フルーツポンチの「ポンチ」の意味や由来とは?昔はお酒だった。

今回は「フルーツポンチのポンチの意味や由来」ということで、フルーツポンチにまつわる雑学を紹介します。
現代ではフルーツポンチといえば子供向けのデザートですが、実は昔はお酒が入った大人向けのデザートだったってご存じでしたか?

フルーツポンチの「ポンチ」の意味や由来

それではさっそくフルーツポンチの「ポンチ」の意味や由来について解説していきます。
日本では子供向けのフルーツポンチですが、実は「ポンチ」とはお酒が由来となって誕生した言葉なのです。

ポンチというお酒が飲まれるようになったのは、17世紀よりも前のことであり、特にイギリスを中心に飲まれていました。
ポンチは「蒸留酒」をベースにして「」「レモン汁」「砂糖」「紅茶もしくは香辛料」の5つの材料から作られる、いわゆるカクテルだったんですね。

そして、サンスクリット語やヒンディー語、マラーティー語ではポンチには「5種」という意味がありました。
5種類の材料から作られるお酒であったことが由来で「ポンチ」と呼ばれるようになったんですね。

インドでポンチの作り方を覚えたイギリス人が母国に持ち帰ると、ポンチはイギリスを中心にヨーロッパへと広まっていきました。
元々は温めて飲むお酒でしたが、19世紀頃になるとポンチは冷たいお酒として提供されるようになったそうです。

日本のフルーツポンチの歴史

日本に「ポンチ」が伝来したのは江戸時代のことであり、当時の貿易相手だったオランダから日本へと伝わりました。
オランダ語では「ポンス」と呼ばれていたそうで、日本ではポンスを酒だけではなく酸味のある果汁を指すようになり、ポン酢の語源となったとされています。

また、明治時代に入るころにはポンチは「ポンチ酒」と紹介されるようになり、砂糖や果汁を混ぜたお酒全般を「ポンチ」と呼んでいたようです。
このころは現在のような「フルーツポンチ」の原型は無く、一般的にはお酒として楽しまれていました。

デザートになったのはいつ頃?

それではポンチにフルーツが加えられて「フルーツポンチ」となったのはいつ頃だったのでしょうか。
日本で「フルーツポンチ」が誕生したのは1923年のことであり、日本初のフルーツパーラーである銀座千疋屋だったとされています。

銀座千疋屋ではお酒のパンチの中にフルーツを入れて、長いグラスに盛り付けたものを「フルーツポンチ」として提供していたそうです。
1920年代後半になると、新聞でフルーツポンチの製法が紹介されるようになり、日本中にフルーツポンチの存在が知れ渡りました。

この時代のフルーツポンチはお酒が入っていることから大人のデザートでした。
やがて、フルーツポンチからアルコールが抜かれるようになり、現在のように子供も楽しめるフルーツポンチへと変化していったのでした。

以上が「フルーツポンチのポンチの意味や由来」についてでした。


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まとめ

フルーツポンチの「ポンチ」とは17世紀より前にイギリスを中心に飲まれていたお酒である。
ポンチは「蒸留酒」をベースにして「水」「レモン汁」「砂糖」「紅茶もしくは香辛料」の5つの材料から作られている。
ポンチには「5種」という意味があり、5種類の材料を使って作られるお酒であることが由来で「ポンチ」と呼ばれるようになった。
日本にポンチが伝来したのは江戸時代のことであり、貿易相手だったオランダから伝わった。
昔はポンチというお酒にフルーツを加えた大人向けのデザートだったが、アルコールが抜かれるようになり、現在の子供も楽しめるフルーツポンチに変化した。