「河豚の由来」「フグという言葉の語源」ということで、フグにまつわる雑学を紹介します。
フグを漢字で書くと「河豚」と書くことは有名ですが、その由来をご存じでしょうか?
よく考えてみれば、フグは海に生息している生き物なのに「河豚」と書くのは不思議だと思いませんか?
今回は「河豚の由来」と「フグと呼ばれるようになった語源」についても詳しく解説していきますね。
河豚の由来
それではさっそく「河豚」という漢字の由来について解説していきます。
日本では、フグといえば海に生息する生き物であり、河にはいないと思われがちですよね。
しかし、種類によっては河に生息するフグもいて、このようなフグは河フグと呼ばれています。
そして、漢字で「河豚」と書くようになったのは、中国から伝わってきたものだとされています。
中国の揚子江や黄河といった河にはフグが生息しており、中国人にとってはフグといえば河に生息しているものでした。
河で釣り上げられたフグは「ブーブー」と豚のように鳴き、膨らんだ姿も肥育した豚にそっくりだったそうです。
そのため、河に生息している豚ということから、漢字で「河豚」と書くようになったとされているのです。
また、中国語で「豚」には「美味しい」「高級」という意味が込められていることも、由来の一つだとされています。
フグはかつて「ふく」と呼ばれていた
続いて「フグ」という言葉の語源について解説していきます。
実は日本では「フグ」のことを、昔は「ふく」と呼んでいたそうです。
現代でも下関や中国地方の一部の地域ではフグのことを「ふく」と呼んでいますよね。
時代の流れと共に「フグ」と呼び方が変わっていったそうですが、そもそもなぜ「ふく」と呼ばれていたのかについては、諸説あるようです。
今回はその中でも有名な「吹くことに関係している」「膨らむものという意味から」「ひょうたんのような形だから」の三つの説を紹介します。
吹くことが関係しているから
まずは最も有力とされている「吹くことに関係している」という説についてです。
フグの生態についてはあまり知られていませんが、フグは餌となるゴカイ類を探す時に息を吹いて探します。
ゴカイ類は海底の砂に隠れているため、砂に息を吹きかけてゴカイ類を探して食べるんですね。
その息を吹いて餌を探す様子が語源となって、元々は「ふく」と呼ばれていたとされる説です。
膨らむものという意味から
もう一つは「膨らむもの」という意味を語源とする説です。
「ふく」が付くものには「袋」「ふくらはぎ」「膨れる」などのように、膨らむものが多いんですね。
そして、フグも皆さんもご存じのように「膨らむ生き物」となっています。
そのため「ふく」と呼ばれるようになったと考えられています。
ひょうたんのような形だったから
フグが「ひょうたんの形に似ていた」ことから「ふく」と呼ばれるようになった説です。
一見何も関係が無いように思えるかもしれませんが、昔はひょうたんを「ふくべ」と呼んでいました。
そして、フグが「ふくべ(ひょうたん)」に似ていたことから、ふくと呼ばれるようになったという説ですね。
三つのふくと呼ばれるようになった語源を紹介しましたが、やはり「吹く」が最も信ぴょう性が高い説のように感じますよね。
以上が「河豚の由来」「フグという言葉の語源」についてでした。
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まとめ
フグを漢字で「河豚」と書くようになったのは、中国から伝わったものだと考えられている。
中国の揚子江や黄河には河フグが生息しており、中国では河フグの方が親しまれていた。
そして、フグを釣り上げた時に豚のように鳴くことや、その見た目が豚に似ていることから「河豚」と書かれるようになった。
日本では元々は「ふく」と呼ばれており、息を吹くことや、膨らむという意味、ひょうたん(ふくべ)の形に似ているなど、様々な語源が存在する。