ウィンブルドンのウェアの色が白に統一されている理由とは?

今回は「ウィンブルドンのウェアの色が白である理由」ということで、ウィンブルドンにまつわる雑学を紹介します。
他の大会では様々な色のウェア着て戦っているテニスプレイヤーですが、なぜかウィンブルドンだけでは全員が白のウェアを着ていますよね。

なぜなら、ウィンブルドンでは実は白のウェアを着ることが義務付けられているからなんです。
それでは、なぜウィンブルドンを着ることが義務付けられるようになったのでしょうか?

ウィンブルドンのウェアの色である理由

ウィンブルドンのウェアの色
それではさっそくウィンブルドンのウェアが白である理由について解説していきます。
先ほども解説したように、ウィンブルドンでは白いウェアを着用することが規定によって定められています。



また、ウェアだけではなく、実はシューズや靴下、帽子までが白色のものを着用しなければいけないそうです。
この規定は、1884年に始まった女子シングルスの決勝戦がきっかけとして定められることになりました。

決勝戦はモード・ワトソンとリリアン・ワトソンによって行われましたが、その時の二人のウェアは白の長袖にロングスカートのドレス姿だったのです。
その二人の姿はスポーツ選手には見えませんでしたが、逆に「淑女らしい姿」としてかなりの反響を呼びました。

その影響から、テニスの大会では白色のウェアを着用する慣習が生まれたのです。
その後、1972年には全米オープンで白色の着用義務が緩和されたことをきっかけにして、カラフルなウェアが着られるようになりました。

しかし、伝統を重んじるウィンブルドンでは、現在でも当時の慣習が残っていて、白色のウェアを着ることを義務付けているのでした。

白は紳士・淑女の色だった

続いて白色が紳士淑女の色だとされている理由について解説していきます。
現代では競技となっているテニスですが、実は元々は社交の場で行われているスポーツでした。

そのため、テニスは紳士淑女の間で行われる上品なスポーツだったんですね。
しかし、年々技術が向上していったことから、激しく動き回る競技へと変化していきました。

激しく動き回るようになると今度は汗をかくようになり、着ている服に汗染みが出来てしまうことが、みっともないと考えられるようになりました。
そして、特に女性は汗染みを気にするようになり、汗をかくテニスは社交場にふさわしくないものと考えられるようになったのです。

そこで着られるようになったのが白い服であり、白い服であれば汗染みがほとんど目立たなくなったんですね。
そのため、白色は見苦しい汗染みが目立たない色ということで、紳士淑女の色だと考えられるようになったのでした。

試合以外でも白を着用する

実はウィンブルドンの白色着用ルールについては、試合中だけのものではありません。
2019年現在では、ウィンブルドンのコートで練習をする時でも、白色のウェアを着用しなければならないそうです。

そのため、原則的にウィンブルドンのコート上に立つ選手は、いかなる時にも白色を着用しなければならないということなんですね。
ウィンブルドンは「テニスの聖地」と呼ばれるほど伝統ある場所のため、こうした古くからの慣習を特に重んじているのです。

ドレスアップをする時代もあった

ウィンブルドンのウェアの色
実は1884年の決勝戦で白のウェアが着用される以前は、華やかな恰好にドレスアップをしてテニスをするのが主流でした。
テニスは紳士淑女のスポーツだったため、テニスをする時にも華やかな恰好をしていたんですね。

当時から様々な色のテニスウェアが着用されていたそうです、特に暗めのピンク色のドレスが人気だったようです。
決勝戦を戦った二人は、その時代に真っ白なウェアを着て決勝戦に臨んだため、観客にはかなりのインパクトを与えたことでしょう。

昔はボールも白かった

ここまで解説したように、ウィンブルドンでは基本的に様々な物が「白」で統一されています。
そのため、実は昔は競技で使われるボールですら白い時代があったんですね。

しかし、当然ながらボールまで白くしてしまうと、ウェアやシューズの白と色がかぶってしまい、ボールが見づらくなってしまったのです。
そこで、競技に支障が出ないように考えて、せめてボールだけは別の色にしようということで、現在の黄色のテニスボールが使われるようになったのです。

そのため、黄色のテニスボールが正式に採用されるようになったのも、ウィンブルドンが由来だと考えられているそうです。
ウィンブルドンの開催シーズンには、白いウェアを着てテニスをプレイし、爽やかに汗を流してみるのも良いかもしれませんね。

以上が「ウィンブルドンのウェアの色が白である理由」についてでした。


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まとめ

テニスは社交目的で行われていたことから、汗染みが出来てしまうことが紳士・淑女らしくなく、好ましくないと考えられていた。
そのため、汗染みが目立たない白のウェアが着用されるようになった。
ウィンブルドンで白のウェアが着用されたのは1884年の決勝戦のことであり、この年の大会から慣習として白のウェアが着られるようになった。
昔はボールも白だったが、さすがに見づらいということで、テニスボールが黄色になったという説がある。