栗にイガがある理由、種はどこなのかなど、楽しい秋の雑学。

今回は「栗にイガがある理由」「栗の種はどこにある?」など、栗にまつわる雑学を紹介します。
栗は他の果物や野菜にあまり見られない特徴として「イガ」がありますよね。

実はあの「イガ」があることにも、ちゃんとした理由があるのをご存じだったでしょうか?
また、普段食べている部分は「種」であり、実は別の部分のことなのです。

栗にイガがある理由

栗イガ種
それではさっそく「栗にイガがある理由」について解説していきます。
多くの人は栗にイガがあることによって、動物などの外敵から身を守る役割を果たしていると考えるかもしれません。

動物から身を守るためではない

しかし、イガがある理由については動物から身を守るためではないと考えられています。
栗は成熟してくると殻が開いて中身を地面に落とし、むしろ積極的に動物に食べてもらおうとします。

これは動物に食べてもらうことによって、種をより遠くに運んでもらい、繁殖する目的があるからなんですね。
また、栗がまだ未成熟で青い状態では、他の木の実と一緒で渋みが強すぎて、動物にとっても食べられたものではありません。

更に、不味い状態の木の実をわざわざ無理して食べる理由が動物にはどこにもありません。
栗が熟して殻が開いてくると無理せず美味しく食べられることから、イガが動物から身を守るためとは考えにくいことがわかります。

実は害虫から身を守るため

栗イガ種
それでは、なぜ栗にイガがあるのかというと、動物ではなく害虫から身を守るためだと考えられています。
栗の皮を剥いて食べていると、中から虫が出てきて驚いた経験をしたことはありませんか?

栗に寄生する虫は主に「クリシギゾウムシ」と呼ばれる虫であり、クリシギゾウムシは栗がまだ青いうちに中に卵を産み付けます。
そして、そのまま栗の中で孵化して幼虫となり、栗の養分を奪いながら成長していくんですね。

このように、栗には外敵となる虫がいますが、もし栗にイガが無ければ、さらに多くの害虫に狙われてしまうのです。
天敵となるクリシギゾウムシはイガも硬い殻も気にせずに中まで侵入してしまいますが、イガがあることによってそれ以外の様々な害虫から身を守っているんですね。

また、動物に食べてもらえば種を遠くに運んで繁殖が出来ますが、虫に食べられるとその目的を果たすことが出来ません。
そのため、栗にとっては虫こそが栗の外敵であり、虫に食べられることには何のメリットも無いのです。

残ったイガの意外な活用法

栗を食べ終わって残ってしまったイガは、トゲトゲしていて危ないですし、ゴミ袋にも穴が開いてしまうことから厄介なものです。
しかし、実は残ったイガには意外な活用方法があるのです。

栗のイガは水分が少なく乾燥しており、スカスカで風の通りも良いことから、火を付けるとかなり燃えます。
そのため、バーべーキューや焚火をなどをする時に、着火剤として使うことが出来るのです。

秋の行楽シーズンでバーベキューや焚火などをする機会があれば、ぜひ試してみてくださいね。
また、乾燥して笠が開いている松ぼっくりなども良く燃えることから、天然の着火剤として使用することが出来ます。

栗の種はどこにある?

栗イガ種
果物を食べているとすぐに種を見つけることが出来ますが、栗の実を食べていても種は出てこないですよね。
それでは、一体「栗の種」はどこにあるのでしょうか?

普段食べているのが種

あまり知られていませんが、実は普段食べている部分こそが栗の種に該当する部分なんですね。
くるみなどの他の木の実についても、栗と同様に種を食べています。

それでは、甘くて柔らかい栗の種を地面にそのまま植えれば木が生えてくるのでしょうか?
実は種だけ植えても木が生えるわけではなく、栗を栽培する時には殻ごと土に植える必要があります。

栗を湿らせた土と一緒に殻ごとビニール袋に入れ、そのまま地面や植木鉢に植えるのが一般的な栗の木の栽培方法です。
秋に植えてうまく発芽すると、春には芽が出て順調に育っていきます。

実は”皮”と呼んでいる部分が実

普段食べている部分が種だとすると、肝心の実はどこにあたるのでしょうか?
実は私たちが必死に向いている「鬼皮」や「渋皮」と呼んでいる部分が栗の実にあたる部分なんですね。

名前に「皮」と付いていることから非常にややこしいですが、種を守っている皮の部分こそ「栗の実」なのでした。
以上が「栗にイガがある理由」「栗の種はどこにある?」など栗の雑学でした。


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まとめ

栗にあるイガは動物などに食べられないようにするためだと考えられているが、実は違う。
本当の理由は熟して種を落とす前に、害虫によって種が食べられてしまわないように防ぐためだと考えられている。
栗を食べ終わった後に残るイガは天然の着火剤となるため、バーベキューの火起こしなどに利用することが出来る。
普段食べている部分が栗の種にあたる部分であり、栗の実は「渋皮」や「鬼皮」と呼ばれている部分である。