「やばいの語源と由来」ということで、日本語にまつわる雑学を紹介します。
現代では若者を中心にして「やばい」という日本語が使われており、年長者の方にとって「言葉の乱れ」は気になるかもしれません。
しかし、やばいという言葉は最近の若者によって使われだした日本語ではなく、実は江戸時代から既に存在していたのです。
今回は「やばい」がどのようにして誕生した言葉なのか、その語源と由来について解説していきます。
やばいが登場したのは江戸時代
それではさっそく「やばい」という日本語について解説していきます。
冒頭でも軽く解説しましたが、「やばい」という言葉が登場したのは近代ではなく、江戸時代には既に存在していました。
実際に「やばい」に似た表現として、十返舎一九の「東海道中膝栗毛」にも「やばなこと」という表現が用いられています。
そして、当時も現代と同じように「悪い状況」「不都合な状況」といった意味で使われていたのです。
しかし、1990年代を迎えたころには「やばい」は肯定的なニュアンスの言葉としても使われるようになりました。
2019年現在では「やばい」といえば、「凄い」などの意味で使われており、感嘆符のような用いられ方をしていますよね。
やばいの語源と由来
続いて、本題である「やばいの語源と由来」について解説していきます。
実は「やばい」という言葉の語源や由来は諸説あり、はっきりとわかっていないのが現状です。
いくつか存在する説の中でも、有力だと考えられている説を紹介していきます。
牢屋を語源とする説
まず「牢屋を語源とする説」について解説していきます。
昔は牢屋を守る看守のことを「厄場(やば)」と呼んでいました。
そして、泥棒や香具師などの犯罪者にとって、厄場(やば)は当然ながら関わり合いたくない存在だったのです。
そのため、状況が悪くなって厄場(やば)の世話になりそうな悪い状況のことを「やばい」と呼ぶようになったんですね。
また、掴まって囚人となった後、よからぬことを考えて厄場(やば)に見つかりそうになった時も囚人同士で「やば」と教え合っていたとされています。
このように、元々は犯罪者たちの間で使われていた隠語だったと考えられています。
射的場を語源とする説
他にも「射的場を語源とする説」が存在しています。
昔は射的場のことを「矢場」と呼んでおり、江戸時代の矢場は売春の巣窟となっていたそうです。
そのため、下手に矢場に近づいてしまうと、売春に関与しているのではないかと、役人に目を付けられる危険があったのです。
そのような場所だったことから「やばい」と呼ばれるようになったとされています。
「やば」という形容詞を語源とする説
「やばい」という言葉が登場する以前から「やば」という言葉が存在していたという説です。
「やば」は「不都合」や「状況が悪い」ということを意味する形容動詞として使われていました。
そして、「やば」に「い」を付けることで形容詞として用いられるようになったんですね。
語源は他のものと異なりますが、形容詞の「やばい」についても、犯罪者の間で隠語として用いられていたと考えられています。
「やばい」という言葉は言葉が乱れているように感じられ、公の場で使うことは極力控えられていますよね。
しかし、それ以外にもテレビなどで「やばい」という言葉を耳にしないのは、犯罪にかかわる言葉で使いづらいという理由もあるそうです。
以上が「やばいの語源と由来」についてでした。
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まとめ
「やばい」という言葉は江戸時代から既に存在しており、似た表現では「東海道中膝栗毛」に「やばなこと」というものが登場している。
意味については江戸時代から変わっておらず、主に悪いことが起こりそうな時に使われる言葉となっている。
語源は諸説あり、牢屋の看守が「厄場(やば)」と呼ばれており、泥棒などが捕まりそうになる隠語として「やばい」と表現したという説がある。
また、昔は射的場を「矢場」と呼んでおり、矢場で売春が行われていたことを語源とする説もある。