて使ったのは、イギリスの作家であるジェームズ・ヒルトンという人物でした。
ヒルトンが1933年に出版した小説の「失われた地平線」には「シャングリラ」と呼ばれる、架空の理想郷が登場します。

小説内では理想郷のことを指して「シャングリラ」と呼んでいましたが、転じて「シャングリラ」という言葉自体が理想郷という意味で使われるようになったのです。
そのため、「シャングリラ」の同義語といえば「理想郷」「桃源郷」「ユートビア」「楽園」などが挙げられます。

シャングリラってどんな場所?

続いて、小説内に登場する「シャングリラ」がどのような場所なのかについて解説します。
小説の設定ではシャングリラはチベットの未知の地域にあるとされています。

ヒマラヤ山脈の西の果てを崑崙山脈(こんろんさんみゃく)の方角へ向かったあたりに、カラカルという名前の8,500メートル以上の高峰がありました。
そして、カラカルのふもとには霧の漂う調和に満ちた谷間があり、そこにシャングリラと呼ばれる僧院が存在しているのです。

シャングリラの住民は私たちが住む世界の普通の人間よりもずっと長生きで、老いる速度もとても遅いとされています。
元々はペローという名の宣教師が建てた僧院でしたが、やがてラマ僧が集まるようになりました。

そして、図書館やセントラルヒーティングなどの暖房設備などが整えられるようになり、シャングリラは世界中の知識が集まる研究の地となったのです。
その後、シャングリラはヒマラヤ奥地にあるミステリアスな永遠の楽園、外界から隔絶された地上の理想郷だと考えられるようになりました。

シャングリラの語源

最後に「シャングリラ」という言葉の語源についてです。
シャングリラはチベットにあることから、標準チベット語が語源となった造語だと考えられています。

「Shangri-La(シャングリラ)」の「Shang(シャン)」はツァン地方の一地域でタシルンポ寺の北を意味します。
そして「ri(リ)」については「」という意味、「La(ラ)」については「山の峠」を意味しています。

繋げると「シャンの山の峠」となりますよね。
現在でも中国には「シャングリラ市」という都市がありますが、小説に登場するシャングリラとは関係がなく、伝説上に存在する仏教王国の「シャンパラ」が由来になったとされています。

以上が「シャングリラ」という言葉の意味やどんな場所なのかについてでした。


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まとめ

シャングリラとはイギリスの作家であるジェームズ・ヒルトンによって書かれた小説「失われた地平線」に登場する架空の楽園のことである。
小説内ではシャングリラのことを指して理想郷としていたため、シャングリラがそのまま「理想郷」という意味の言葉で使われるようになった。
シャングリラはチベットの未知の地域に存在し、世界中の知識が集まる研究の地であり、理想郷だとされている。
語源は標準チベット語だとされていて、シャングリラを日本語に訳すと「山の峠」という意味になる。