この雑学ではおせち料理の意味や由来、おせちに使われる全ての食材について解説していきます。
雑学クイズ問題
この中でもともとお節料理じゃなかったものは?
A.栗きんとん
B.数の子
C.伊達巻
D.うなぎ
答えは記事内で解説していますので、ぜひ探しながら読んでみてくださいね!
おせちの意味や由来とは?おせち料理全ての食材を徹底解説!
おせち料理の由来とは?
お正月の定番料理といえばおせち料理ですよね。
おせち料理は日本の定番料理というだけあってその起源はとても古く、実は弥生時代から始まったとされています。
弥生時代の人々は無事に作物が育って収穫できることを神様に対して感謝する風習がありました。
そして、神様への感謝の意味を込めてお供えをするようになったことが、おせち料理の起源だとされています。
時代が進んで中国から様々な文化や行事が日本に伝わるようになり、宮中では元旦や五節句のお祝いとして宴が開かれるようになりました。
この宮中行事は「節会(せちえ)」と呼ばれるものであり、その際に神様にお供えして振舞われるようになった料理は「御節供(おせちく)」と呼ばれました。
この「御節供(おせちく)」が省略されて「おせち」と呼ばれるようになったわけですね。
やがて宮中行事だったものが江戸時代のころには庶民の間でも行われるようになり、おせち料理が一般家庭でも食べられるようになったのでした。
おせちは実は手抜き料理?
最近のおせちといえば自宅で作るものではなく、予約注文して買って食べるものになっていますよね。
おせちはその家によって味付けなどが異なっていて、その家の伝統的な味を残していくのに大切な食文化なので寂しいものです。
とは言ってもおせちはとにかく品数も多く、手間がかかるものもたくさんあるため、今も手作りしている人にとってはとても苦労しますよね。
しかし、実はおせちは主婦が正月をゆっくりして手抜きをするための料理という意味合いもあるのです。
昔は食べ物を長期間保存しようにも冷蔵庫がないので食べ物がすぐに腐ってしまいました。
しかし、おせち料理は味付けが濃く、塩分や糖分が高めの品が多いことから、腐りにくく長期の保存のできる食べ物だったんですね。
主婦は一年中家事に追われていますが、一度大量に作ってしまえば正月の期間中ぐらいはおサボリができるということです。
おせち料理の食材の意味とは?
それではさっそく、おせち料理の一つ一つに込められた意味について解説していきます。
おせち料理は重箱に詰められているものですが、実はどの段にどの食材を入れるのかも決まっているのです。
一の重
まずは一の重に詰める料理について解説していきます。
一の重には「祝肴(いわいざかな)」と呼ばれる「黒豆、数の子、たたきごぼう、田作り」と、「口取り」とよばれる「伊達巻、かまぼこ、栗きんとん」などを詰めます。
黒豆
黒豆については魔除けの意味が込められています。
一年間の健康を願い「まめに働き続けられますように」といったように、邪気を払って無病息災を叶えるために詰められています。
数の子
数の子はとても卵が多いことから、子宝に恵まれて子孫が繁栄するような意味の込められた縁起物となります。
数の子についてはもちろん魚卵ですが、ニシンの卵のことですね。
たたきごぼう
たたきごぼうについては豊作を願う縁起物として詰められています。
また、ごぼうはとても地面の深くまで根を張っていることから、その家がその地に根を張って代々栄えるように願いも込められています。
田作り
田作りについてはその名の通り豊作を願って詰める縁起物となります。
昔は田植えの肥料として干したいわしを使っていたことが由来となっていて、田作りと呼ばれるようになりました。
伊達巻
伊達巻の形は巻物に似ていることが由来となって、学問などがうまくいくように、または文化が発展するように願って詰められています。
「伊達男」などと呼ばれる言葉があるように、伊達には「華やか」や「派手」といった意味があり、普通の卵焼きよりも華やかな卵焼きであることが由来だとされています。
かまぼこ
かまぼこについては、赤には魔除けの意味があり、白には神聖といった意味があることから、昔から「紅白」は色の縁起がよいものだとされていました。
そして、その半円の形状が初日の出の形に似ていることもおせちに詰められている由来になっています。
栗きんとん
栗きんとんは金運を高めるための縁起物として現代でも有名ですよね。
栗きんとんのきんとんは漢字で「金団」と書き、財宝であったり富のことを意味しています。
二の重
二の重には酢の物や焼き物、または一の重に詰め切れなかったものなどを詰めます。
酢の物は主に「ちょろぎ」「紅白なます」「酢蓮」「菊花かぶ」であり、焼き物は「ぶり」「海老」「うなぎ」「鯛」となります。
ちょろぎ
ちょろぎは漢字にすると「長老木」「長老喜」「千代老木」「長呂貴」のように当てられます。
字面からわかるかと思いますが、長寿の願いを込めて食べるという意味があります。
紅白なます
紅白なますの紅白については祝儀袋などに使われる水引が由来となっています。
紅白は縁起が良い色だと先ほども解説しましたが、こちらも一家が平和や平安でいられるような意味を込めて詰め込みます。
