俳句と川柳の違いとは?見分ける4つのポイントを簡単に解説!

今回は「俳句と川柳の違いとは?」ということで、日本の文化にまつわる雑学を紹介します。
学校でも習いましたが、俳句と川柳の違いといえば「季語の有無」を想像される方も多いですよね。

しかし、実は他にも「切れ字」「文語体と口語体」「題材」の違いなど、様々な違いがあるのです。
また、俳句と川柳は元々は「連歌」から始まり、連歌から独立して誕生したものだってご存じでしたか?

俳句と川柳は似ている?

俳句川柳違い
俳句と川柳はどちらも基本的に「五・七・五」の形となっていて、とてもよく似ていますよね。
この二つが似ているというのも、実はどちらも「俳諧連歌」を基にして独立したものだからなのです。

現代の日本人にとって連歌はあまり馴染みのないものですが、昔は貴族から庶民の間でも楽しまれていました。
連歌は前の人が詠んだ五・七・五の句に自分が考えた七・七を付けて、次の人は更に五・七・五を付けるといったことを繰り返す詩の遊びです。

これが繰り返されて36句、または100句までで一つの作品となり、連歌は「詩のリレー」と考えればわかりやすいかと思います。
その中でも「俳句」は連歌の最初の句である「発句」が独立したものであり、後に詠む人が詩を考えやすいように「季語」を付けていたんですね。

一方で「川柳」は後ろに付け加えていった区が独立したものであるため、俳句に比べてそこまでルールが明確化されていないのです。
また、連歌は元々は前の人が出したお題に対して適切な句を詠んで返す遊びでしたが、前の句がなくても充分に面白いということで、川柳として独立していった背景もあります。

俳句と川柳の違いとは?

続いて、俳句と川柳の違いについて解説していきます。
俳句と川柳は「季語の違い」以外にも、切れ字、文語体と口語体、題材など様々な違いがあります。

季語の違い

まずは「季語の違い」についてですが、俳句には基本的に季語が必要ですが、川柳には季語は必要ありません。
これは、先ほど解説したように、俳句が連歌の最初の句である「発句」が独立したものであるため、次の人が句を考えやすいように必ず季語を使っていたことに由来しています。

切れ字の違い

続いて「切れ字」の違いについてですが、俳句は句の中で「けり」「かな」「や」などの切れ字を使用します。
しかし、川柳は特に切れ字を使う必要が無く、俳句よりももっと自由に句を考えることが出来ます。

文語体と口語体の違い

俳句は切れ字を用いることから、基本的に文語体で詠まれるのが一般的となっています。
一方で川柳は口語体で詠まれるのが一般的であり、川柳の方が堅苦しいものではなく自由に感じるのも、話し言葉で詠まれることが多いのが理由の一つとなっています。

題材の違い

俳句と川柳では詠まれる題材も違います。
俳句は季語を用いて自然や四季の移り変わりなどを題材にして句を詠むことから、読み手に風情や情緒を感じさせる作品が多いです。

一方で川柳は世の中の人間模様であったり、社会に対する風刺を込めて作品が書かれるものが多く、ユーモアを感じさせる作品が多いです。
毎年「サラリーマン川柳」が募集されていますが、まさにサラリーマン目線での人間模様であったり社会風刺が題材となっていますよね。

実は違いは曖昧?

俳句と川柳は形式的な違いや詠まれる内容の違いはありますが、実は明確に線引きされている訳ではありません。
例えば、スポーツなどでは明確なルールが定義されていますが、俳句や川柳にはそのようなルールブックなどは存在していないんですね。

そのため、俳句と川柳の違いは非常に曖昧なものとなっています。
作者が川柳として作品を世に出したとしても、意図せず季語を用いてしまったり、切れ字が入ることによって俳句となる場合もあります。

以上が「俳句と川柳の違いとは?」という雑学でした。


注目記事


他にも、こんな雑学がお勧めです。
カタラーナの意味や由来語源とは?クリームブリュレとの違いは?
「チャック」「ファスナー」「ジッパー」の違いって何なの?
どすこいの意味と語源由来とは?相撲ではいつ「どすこい」を使うの?

まとめ

俳句と川柳の違いといえば「季語の有無」だと思われがちだが、他にも様々な違いがある。
例えば、俳句には句を切るために必要な「や」「けり」「かな」といった切れ字が使用されますが、川柳ではそこまで切れ字は使用されません。
また、俳句は文語体、川柳は口語体という違いもあり、題材についても、俳句は自然などの情景を詠むが、川柳はどちらかというと人間模様であったり風刺を題材にすることが多い。
俳句も川柳も、元々は連歌の一部であり、連歌から独立して詠まれるようになったものである。