ナメクジとカタツムリの違い、同じに見えて全く別の生き物?

今回は「ナメクジとカタツムリの違い」ということで、動物にまつわる雑学を紹介します。
ナメクジとカタツムリは殻の有無以外はそっくりであることから、同じ生き物だと思っている人が多いですよね。

また、雨の日に現れたり、湿気を好むなどの共通点もありますが、果たしてどのような違いがあるのでしょうか?
ナメクジやカタツムリの様々な生態に焦点を当てて、その違いについて詳しく解説していきます。

ナメクジとカタツムリの違い

ナメクジカタツムリ
それではさっそく「ナメクジとカタツムリの違い」について解説していきます。
結論から言ってしまえば、ナメクジとカタツムリは見た目が似ているというだけで、全く別の生き物です。

そのため、ナメクジとカタツムリには様々な違いがあります。
今回はその中でも「殻の有無」「生態」「好物」などに焦点を絞って、違いについて解説していきますね。

殻の有無

ナメクジとカタツムリの最大の違いは「殻の有無」です。
皆さんもご存じのように、カタツムリには殻がありますが、ナメクジには殻がありません。

それでは、殻をはずせばカタツムリからナメクジになるのかと言えばそうではありません。
カタツムリの殻はカタツムリの成長と共に作られていく身体の一部であるため、殻を剥がすと死んでしまうのです。

そして、ナメクジについては、カタツムリが進化して誕生した生き物だと考えられています。
一見すると、殻があるカタツムリの方が進化しているように見えるかもしれませんが、ナメクジは殻がないことで様々な恩恵を受けています。

まず、カタツムリは殻を形成するためにカルシウムを摂取しなければなりませんが、ナメクジにはそのような制限はありません。
また、ナメクジは殻が形成されないことから、余計なエネルギーを消費せずに済んでいるんですね。

そして、殻が無いことから様々な狭い場所に潜り込むことが出来るため、狭い場所に入って隠れることが出来るのです。
ナメクジが比較的にどこにでも現れるのは、身を隠すことが得意であることが関係しています。

生態

ナメクジカタツムリ
続いて「生態の違い」についてですが、カタツムリとナメクジではそもそも全く違う生き物です。
カタツムリは陸地に生息していますが実は巻貝の一種であり、陸地に生息している巻貝を持った生き物の総称を「カタツムリ」と呼ぶんですね。

そのため、日本でよく見かけるカタツムリ以外にも、陸地で生活をしていて巻貝を背負っている生き物については、全て「カタツムリ」と呼ばれます。
一方でナメクジは貝類の一種ではなく、ナメクジ科に属している軟体動物のことです。

身体の構造もカタツムリとナメクジでは根本的に違うことから、全く別の生き物といっても良いでしょう。

好物

続いて、カタツムリとナメクジのそれぞれの好物について解説していきます。
カタツムリは殻を形成する必要があることから、カルシウムを含んだ食事を取ります。

自然界ではなかなかカルシウムを摂取することが出いないため、塀などに使われるコンクリートなどからカルシウムを摂取することがあります。
また、自宅でカタツムリを飼育している人は、卵の殻などを与えることによって、カルシウムの補給をさせるそうです。

野生のカタツムリについては、カルシウム以外では草の葉や藻などを主食にしています。
一方で、ナメクジは雑食ですが、特に小麦や酵母といったものを好むことから、ナメクジを駆除する場合にはビールが使われることがあります。

また、ナメクジは触覚を使って食べ物の匂いをかぎ分けることが出来るため、安全な食べ物の匂いを覚えて、嗅ぎ分けて食事をしています。

ナメクジとカタツムリの共通点

ナメクジカタツムリ
ナメクジとカタツムリの違いがよくわからないという人が多いのも、実はナメクジとカタツムリにはいくつかの共通点があるからなのです。
例えば「雨の日に現れる」「塩が苦手」などの共通点が同じなため、同じ生き物だと勘違いされてしまうことがあるんですね。

雨の日に現れる

ナメクジとカタツムリは日差しの強い晴れの日に見かけることはほとんどありませんよね。
その代わりに、雨の日や湿気の多い日などは、どちらも壁を這っている姿を見かけるかと思います。

これは、どちらも乾燥にとても弱い生き物であるため、晴れの日は姿を隠しているからなんです。
カタツムリに関してはなるべく日の当たらないところへと移動し、殻にこもって乾燥を防ぎます。

そして、ナメクジは殻が無い分、葉や石の下、植木鉢の下など、様々な日陰に潜り込んで乾燥から身を守ります。
そのため、雨が降ると水分を補給するために、人間の視界に入る範囲内へと出てくるのです。

塩が苦手

また、塩が苦手という点においても、ナメクジとカタツムリは共通しています。
ナメクジに塩をかけると溶けてしまうというお話は聞いたことがあるかと思いますが、カタツムリも塩をかけると溶けてしまいます。

正確には、塩をかけると浸透圧の影響を受けて、体内の水分が外へと出されてしまうことから、身体が小さくなってしまっているのです。
ナメクジもカタツムリも水分の多い生き物のため、塩をかけると身体から水分が出て行ってしまい、まるで溶けたかのように身体が小さくなってしまうのでした。

ただし、カタツムリに関しては殻があることから、塩をかけると殻にこもって防御をしようとします。
ちなみに、塩をかけたからといって一瞬で干からびて死んでしまうという訳ではないため、水をかければすぐに復活します。

以上が「ナメクジとカタツムリの違い」についてでした。


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まとめ

ナメクジとカタツムリの最大の違いは殻の有無であり、ナメクジはカタツムリが進化、あるいは退化して殻が無くなったと考えられている。
カタツムリは殻と身体が一体化しているため、殻を剥がされると死んでしまうため、根本的にナメクジとカタツムリは違う生き物である。
また、ナメクジはビールなど酵母菌が含まれるものを好物としていて、カタツムリはカルシウムを含むものを好物としている。
雨の日に現れるという共通点は、どちらも乾燥に弱い生き物であり、水分を補給するためである。