親切の語源や由来、親を切るのに正反対の意味になるのはなぜ?

今回は「親切」の語源や由来など、日本語のにまつわる雑学を紹介します。
「親切」という言葉は「親を切る」と書くように、とても物騒な日本語に見えますよね。

しかし、実際の意味は「親を切る」という暴力的な表現と真逆の意味となっています。
なぜこのように正反対の意味になったのかは、「親切」という言葉の成り立ちを学ぶことによって理解することが出来ます。

親切の語源・由来

それではさっそく「親切」という日本語について解説していきます。

親切の意味

まずは「親切」という言葉の意味について解説します。
「親切」について辞書などで調べてみると、以下の意味であることがわかります。

・好意をもって人にあれこれしてあげること
・思いやりをもって人につくすこと

皆さんもご存じかと思いますが、「親を切る」という物騒な言葉とは正反対の日本語ですよね。
それでは、どうして「親を切る」と書いて思いやりをもってつくすという意味の言葉になったのでしょうか?

親切の語源・由来

続いて「親切の語源・由来」について解説します。
実は「親切」という言葉の「親」と「切」と分けることにより、「親切」という言葉の語源・由来をひも解くことが出来ます。

まずは「」という漢字についでですが、親には「身近」や「親しい」といった意味があります。
そして「」という漢字には、刃物を直にあてるように「身近」「行き届く」といった意味があります。

この二つの意味をあわせると「身近に寄り添って行き届くようにすること」という意味になりますよね。
「身近に寄り添って行き届くようにすること」ということが語源・由来となって「思いやりをもって人につくすこと」という意味になったのです。

深切や心切

実は「親切」という漢字は、現代ではあまり見かけませんが、「深切」と書くこともあったそうです。
「深切」については「思い入れが深く切実」という意味であり、古くは漢語などでよく登場する言葉でした。

また、心に寄り添うという意味合いから当て字で「心切」と書くこともあったようです。

「切る」と書くと物騒ですが、もともとは「身近」といった意味が込められている漢字であることを知ると、「親切」という日本語も理解できますよね。
以上が「親切」という日本語の語源や由来についてでした。


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まとめ

「親切」という言葉は「好意をもって人にあれこれしてあげること」「思いやりをもって人につくすこと」という意味がある。
「親」という漢字には「身近」や「親しい」という意味がある。
「切」という漢字には「身近」「行き届く」という意味がある。
「身近に寄り添って行き届くようにすること」が語源・由来となって「「思いやりをもって人につくすこと」という意味となった。
また、思い入れが深く切実という意味で「深切」という漢字で書かれることもあった。