今回は「ニッキとシナモンの違いとは?」ということで、香辛料にまつわる雑学を紹介します。
ニッキとシナモンは見た目も香りも似ているため、あまり違いがわからないかもしれません。
そのため、ニッキとシナモンは同じものだと感じられるかもしれませんが、厳密には違うものであり、しっかりと区別することが出来ます。
それでは、ニッキとシナモンにはどのような違いがあるのでしょうか?
目次
ニッキとシナモンの違いとは?
それではさっそくニッキとシナモンの違いについて解説していきます。
ニッキとは?
まずは「ニッキ」についてですが、ニッキはクスノキ科のシナニッケイと呼ばれる木を原料に作られる香辛料のことですね。
シナニッケイという木はあまり馴染みがないかもしれませんが、日本国内に割と広く分布している木なのです。
ニッキは漢字で「肉柱」や「日柱」と書きますが、これらの「ニッケイ」の読み方が時代と共に「ニッキ」に変化していったものだと考えられています。
また、ニッキは日本の食文化に古くから関わっており、奈良時代には中国から伝わったとされています。
その頃の唐菓子(中国のお菓子)にはニッキが使われていたそうで、日本でもお菓子に使うようになりました。
ニッキは主に和菓子に使われますが、特に京飴や八ツ橋、外郎(ういろう)などの京菓子に使われています。
シナモンとは?
続いて「シナモン」についてですが、シナモンはクスノキ科のセイロンニッケイと呼ばれる木を原料にして作られる香辛料のことです。
セイロンニッケイは樹皮をはがすと、内側にはコルクのような材質をした層があります。
この樹皮をはがして乾燥させて作られたものがシナモンとなります。
シナモンといえばスティック状のものが喫茶店で提供されますが、スティック状の形は人工的に加工したものではありません。
乾燥させると丸まるという性質を利用して、樹皮を何枚も重ねて乾燥させることにより、自然とスティック状に仕上がるんですね。
シナモンスティックは紙などにシナモンを染み込ませて巻いたものだと勘違いされがちですが、実は樹皮そのものだったのです。
それぞれの特徴による違い
続いてニッキとシナモンのそれぞれの特徴の違いについて解説していきます。
ニッキとシナモンは大まかに「味の違い」「風味や香りの違い」「原産地や原料の違い」で区別することが出来ます。
味の違い
まずは「味の違い」についてですが、香辛料ということもあってどちらも独特の辛みを持っています。
どちらかといえばニッキの方が辛みが抑えられているため、辛い食べ物やシナモンが苦手な方でも、ニッキであれば食べられるという方もいるかもしれません。
そして、どちらかというとシナモンの方が味が強く、食べた時に鼻を抜けていくような味わいとなっています。
八ツ橋には結構な量のニッキが掛かっていますが、同量のシナモンをパンや飲み物にかけると、味が強くなりすぎることもあります。
風味や香りの違い
続いて「風味や香りの違い」についてですが、どちらも独特の香りを放っていますが、匂いを嗅いでみると違いがわかります。
どちらかというとシナモンの方が濃厚で甘い香りがしており、ニッキの方がすっきりとした香りとなっています。
なぜシナモンの方が甘い香りがするのかというと、シナモンに含まれているオイゲノールという成分に関係があります。
ニッキにはオイゲノールが含まれていないことから、少し風味や香りに違いが出てくるんですね。
このオイゲールという成分は防腐剤としての効果もあり、なんとミイラを作る時の防腐剤としても使われていた歴史があるのです。
シナモンは世界最古のスパイスとして知られていますが、古来より人間の生活と密接に関係があったんですね。
原産地や原料の違い
最後に「原産地や原料の違い」についてです。
先ほど解説しましたが、シナモンはスリランカが原産のセイロンニッケイを原料にして作られています。
一方でニッキは日本が原産の肉桂を原料にして作られています。
また、シナモンはセイロンニッケイの樹皮をはがして乾燥させたものとなっていますが、ニッキは肉桂の根を乾燥させて作られます。
ニッキとシナモンの使い分け方
最後にニッキとシナモンの料理の使い分け方について解説していきます。
ニッキを使う料理
まずはニッキを使う料理ですが、日本では特に和菓子に使われています。
先ほども解説しましたが、八ツ橋や京飴、外郎(ういろう)が代表的であり、ニッキ飴などに使われることもありますよね。
また、ニッキはお菓子だけではなく、カレーライスやピラフなどの料理とも意外と相性が良いです。
入れすぎると主張が強くなりますが、少しだけ加えることによって香りや風味が鼻を抜けていく味わいを演出することが出来ます。
シナモンを使う料理
続いてシナモンを使う料理ですが、主に洋菓子との相性が良いでしょう。
ドーナツやケーキ、アップルパイなどにかけて食べても美味しいですし、カプチーノなどの甘い飲み物や、紅茶などにも相性が抜群です。
お菓子以外ではやはりパンとの相性が良いです。
シナモンロールなどを代表するように、素朴な味わいのパンにシナモンの香りが追加されると、程よいアクセントとなってくれますよね。
以上が「ニッキとシナモンの違い」についてでした。
注目記事
他にも、こんな雑学がお勧めです。
プロセスチーズとはどういう意味?語源や由来も解説。
フィナンシェの意味や由来、語源とは?お菓子の雑学。
サンドイッチの由来や語源、サンドイッチに関する雑学を紹介!
まとめ
ニッキは日本産のニッケイの根から作られる香辛料であり、主に和菓子などに使われる。
シナモンはスリランカ産のセイロンニッケイの樹皮を乾燥させて作られる香辛料であり、洋菓子やパンなどに使われる。
味はニッキの方が辛く、シナモンの方が濃厚で甘い香りや風味をしている。
シナモンスティックはセイロンニッケイの樹皮を乾燥させると丸まる性質を利用して作られている。