今回は「薄口醤油と濃口醤油の違い」ということで、醤油の雑学を紹介します。
日本の食卓で最も多く消費されているのは濃口醤油であり、皆さんも醤油といえば濃口醤油を思い浮かべますよね。
地域によっては薄口醤油を使う地域もありますが、実はほとんどの人が薄口醤油と濃口醤油の違いについて知りません。
濃口醤油の方が塩分が高く、薄口醤油の方が塩分が低いと思われがちですが、実は真逆で薄口醤油の方が塩分は高いのです。
薄口醤油と濃口醤油の違い
それではさっそく「薄口醤油」と「濃口醤油」の違いについて解説します。
実は「薄口」や「濃口」とは、味や塩分の違いではなく、色の濃淡の違いを意味しているのです。
濃口醤油の方が色が濃いことから「濃口」、薄口醤油の方が色が淡いことから「淡口(薄口)」と呼ばれています。
実際に塩分を比較してみても、濃口醤油が16%、薄口醤油が18%で薄口醤油の方が塩分が高いことがわかります。
濃口醤油の特徴
日本の家庭で最も消費率が高いのが濃口醤油であり、日本で作られている醤油の80%以上は濃口醤油です。
香りや味のバランスが良く使いやすいのが濃口醤油で、煮物や焼物、だしやたれを作る時など様々なシーンで活躍します。
もちろんそのまま濃口醤油をかけたり、つけダレにするのにも向いており、まさに万能な調味料と言えるでしょう。
江戸時代以降から関東を中心として作られてきたため、東日本ではほとんどの地域で濃口醤油が使われています。
薄口醤油の特徴
日本の家庭で二番目に消費率が高いの薄口醤油であり、日本で作られている醤油の約13%の割合を占めています。
先ほど解説したように、塩分は濃口醤油より少し高めの18%となっていて、色が淡い(薄い)ことから「淡口醤油(薄口醤油)」と呼ばれています。
色が淡く香りも薄いことから、食材の色味や香りを生かす料理に向いているのが淡口醤油なんですね。
そのため、そのまま使うことには不向きですが、野菜などの色味の強い煮物、うどんなどのつゆを作るのには向いています。
他の醤油の種類
続いて「濃口醤油」「淡口醤油」以外の醤油の種類について解説します。
家庭ではあまり使用されることはありませんが、他にも「たまり醤油」「さいしこみ醤油」「白しょうゆ」などの醤油があります。
たまり醤油の特徴
一般的な醤油は大豆と小麦を使って作られていますが、ほぼ大豆だけで作られているのがたまり醤油の特徴です。
他の醤油と比べてもかなりトロトロで濃厚であり、加熱によって照りが出やすいことから、せんべいなどを漬け込んでから焼く時に使われます。
日本で作られている醤油の2%程度しか占めていませんが、愛知県など中部地方で使われており、刺身醤油などの用途でも使われます。
製造段階で諸味(もろみ)が硬く混ぜることが出来ないため、細長い竹篭を入れてたまる液体を諸味に何度もかけて作ることから、たまり醤油と呼ばれています。
さいしこみ醤油の特徴
さいしこみ醤油は製造段階で2回醸造することから再仕込み(さいしこみ)醤油と呼ばれています。
日本で作られている醤油の1%程度であり、現在は日本全国で作られていますが、元々は山口県で作られていた醤油でした。
色がとても濃く、他の醤油と比べてもドロドロとしており、濃厚な味わいであることが特徴で別名「甘露醤油」とも呼ばれています。
調理の際の味付けなどではあまり使用されず、刺身などの魚の付けダレなどとして利用されます。
白しょうゆの特徴
白しょうゆは主原料として麦が使われているのが特徴で、大豆は炒った状態で少量しか使われていません。
他のしょうゆと比べて歴史が浅く、白しょうゆが考案されたのは江戸時代末期の頃だったとされています。
ほとんどの醤油は色が赤黒いですが、白しょうゆは色がとても薄く、ほとんど白色をしているのが特徴です。
色がとても薄いことから素材の色味を生かす料理に使われ、隠し味などの用途にも使用されます。
以上が「薄口醤油と濃口醤油の違い」「醤油の種類」についてでした。
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まとめ
濃口醤油は日本で作られている醤油の割合のほとんどを占めており、煮物や焼物、だしやたれを作る時など様々なシーンで使われている。
淡口醤油は濃口醤油と比べて色が淡い(薄い)ことが由来で「淡口醤油(薄口醤油)」と呼ばれており、食材の色味や香りを生かす料理に向いている。
たまり醤油はほぼ大豆だけで作られており、トロトロで濃厚であり、加熱によって照りが出やすいことから、せんべいなどを漬け込んでから焼く時に使われる。
さいしこみ醤油は別名「甘露醤油」と呼ばれており、刺身などの魚の付けダレとして使われている。
白しょうゆは主原料として麦が使われているのが特徴で、色がとても薄いことから素材の色味を生かす料理に使われる。