都道府県の違いとは?北海道に県が設置された時代もあった。

今回は「都道府県の違い」ということで、都道府県にまつわる雑学を紹介します。
2019年現在の日本は1都1道2府43県に分かれていますが、どのようにして都道府県を区別しているのかご存じでしょうか?

自分が住んでいる場所がなぜ「県」なのか、あるいは「都」なのか、あまり意識することはないですよね。
ほとんどの方に知られていませんが、実は北海道に県が設置されていた時代もあったのです。

都道府県の違いについて解説

それではさっそく都道府県の違いについて解説していきます。

都とは?

まずは「都」についてですが、現在では東京が「都」となっていますよね。
しかし、実は昔は東京府だったため、「都」は後から作られたものなのです。

以前は東京府の中に東京市があり、東京市には現在と同じような23区が存在していました。
しかし、東京府内でも東京市と他の市町村とでは、都市として持っている力に歴然とした開きがあったのです。

現在でも東京都内の23区とそれ以外の市町村では、発展具合にかなりの差がありますよね。
そのため、第二次世界大戦中に国の影響力を強めることを目的として、東京市を分割して「東京都」にまとめたのです。

その結果、昔は「東京府東京市新宿区」のような住所でしたが、「東京都新宿区」のようにいきなり「区」が出てくる住所となったんですね。
一昔前に大坂も「大阪都構想」が話題になっていましたが、もしも大阪都構想が採用されていたら、住所が現在の「大阪府大阪市〇〇区」から大坂市が無くなり、「大阪府〇〇区」となっていたのです。

道とは?

続いて「道」についてですが、北海道はもともとは蝦夷地と呼ばれていましたよね。
実は北海道が日本の領土となったのは江戸時代末期の頃であり、それまではアイヌ民族との抗争を繰り返していました。

ロシアが南下政策を始めたことをきっかけに日本の脅威となってきたため、幕府は警護を目的としてようやく蝦夷地を直轄化としたのです。
そして、明治時代になってからは蝦夷地に代わる地名候補がいくつか上がりましたが、その中に「北加伊道」という候補がありました。

アイヌ民族が自分達を「加伊」と呼んでいたため、「北加伊道」という候補が上がったのですが、協議を重ねた結果、最終的には「北海道」となったんですね。
なぜ「道」なのかというと、昔は「七道」と呼ばれる以下の行政区画が存在していたことに由来します。

・山陽道(さんようどう)
・山陰道(さんいんどう)
・東山道(とうさんどう)
・東海道(とうかいどう)
・西海道(さいかいどう)
・北陸道(ほくりくどう)
・南海道(なんかいどう)

そこに、日本の新たな行政区画として「北海道」が加わったんですね。
当初は政府直轄地として「北海道庁」という名称でしたが、戦後になると地方自治法施行に伴って地方自治体となり、現在の「北海道」となりました。

府とは?

続いて「府」についてです。
「府」は明治政府が誕生した際に、かつての幕府の直轄地だった地域の中でも、特に重要な地域を「府」としたことにより誕生しました。

「府」が置かれた当初は箱館府、東京府、神奈川府、越後府、甲斐府、京都府、大阪府、奈良府、度会府、長崎府など、たくさんの府がありました。
しかし、翌年になると東京府、京都府、大阪府以外の府については「県」に改められたのです。

昔は特に重要な地域を「府」としていましたが、現在では「府」としての重要性が無くなってきたことから、「県」との違いは名前の違いだけとなりました。

県とは?

最後に「県」についてですが、「県」は「府」を設置した際に、それ以外の地域を「県」としたことにより誕生しました。
かつては「府」との違いは都市としての「重要性の違い」にありましたが、現在では特にそのようなこともなくなり、「府」との違いは名前の違いだけとなっています。

北海道にも県があった

実は北海道にも県があったことはご存じでしょうか?
廃藩置県が行われた際には、北海道にも県が設置されて「函館県」「札幌県」「根室県」が存在していたのです。

しかし、既に北海道という行政区画だったことから混乱を招く結果となりました。
そのため、「函館県」「札幌県」「根室県」を一つにまとめて「北海道庁」を設置し、戦後には「北海道」となったのでした。

以上が「都道府県の違い」についてでした。


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まとめ

「都」は、東京府の中でも東京市だけが都市としての力が強かったため、東京市を分割してまとめたことにより「東京都」となった。
「道」は、かつて七道とよばれる行政特区が存在したことに由来し、ロシアの南下政策に伴って政府の直轄化となったことから誕生した。
「府」は、明治政府が誕生した際に、かつての幕府の直轄地の中でも特に重要な地域として区別する際に誕生した。
「県」は、「府」を設置した際に、それ以外の場所を「県」としたことで誕生した。