「空手」と「空手道」の違い、名前がよく似ている別のスポーツ?

今回は「空手」と「空手道」の違いについて、スポーツのまつわる雑学を紹介します。
中学校や高校の部活動において「空手部」と書かれていることや「空手道部」と書かれていることがありますよね。

空手の経験がない人からすると「空手」と「空手道」はルールが別の競技だと思われるかもしれません。
そんな「空手」と「空手道」の違いを、日本の空手の歴史とともにわかりやすく解説していきます。

空手と空手道の違い

まず初めに空手と空手道の違いについて解説します。
特に「空手道」については耳馴染みがないと思いますが、「空手」も「空手道」も基本的には同じものです。

他にも「柔道」「剣道」「合気道」など「道」が付く武術がありますが、空手についても「空手道」と呼ばれることがあるんですね。
明確に「空手」と「空手道」を呼び分ける違いは存在せず、時期によって「空手」と呼ぶ人もいれば、「空手道」と呼ぶ人もいました。

なぜ人によって呼び方が変わるのかというと、その時代によって空手は呼び方が違っていたからなのです。
手(ティー)→唐手(トゥーディー)→唐手(からて)→空手(道)」のように、空手には様々な呼び方がありました。

空手と空手道の歴史

続いて、空手や空手道の昔の呼び名についてや歴史について解説していきます。

手(ティー)と唐手(トゥーディー)

空手のルーツは沖縄県で盛んだった手(ティー)と唐手(トゥーディー)にあります。
手(ティー)は琉球王国の時代から伝わる伝統の拳法であり、唐手(トゥーディー)は中国から伝わった拳法を指していました。

日本の空手はこの手(ティー)と唐手(トゥーディー)の技術が交わることによって誕生した拳法なのです。
現在の空手といえば主に打撃技を主体とする格闘技になっていますが、沖縄県の古来の空手道は関節技や投げ技も多彩だったそうです。

そして、空手道の鍛錬と一緒に棒術、釵術、ヌンチャク術などの武器術もあわせて鍛錬することが嗜みだったのです。

唐手(からて)

1901年になると沖縄県の学校では体育の授業の一環として「唐手(トゥーディー)」が取り入れられるようになりました。
そして、その時に唐手(トゥーディー)の呼び方も唐手(からて)に改められることになりました。

意味も唐手(トゥーディー)が中国から伝わった拳法を指すのに対して、唐手(からて)は手(ティー)も含めた総合的な琉球拳法を意味するようになりました。
そのため唐手(トゥーディー)と唐手(からて)は意味合いが異なり、唐手(からて)が現在の空手や空手道の原型と言えるでしょう。

空手

それではいつ頃から唐手が空手と呼ばれるようになったのでしょうか?
実は「空手」という言葉が誕生した明確な時期はわからず、空手という呼び方の発祥は定かではないそうです。

20世紀初頭の沖縄県には既に「からて」という日本語が確かに存在していたのですが、「空手」となった経緯については不明です。
発祥は定かではありませんが、「空手」という表記が初めて登場したのは、花城長茂が武器を何も持たないという意味で空手空拳という言葉を使った時です。

空手道

空手が空手道となった時期についても諸説あるそうです。
一説によると、「唐手」という表記の場合、そこまで唐手が浸透していなかった時代に中国拳法と勘違いされることが多かったそうです。

そのため、唐手という表記を1930年頃に「大日本拳法空手道」という表記に改めたとされています。
この時に「柔道」「剣道」「合気道」などのように「空手道」となったんですね。

このように、空手は時代と共に呼び方に違いがあるように、空手と空手道に違いはなく、同じ拳法だということがわかりましたよね。

以上が「空手」と「空手道」の違いについてでした。


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まとめ

「空手」と「空手道」は呼び方の違いはあるが、明確なルールなどの違いはない。
空手は琉球王国の手(ティー)と中国から伝わった拳法の唐手(トゥーディー)が合わさって誕生した拳法である。
沖縄県の学校の体育では唐手(からて)として取り入れられるようになり、手(ティー)と唐手(トゥーディー)をあわせて唐手(からて)と呼ぶようになった。
唐手(からて)では中国拳法と間違えられることが多かったことから、「大日本拳法空手道」に改められて、空手道という呼び方が誕生した。