今回は「いちごのつぶつぶは種ではなく果実」ということで、イチゴにまつわる雑学を紹介します。
多くの人がいちごの表面にあるつぶつぶのことを「種」だと思い込んでいますが、実は正確には種ではなく果実なのです。
それでは、普段から果実だと思って口にしていた赤い部分は一体何になるのでしょうか?
「白いいちごはどうやって作られるか」なども含めて、イチゴの生態について詳しく解説してきますね。
目次
いちごのつぶつぶは種ではなく果実
冒頭でも解説しましたが、実はいちごのつぶつぶは種ではなく、正確には「果実」なんです。
いちごの断面を観察してみると、つぶつぶの一粒一粒に対して筋のようなものが通っているのがわかります。
いちごはその筋のようなものを通して、いちごのつぶつぶ=果実の部分に水分や栄養を送っているんですね。
それでは、つぶつぶが種じゃないのであれば、肝心の種はどこにあるのでしょうか?
例えば、ぶどうなどの果実には、一粒一粒の中に種が入っていますよね。
いちごもぶどうなどの果実と同じように、あのつぶつぶの一粒一粒の中心に種が入っているのです。
それでは赤い部分は何?
いちごのつぶつぶは果実、つぶつぶの更に中に種があるとするならば、普段食べている赤い部分は何に当たるのでしょうか?
実は普段から実だと思って食べていたあの赤い部分は、いちごの茎に該当する部分なのです。
正式名称は「偽果(ぎか)」と呼ばれ、いちごの花の根本にある「花托(かたく)」と呼ばれる部分が成長して赤い果実のようになるんですね。
果物はより広範囲で繁殖するために、敢えて自分を目立たせて鳥などに食べてもらい、種を遠くの方へと運んでもらいます。
いちごは種の部分が非常に小さいため、茎である「偽果(ぎか)」を赤く目立たせることによって、鳥などに自分を発見してもらっているのです。
色々な果物や植物が様々な工夫を凝らし、厳しい自然界の中で繁殖を続けているのには驚いてしまいますよね。
厳密には果物ではなく野菜
いちごは「果物」だと思っている人が非常に多いのですが、実は厳密には野菜に分類されてます。
これもあまり知られて言いませんが、いちごはバラ科の多年草に分類されているため、植物学上は「草」なのです。
「草」であることから、イチゴは果物ではなく野菜に分類されるんですね。
また、農学上でも種を蒔いてから1年以内に収穫できるものを「野菜」としているため、農学上でもいちごは野菜に分類されています。
このような野菜のことを日本では「果実的野菜」と呼んでおり、お隣の韓国でもいちごは「野菜」に分類しているそうです。
いちご以外では、しばしば野菜果物論争に挙げられるスイカ、またはメロンなどについても「果実的野菜」に分類されています。
いちごの花はむしってはいけない
近年ではいちごがちょっとした流行になっており、いちごスイーツのビュッフェやいちご狩りなどのアクティビティが人気になっていますよね。
いちご狩りにいった写真をツイッターなどのSNS上に投稿している方もいますが、そんな方々の中に、写真映えを狙って花をむしる人がいます。
しかし、絶対にいちごの花をむしってはいけません。
なぜなら、いちごの花をむしってしまうと、いちごの果実が実らなくなってしまうからなんですね。
先ほど解説したように、普段口にしている赤い部分は茎が成長したものであり、元々は花が咲いていた部分が成長したものなのです。
ちなみに、いちごのヘタは花の學(がく)の部分であり、いちごの花をむしることはいちご農家にとって、リンゴの木の枝を折られるようなものなのです。
白いいちごはどうやって作られる?
最後にいちごの中でも珍しい「白いいちご」がどのように作られているのかについて解説します。
例えば、ホワイトアスパラガスなどは意図的に日光を当てないことによって、色を白くしていますよね。
しかし、白いちごについては意図的に白く作られている訳ではありません。
いちごの種類の中でも「成長すると白色になるいちご」を育てているだけなんですね。
なぜ他の白いいちごが赤いいちごに比べて値段が高いのかというと、白いいちごとなる品種が非常に少なく希少価値が高いからなのです。
日本にはいちごの品種が250以上も存在していますが、その中でも白色となるいちごは10種類ぐらいしかありません。
なぜ赤くならない?
なぜ白いいちごが赤くならないのかというと、赤色色素であるアントシアニンが合成されにくいからです。
通常の赤いイチゴは日光を浴びると、アントシアニンが合成されることによって赤くなっていきます。
しかし、白いいちごについては日光を浴びてもアントシアニンが合成されにくい、もしくは合成されないんですね。
そのため、赤いいちごと同じような育て方をしていても、色の異なったいちごへと成長するのです。
そして、白いいちごは意図して作りだされたものではなく、品種改良中の突然変異で偶然出来上がったものとなっています。
また、白いいちごだからといって特別甘いという訳ではなく、糖度は赤いイチゴとそこまでの差はないようです。
以上が「いちごのつぶつぶは種ではなく果実」という雑学についてでした。
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まとめ
いちごのつぶつぶの部分は種ではなく果実であり、種は果実の中心にある。
また、普段口にしている赤い部分は「偽果(ぎか)」と呼ばれる茎が成長した部分であり、赤く目立たせることによって鳥などに食べてもらい、遠くまで運んでもらう目的がある。
いちごは植物学上バラ科の多年草に分類されることから、果物ではなく野菜に分類されている。
白いいちごは日光を遮るなどして育てられたわけではなく、単純に育てると白くなるいちごを栽培しているだけである。