砂丘と砂漠の違いとは?名前が似てるけどほとんど違うもの。

今回は「砂丘と砂漠の違い」ということで、地形にまつわる雑学を紹介します。
砂丘と砂漠はどちらも砂が多く、名前も似ていることから同じ物だと考える人も多いかもしれません。

しかし、これらは名前が似ているというだけで、特徴を挙げていけばほとんど違うものだということがわかります。
また、日本では鳥取砂丘が最大の砂丘というイメージがありますが、実はもっと大きな砂丘があるってご存じでしたか?

砂丘とは?

砂丘砂漠違い
まずは「砂丘」について解説していきますが、砂丘は風などによって砂が運ばれてきて堆積した地形のことを指します。
「丘」という漢字から、砂漠の山になっている部分だと勘違いしてしまう方も多いみたいですね。

また、風によって砂が堆積することで出来る地形のため、風の強い場所に砂丘が出来る傾向もあります。
日本にあるのは海岸砂丘が多く、有名な鳥取砂丘についても海岸にありますよね。

なぜ海岸に砂丘が出来やすいのかというと、風が強いことと、元々砂がたくさんあるからなのです。
山は石が多く風で運ばれにくいですが、川の流れによって河口付近まで流された石は粒が小さくなり砂となります。

そして、海とぶつかった地点で波しぶきとなり、細かな砂となって海岸に打ち上げられるんですね。
また、一度砂が堆積して小高くなると、風が吹いた時にその地点に砂が堆積しやすくなるのも理由の一つとなっています。

実は植物が育つ

砂丘は普通の土地に比べて乾燥していますが、それでも砂漠のようにカラカラという訳ではありません。
鳥取砂丘などももちろんそうですが、同じ日本国内ですから普通に雨が降ります。

そのため、表面の砂は乾燥していても、砂を掘り返すと湿っている層が顔を出します。
また、水分があることから砂漠と違って植物が育ちますし、砂丘には様々な植物が群生しています。

最大級は鳥取砂丘ではない

日本最大級の砂丘といえば「鳥取砂丘」を思い浮かべる方も多いですよね。
観光客も多いことからそのように思われがちですが、実は日本最大の面積を誇る砂丘は青森県に猿ヶ森砂丘です。

鳥取砂丘が観光地であることから、猿ヶ森砂丘も日本最大の砂丘として観光客を誘致しないのか?と思う方も多いかもしれません。
しかし、猿ヶ森砂丘には防衛省の弾道試験場が設置されていることから、周囲には民間人が近づけないようになっているのです。

砂漠とは?

砂丘砂漠違い
続いて「砂漠」についてですが、砂漠は降雨量が少なく極端に乾燥した地域のことを指します。
「砂」という漢字を使うことから、おそらくほとんどの人が日本の「砂丘」のような地形を想像するかもしれません。

しかし、そのようないわゆる「砂砂漠(すなさばく)」と呼ばれる砂漠は意外と少なく、砂漠全体の15~20%しかないそうです。
砂漠のほとんどは「岩石砂漠」と呼ばれ、極端な乾燥から地面の岩がむき出しになって、ゴツゴツとした砂漠となっています。

また、比較的大きな石がゴロゴロと転がっているような砂漠を「礫砂漠(れきさばく)」と呼びます。
一応砂漠には定義が存在し、年間降水量が250mm以下の地域を指します。

日本にも砂漠がある

実は日本にも「砂漠」と呼ばれる場所はあり、東京都の伊豆大島に砂漠が存在しています。
地図には「表砂漠」「裏砂漠」「奥山砂漠」と記載されており、これらが日本に存在する唯一の砂漠となっています。

しかし、日本は年間降雨量が多く、砂漠の定義である250mm以下を満たしていないことから、厳密にこれらは砂漠ではありません。
火山の噴火によって砂礫や火山灰に覆われて砂漠のような地形となっただけで、海外にある砂漠とは根本的に仕組みが違っています。

砂丘と砂漠の違い

砂丘砂漠違い
砂丘と砂漠の最大の違いは年間降雨量にあります。
例えば、鳥取砂丘には年間で約2000mmの降雨量がありますが、砂漠は250mm以下と定義されていますよね。

そして、砂漠は日本の砂丘と比べて気温も高いですし、そこに生きる動物や植物がいないことから、いかに環境であるか物語っていますよね。
一方で砂丘は充分に雨が降りますし、実際にそこで生育する植物なども存在しています。

また、特に日本の砂丘は海の近くにありますし、ほとんど水分の存在しない砂漠とはほとんど違う環境と言っても良いでしょう。
以上が「砂丘と砂漠の違い」についてでした。


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まとめ

砂丘は砂が風などによって運ばれることにより堆積して出来た地形であり、雨が降ることから植物も生育することが出来る。
また、日本最大級の砂丘といえば「鳥取砂丘」と思う人も多いが、実際には青森県の猿ヶ森砂丘が一番大きな面積を誇っている。
砂漠は年間の降雨量が少なく、降雨量よりも蒸発量が上回っている地域のことであり、日本にも砂漠が存在している。
「砂」という漢字を使うことから砂がたくさんあるように思えるが、ほとんどの砂漠が岩石や砂礫によって出来ている。