今回は「相撲が国技ではないってホント?」ということで、相撲にまつわる雑学を紹介します。
2019年現在では年配の方だけではなく、若者も相撲観戦をするようになって、相撲人気が高まっていますよね。
そのため、日本の国技といえば「相撲」と答える人も多いかもしれません。
しかし、一方で「相撲は国技ではない」という主張があるのはご存じでしょうか?
相撲が国技ではないってホント?
そもそもですが、何をもってして相撲を「国技」と捉えるかについて解説していきます。
まず「国技」についてですが、国技には「その国特有の技芸、その国を代表する競技」という意味があります。
そのため、世界的に見ても具体的に「国技はコレだ!」という厳密は定義は存在せず、「その国の人が国技だと思っていれば国技!」のような曖昧さがあります。
国によっては法令によって国技が定められており、韓国ではテコンドー、ブラジルではカポエイラ、チリではロデオ、などが国技に指定されています。
日本の国技の定義とは?
それでは、日本では国技の定義はどのようになっているのでしょうか?
日本では法令によって指定された「国技」というものが、実は一つも存在していません。
そのため、相撲だけではなく「柔道・空手・剣道」などの競技についても、日本の国技には指定されていないんですね。
「相撲は日本の国技ではない!」と主張する人は、国によって国技が指定されていないことを根拠としているのです。
もう一つの国技の定義
しかし、国技の定義については「法令の有無」以外にもあり、以下のような内容となっています。
・国民に深く親しまれ、その国の文化にとって特に重要な位置を占めるという考えが提唱され、一定の範囲で広められているもの
確かに相撲を国技とする法令はありませんが、国民に広く親しまれていますし、こちらの定義には該当している気がしますよね。
「一定の範囲で広められているもの」についても、相撲という競技を知らない日本人がいないことから、定義に該当しています。
また、日本以外の国についても、国民に広く親しまれている競技を「事実上の国技」としている国があります。
アメリカでは野球、カナダではラクロス、などのスポーツが国民に親しまれているため、国技だと考えている人も多いようです。
相撲はいつ頃から国技と呼ばれている?
それでは、相撲はいつ頃から「国技」と呼ばれるようになったのでしょうか?
相撲が国技と呼ばれるようになったのは、1909年に相撲の聖地である「両国国技館」が建設されたことが由来となっています。
国技館の開館式では、作家の江見水陰氏が執筆した推薦文に「相撲節は国技である」とも書かれていたそうです。
また、国技館が建設される前までは、そもそも「国技」という言葉すらあまり知られていなかったんですね。
そのため、国技館が建設されたことによって「国技」という言葉が広まり、そこで行われている相撲が国技だと考えられるようになったのです。
「国技館」で行われている競技だから「国技」と考えるのは、確かに自然な流れですよね。
結論は?相撲は国技?国技ではない?
それでは、結局のところ相撲は国技なのでしょうか?
結論を言うと、相撲は日本の”事実上の国技“ということになるでしょう。
法令で国技と定められている訳ではありませんが、多くの日本人が親しみを持っており、実際に相撲を国技だと考えています。
国技の定義から考えても「法令で定めてないから国技じゃない!」という主張は、一種の揚げ足取りのようなものですよね。
世界的に見ても、法令で定めていなくても”事実上の国技”としている国は存在していますし、相撲を日本の国技と捉えても何の問題も無いのです。
それでも「相撲は国技ではない」と考える人は一定数いるため、法令などで明文化されない限りは、この論争は続いていくでしょう。
以上が「相撲が国技ではないってホント?」についてでした。
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まとめ
相撲は日本の法令で「国技」と定められていないことから「国技ではない」という考え方もある。
しかし、国技には「国民に深く親しまれ、その国の文化にとって特に重要な位置を占めるという考えが提唱され、一定の範囲で広められているもの」という定義もある。
相撲は広く国民に親しまれていることから、相撲を国技と考えるのは自然である。
相撲が国技だと考えられるようになったきっかけは、1909年に両国国技館が建設されたことである。