酢蓮
酢蓮はレンコンのことであり、仏教ではレンコンは仏様のいる極楽の池に生えているものであり、汚れがなく神聖な植物だとされています。
そして、レンコンにはたくさんの穴が空いていることが由来で、将来を明るく見通せるという縁起物としての意味合いがあります。
菊花かぶ
かぶを菊の花に見立てて飾り切りをしたものが「菊花かぶ」となります。
紅白の色合いになった酢の物であり、長寿を願う意味合いで詰めるものになります。
ぶり
ぶりといえば成長にともなって名前が変わることから出世魚として有名ですよね。
地域によって呼称は変わりますが「ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ」の順番に大きくなっていき、出世をするように願って食べるものとなります。
海老
海老は腰が曲がっていることから老いを感じさせるようなものに感じますが、逆に腰が曲がる老人になるまで長生きするような意味を込めて詰め込む食材となります。
海老が赤色であることから魔除けという意味合いもあるそうです。
うなぎ
現代では豪華な食材の一つとしてうなぎが入っていることが多いですが、実は昔のおせち料理にはうなぎは入っていませんでした。
「うなぎのぼり」という言葉があるように、出世を願うことが由来となって詰められている食材です。
鯛
鯛といえば皆さんもご存じの通り「めでたい」という語呂合わせが由来となっています。
様々な祝いの席で鯛が出てきますが、おせち料理も例外ではありません。
三の重
三の重には主に煮物を詰め込んでいきます。
煮物には様々な種類がありますが、昆布巻きや根菜などの煮しめを詰め込みます。
昆布巻き
昆布(こぶ)巻きについては「よろこぶ」の語呂合わせが由来となっています。
その名の通り縁起物であり、長寿を願う縁起物であったり、よろこぶ以外にも「子生(こぶ)」と当て字をして、子孫が繁栄するように願う意味もこもっています。
里芋
里芋はおせち料理に入れられる定番の食材ですよね。
里芋は親の芋からたくさんの子芋がつくことが由来で、子宝に恵まれて子孫が繁栄するように願って煮物として使われます。
陣笠椎茸(椎茸)
陣笠とは戦場で下級の兵士や雑兵が兜の代わりにかぶっていた笠のことですね。
椎茸は古くか神様のお供えとして使われていたことから、その意味合いで詰められることが多いそうです。
手綱こんにゃく
手綱こんにゃくの由来は武家社会だったころの名残りで詰められています。
こんにゃくを手綱に見立てることによって、手綱をしっかりと締めて、その年一年をしっかりと過ごせるようにと意味が込められています。
手綱こんにゃくはこんにゃくが結ばれていることから、良縁に恵まれるように願う縁起物にもなっているそうです。
たけのこ
たけのこといえばその成長速度がとても速いことが有名ですよね。
その成長速度と天に向かって伸びる様子から、子供が育って出世するように願いを込めたことが由来となっています。
梅花にんじん
梅花にんじんとは梅の花をかたどって飾り切りをしたにんじんのことになります。
梅は花を咲かせると必ず実を結ぶということが由来となって、古くから縁起の良いものだとされています。
楯豆腐(豆腐)
楯豆腐とは高野豆腐に焼き目をつけたものであり、楯が由来となっています。
楯によって家が守られるように願いが込められて詰められている食材となります。
くわい
くわいは成長過程で最初に大きな芽を出すことが由来で出世を祈願した食材となっています。
黄色に色付けされていますが、これは財宝のことであり、金銭面でも豊かになれるように願いが込められています。
最近ではローストビーフも・・・
現代のおせち料理には定番としてローストビーフも入っていますよね。
そもそも牛肉を食べることが一般的になったのは明治時代以降のことなので、もともとおせち料理に入っているわけがありません。
それではなぜローストビーフが入れられるようになったのかというと、ローストビーフは誰からも好かれている料理であり、手軽に調理出来て長期の保存もできることが由来のようです。
特に縁起が良いという食べ物ではありませんが、正月の祝いの席のごちそうの一つとして、家族と一緒に楽しく食べてほしいという願いからおせち料理に採用されるようになりました。
お重の何段目に詰めればよいのかというと、焼き物になるので二の重に詰めるのが一般的だと思われます。
以上がお節料理の意味や由来についてでした、いかがでしたか?
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まとめ
おせち料理はもともと弥生時代に無事に作物を収穫できたことを神様に感謝し、料理をお供えしたことが由来となっている。
やがて宮中行事の元旦や五節句の祝いの席で「御節供(おせちく)」と呼ばれる神様へのお供えの料理が食べられるようになり、これが略しておせちとなった。
おせち料理をお重に詰める際にはどの段に何を詰めるかが決まっていて、食材一つ一つにも意味や由来がある。
近年では手軽に作れて長期の保存が可能であり豪華であるローストビーフが詰められるようになった。