土偶(どぐう)と埴輪(はにわ)の違い、簡単に見分ける方法!

今回は「土偶と埴輪の違い」ということで、土器にまつわる雑学を紹介します。
歴史の授業で習った人がほとんどだと思いますが、土偶と埴輪の違いを説明できる人って意外と少ないんですよね。

どちらも土で作られた人形ですし、現代には無いことから、どのような用途の違いがあったのかについても知らない人が多いはず。
今回は土偶と埴輪の違いについてわかりやすく解説し、見分ける方法についても紹介していきますね。

土偶と埴輪の違い

土偶埴輪違い
まずは「土偶と埴輪の決定的な違い」から解説していきます。
土偶と埴輪については、実は作られていた時代が全く違います。

土偶は縄文時代に作られていた土器の一種ですが、埴輪は古墳時代に作られていた土器の一種なんですね。
縄文時代は約16,000年前から紀元前4世紀ごろにかけてであり、古墳時代は3世紀半ばから7世紀末ごろまでのため、作られていた時期が全然違いますよね。

そのため、そもそも土偶と埴輪は土器であるという共通点があるだけで、全く別の物なのです。
また、土偶と埴輪は形も違いますので、簡単な見分け方についても解説していきますね。

土偶(どぐう)とは?

まずは「土偶(どぐう)」の特徴から解説していきます。
土偶の見た目の最大の特徴は、人型をしていて、胸やお尻の部分が膨らんでおり、女性の形をしているところです。

しかし、実は土偶については作られていた時代があまりに古すぎて、文献なども無いことから謎に包まれている部分が多いそうです。
そもそも、縄文時代の人々が、何を思って土偶を作っていたかなど、用途が全く分かっていないのです。

ただし、土偶は壊れずに完全な形の状態で残っているものが少なく、一部が欠損しているものが出土することが多いようです。
そして、あまりに一部が欠損している部分が多いことため、古代の人が意図的に一部を欠損させていたと考えられています。

なぜ、一部を敢えて欠損させていたのかというと、厄除けの意味合いがあったと考えられているんですね。
手足などを敢えて壊すことによって、人間に降りかかる災いの身代わりとなってもらっていたのかもしれません。

埴輪(はにわ)とは?

続いて「埴輪(はにわ)」の特徴について解説していきます。
埴輪は大きく分けて「形象(けいしょう)埴輪」と「円筒埴輪(えんとうはにわ)」と「器財埴輪(きざいはにわ)」の三種類があります。

形象埴輪の特徴

まずは「形象埴輪」についてですが、皆さんがよくご存じの目と口がついている埴輪のことですね。
実は人の形をしているものもあれば、動物の形をしているものもあり、それらが形象埴輪と呼ばれています。

埴輪は主に古墳の中から出土することから、死者に捧げる用途で作られたものだと考えられています。
人や動物をかたどった埴輪を入れておくことで、死者が古墳の中で寂しい思いをしないようにしたと考えられています。

円筒埴輪の特徴

続いて「円筒埴輪」についてですが、円筒埴輪はコップのような形をした埴輪です。
主に死者の周囲を囲むように並べられていることが多く、死者の眠る場所を区切るために用いられていたと考えられています。

そして、埴輪といえば人型の埴輪を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、実は最も多く出土するのは「円筒埴輪」の方なんですね。
基本的には数十センチメートルのサイズのものが多いですが、大きいものであれば2メートルほどあるものも出土することがあるそうです。

器財埴輪の特徴

最後に「器財埴輪」についてですが、器財埴輪は鎧や兜、盾や刀といったものの形をした埴輪のことです。
昔は鎧や兜、盾や刀といったものは宝物の一つであったため、古墳に眠る死者の偉大さを表す意味で作られていたものだと考えられています。

以上が「土偶と埴輪の違い」についてでした。


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まとめ

土偶と埴輪では作られた年代が違い、土偶は縄文時代に作られて、埴輪は古墳時代に作られたものである。
土偶は女性の形をしているのが特徴で、用途は正確にはわかっておらず、欠損したものが多いことから厄除けに使われていたと考えられている。
埴輪は大きく分けて「形象埴輪」と「円筒埴輪」と「器財埴輪」に分けられるが、一般的に知られているのが形象埴輪である。
埴輪は現代の墓地である「古墳」に並べられていることが多いことから、死者のために作られていたことがわかる。