セーラー服の由来、軍服が女学生の制服に採用された理由とは?

今回は「セーラー服の由来」「軍服が女学生の制服に採用された理由」ということで、セーラー服にまつわる雑学を紹介します。
日本では当たり前のように女子中高生がセーラー服を着ていますが、元々はセーラー服は軍服だったってご存じでしたか?

それでは、なぜ軍服だったセーラー服が女子中高生の間で制服として着られるようになったのでしょうか。
また、セーラー服は日本だけではなく、アジアの近隣諸国でも学生服として着られているそうです。

セーラー服の由来

セーラー服の由来、軍服が女学生の制服に採用された理由とは?
それではさっそく「セーラー服」の由来について解説しますが、そもそも「セーラー」の意味をご存じでしょうか?
実は「セーラー」とは「海軍兵士」という意味であることから、元々はセーラー服は海軍兵士が着ていた軍服だったんですね。

イギリス海軍の制服として考案

セーラー服の原型が考案されたのは1800年代に入ってからであり、イギリス海軍が発祥だったとされています。
当時のイギリス海軍には特定の制服というものがなく、乗っている軍艦単位で制服が決められていました。

そのため、同じ海軍でも制服に統一性が無く、軍艦を降りてしまえばどこの軍に所属しているのか、そもそも軍服なのかも分かり辛かったんですね。
この事態にイギリス海軍本部では早急に海軍共通の制服を作る必要があると考え、そこで考案されたのがセーラー服だったんですね。

セーラー服といえば襟が特徴的な形をしており、胸元が開いているデザインをしていますよね。
あのセーラー服の襟は海軍の制服として、実用性を考えて考案されたデザインなのです。

海兵隊は船上で戦うことから、海に投げ出される危険性と常に隣りあわせでした。
そこで、海に投げ出されても泳ぎやすいように考えて、胸元の開いた襟のデザインが採用されたのです。

世界の海軍の制服として定着

1800年代のイギリスは産業革命を迎えた結果、世界でもトップクラスの列強国となりました。
現在の世界のリーダーがアメリカだとされるように、当時の世界のリーダーはイギリスだったんですね。

そのため、海軍の制服としてセーラー服を導入する動きは、周辺諸国にも影響を及ぼしました。
1858年にはフランスでもセーラー服が採用され、1862年になると遠いアメリカでもセーラー服が採用されるようになったのです。

子供服の定番となった

海軍の制服となったセーラー服ですが、そのファッション性からイギリスでは民間人にも着られるようになりました。
特に襟が可愛らしいデザインをしていることから、大人というよりは子供服としてセーラー服が着られるようになったんですね。

男の子の場合はズボンを履き、女の子の場合はスカートを合わせるなど、セーラー服は子供服の定番となっていきました。
その後、ファッションとしてのセーラー服は海軍制服の時と同じように、世界に影響を与えるようになりました。

当時の日本ではあまり見られない文化でしたが、子供たちがファッションでセーラー服を着ていた時代があったんですね。

日本のセーラー服の歴史

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続いて「日本のセーラー服の歴史」についてです。
イギリスが列強国として世界に影響を与えていた時代、もちろんその影響力は日本にも届いていました。

当時の日本は明治維新後で西欧の列強国に遅れをとらないように、積極的に西欧の文化を取り入れていましたよね。
そのため、日本の海軍でもイギリスで考案されたセーラー服が採用されることになったのです。

街中でもセーラー服を着た日本人を見かけるようになり、軍隊といえば当時の日本人の憧れとされていた時代でした。
そして、日本国内でのセーラー服人気はますます過熱していき、1920年には京都の平安女学院の制服としてセーラー服が採用されたんですね。

その後、女子中高生の制服の定番として、セーラー服は全国の学校へと普及していくことになりました。

セーラー服が減ってきた理由

かつては憧れの的であるセーラー服でしたが、近年ではセーラー服を見かける機会が減ってきましたよね。
1980年代には、セーラー服はスカートの丈をわざと長くするなどの風紀の乱れが問題視されるようになりました。

そして、その頃から風紀の乱れに対応するために、セーラー服からブレザーへと制服を変更する学校が増えていきました。
また、当時は現代のように洗濯機が発達していなかったことから、家庭でセーラー服を洗うことは難しかったそうです。

そのため、直接地肌に触れるセーラー服は衛生面でも問題があるように考えられていました。
ブレザーは中にワイシャツやカッターシャツを着ていたため、インナーのシャツだけ洗濯できれば清潔が保たれますよね。

洗濯の手軽さもブレザーが全国の学校で普及した理由の一つとなりました。

近隣諸国でも制服として採用

実はセーラー服を学校の制服として採用しているのは日本だけではありません。
しかも、日本では減少しているセーラー服ですが、近隣諸国ではセーラー服を採用する学校が増えているそうです。

特に中国やタイなどでセーラー服人気は加熱しているようで、セーラー服が採用されている学校は倍率が高まる傾向もあるほどなんです。
また、制服としてのセーラー服のデザインが可愛らしいということで、コスプレとして海外で着られていることも多いそうです。

以上が「セーラー服の由来」「軍服が女学生の制服に採用された理由」についてでした。


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まとめ

セーラー服はイギリス海軍の制服として導入され、世界へと普及していった。
襟と胸元が開いた特徴的なデザインは、海に投げ出された時の泳ぎやすさを考慮したものである。
その後、世界では子供服として採用されるようになり、ファッションとしてのセーラー服も見られるようになった。
日本でも明治時代に海軍の制服として導入され、セーラー服人気の高さから1920年に初めて女学生の制服として採用された。