今回は「しらたきで肉が硬くなるのは嘘」ということで、しらたきにまつわる雑学を紹介します。
特にすき焼きなどの鍋料理では、しらたきと肉を近づけて煮込むと肉が硬くなることから、離して煮込まないといけないって言いますよね。
しかし、日本こんにゃく協会の発表によると、しらたきで肉が硬くなることはないとされています。
それでは、なぜ今までこのような風評が広まって信じられていたのでしょうか?
しらたきで肉が硬くなるのは嘘
冒頭でも書きましたが、しらたきで肉が硬くなるという情報はどうやら嘘のようです。
そのため、今後はしらたきと肉を使った煮込み料理を作る際に、隣り合わせで煮込んでも大丈夫です。
嘘だとする根拠
ここまで信じられてきた風評が「嘘」とくつがえされたのも、実際にしらたきで肉が硬くなるかの検証が行われたからなのです。
検証は国産牛肩ロースとアメリカ産の牛肩ロースを使って、以下の条件で比較を行いました。
・しらたきなし
・水洗いしたしらたき入り
・下ゆでして水洗いしたしらたき入り
以上の条件で「30秒~1分加熱した肉」と「3分加熱した肉」をモニターの人が試食しました。
結果的にしらたきの有無の違いによって肉の硬さが変化したようには感じられなかったようです。
そして、使用しているお肉の霜降り度合いや加熱時間が、肉の硬さに大きく影響していることがわかりました。
このように、今までしらたきが肉を硬くするという情報が出回っていたのは、単なる風評被害だったのです。
風評が広まった理由
続いて「しらたきで肉が硬くなる」という風評が広まってしまった理由についてです。
しらたきは製造工程で水酸化カルシウム等の凝固剤を使って固めて作られています。
そのため、こんにゃくを凝固させる成分が鍋に染み出してしまい、それが肉を硬くすると考えられたんですね。
確かに煮込み料理は肉が硬くなりがちですし、しらたきが入っていることも多いことから、妙に説得力を感じる説となっています。
そして、このような風評がテレビなどのメディアを通じて拡散していき、いつの間にか常識として定着してしまったんですね。
また、しらたきよりも実は豆腐の方が凝固させる成分がたくさん含まれており、仮に説が正しいとするならば豆腐の方が悪役ということになりますよね。
肉が硬くなる原因は?
それでは、肉が硬くなってしまう原因は結局なんなのでしょうか?
肉の硬さについては、やはり肉の質や煮込み時間による影響が一番大きいとされています。
脂の全くのっていない肉を使えば煮ても焼いても硬くなってしまいますし、どんなに高級な肉も煮込み時間が長いと硬くなってしまいます。
そのため、鍋料理で柔らかい肉を楽しみたい場合は、霜の降った肉を使うか、煮込みすぎないことを意識するのが一番です。
また、ヨーグルトやはちみつを使うとお肉を柔らかくすることが出来るため、抵抗がなければ使ってみてください。
しかし、ひと手間加えても煮込み時間を間違えると、すぐに肉が硬くなってしまうので注意が必要です。
しらたきを美味しく食べる方法
最後にしらたきを美味しく食べる方法について紹介します。
しらたきは味が染みやすく、低カロリーであることから、鍋には欠かせない食材ですよね。
そんなしらたきを美味しく味わうためには「下準備」が重要なのです。
しらたきには独特に臭いやクセがあることから、鍋に入れる前に必ず下茹でをしてからよく水を切ってください。
下茹でをしなかった場合は、しらたきの臭いやクセが他の食材の風味を損ねてしまうことがあります。
また、下茹でするのが面倒という人も、最低限は水洗いをするようにしてください。
先ほど解説したように、しらたきは凝固剤と一緒にパックに袋詰めされていることもあるため、そのまま鍋に入れると他の食材の食感を損ねてしまうことになります。
以上がしらたきで肉が硬くなるという情報についてでした。
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まとめ
しらたきによって肉が硬くなる情報は、検証の結果、嘘だということがわかった。
検証ではしらたきの有無や煮込み時間、肉の種類を変えて比較を行ったが、しらたきの有無による肉の硬さの変化は見られなかった。
肉が硬くなる原因はあくまで煮込み時間の長さや肉の霜降り具合であり、しらたきは関係がないということがわかった。
このような風評が広まったのは、しらたきが凝固剤を使って作られているため、その凝固剤が肉を硬くすると考えられたからである。