今回は「からしとマスタードの違い」ということで、調味料にまつわる雑学を紹介します。
からしとマスタードはどちらも独特の香りや辛みを持っていますが、意外とその違いについて知られていないですよね。
マスタードも日本語では「洋からし」と呼ばれ、どちらも「からし」なのですが、どうしてここまで風味や辛さに違いが出るのでしょうか?
また、からしとマスタードがどちらか一方しかなかった時に、代用することが可能なのかについても解説していきます。
からしとマスタードの違いとは?
それではさっそくからしとマスタードの違いについて解説していきます。
からしとマスタードはの違いは、大まかに「原料となる種の違い」と「作り方の違い」に分けられます。
原料となる植物は同じ
まずはからしとマスタードの原料についてですが、実はどちらも原料となる植物は同じです。
どちらもアブラナ科に属している「からし菜」と呼ばれる植物の種から作られているんですね。
使われる種の違い
からしとマスタードはどちらもからし菜から作られますが、原料となる種に違いがあります。
まずは「からし」についてですが、からしは「オリエンタルマスタード(和からし)」と呼ばれる種から作られます。
一方でマスタードについては「イエローマスタード(洋からし)」と呼ばれる種から作られています。
同じ植物だったとしても、この種の違いによってかなりの味の違いが出てきます。
和からしは辛みが強いのが特徴であり、鼻がツンとするような刺激を持っていることも特徴となっています。
対してマスタード(洋からし)は辛みが弱く刺激も少ないですが、その分マイルドで濃厚な味わいを持っているのが特徴となっています。
作り方の違い
続いて、からしとマスタードの作り方の違いについて解説します。
まずは「からし」の作り方についてですが、オリエンタルマスタードの種を粉末状になるまですり潰し、水をお湯を加えて練ることによって作られます。
この作業工程でからしの独特な辛みが発生し、40度程度のお湯で練るとよりからし本来の辛みが強くなります。
一方でマスタードについても、イエローマスタードの種を粉末状まですり潰し、水やお湯を加えるところまでは同じ作り方となっています。
しかし、その後は酢が加えられて味が調えられているのが特徴なんですね。
酢には辛みを抑える作用があることから、からしよりもマスタードの方が辛みが弱くなっているのです。
辛さの違いは芥子油
からしとマスタードで風味や辛さが全然違うのは、水やお湯を加えた時に発生する「芥子油(かいしゆ)」に関係があります。
芥子油とはからし菜の種から出てくる黄褐色の油のことであり、からしやマスタードが黄色いのはこの芥子油の色なんですね。
からしの製造工程で水やお湯を加えた時に発生するのは「アリル芥子」と呼ばれる芥子油です。
アリル芥子油は非常に揮発性が高いことから、口に入った時により辛みを感じさせますし、鼻からツンと抜ける風味の正体もアリル芥子油なんですね。
一方で、マスタードの製造工程で水やお湯を加えた時に発生するのは「ベンジル芥子」と呼ばれる芥子油です。
アリル芥子よりも揮発性が低いことから、からしよりも辛みが抑えられているように感じているんですね。
代用することは可能?
続いて「からし」と「マスタード」がそれぞれ代用が可能なのかについて解説していきます。
どちらも同じ植物を原料に作られていますが、風味や辛みが全くことなることから、残念ながら代用は出来ません。
そもそも、からしとマスタードでは用途が全く違います。
からしは「薬味」として作られていることから、少量で辛みや風味が感じられるようになっています。
しかし、マスタードは「ソース」として作られていることから、マヨネーズやケチャップのように使われるものなんですね。
代用して食べられないことはありませんが、やはりそれぞれの用途にあった食べ方をした方が美味しいでしょうね。
以上が「からしとマスタードの違い」についてでした。
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まとめ
からしもマスタードがどちらもアブラナ科に属している「からし菜」と呼ばれる植物の種から作られている。
からしは「オリエンタルマスタード(和からし)」と呼ばれる種から作られており、マスタードは「イエローマスタード(洋からし)」と呼ばれる種から作られている。
からしは粉末状にした種に水やお湯を加えて練って作り、マスタードはそれに酢を加えて作られている。
からしとマスタードは全く違う用途で作られたものであることから、基本的には代用することが出来ない。