ビールとラガーの違い、お酒好きなら知っていて当然の雑学。

今回は「ビールとラガーの違い」ということで、ビールにまつわる雑学を紹介します。
そもそも「ラガー」とはビールの一種であり、ビールには「ラガービール」と「エールビール」があるんですね。

それで、ラガービールとエールビールの違いは何なのか、またそれぞれにはどのような特徴があるのでしょうか?
あまり見かけることのない珍しい種類のビールの「自然発酵ビール」についても解説していきますね。

ラガービールとエールビールの違い

ビールラガー違い
まずはラガービールとエールビールの違いについて解説していきます。
一般的にビールは原料となる麦芽とホップを水に加えて発酵させた後、貯酒タンクに移されてゆっくりと熟成されて作られます。

そして、完成したビールが瓶や缶などに詰められて出荷されていくんですね。
ラガービールとエールビールの違いは「発酵」の工程にあります。

ラガービールが「下面発酵」で作られるのに対して、エールビールは「上面発酵」によって作られているんですね。
普段から料理をしない人にとっては「発酵」と聞くと、少し難しく感じるかもしれません。

簡単に言えば「菌」の活動によって糖分を分解させて、アルコールや炭酸ガスを作るだけのことなので、さほど難しいことではありません。
それでは、ラガービールの「下面発酵」とエールビールの「上面発酵」について詳しく解説していきましょう

下面発酵とは?

まずは「下面発酵」についてですが、下面発酵は6度~15度ぐらいの低温で時間をかけて発酵させる方法です。
発酵が進む過程で酵母菌が底に沈んでいくことから、下面発酵と呼ばれているんですね。

下面発酵は中世ヨーロッパでは既に行われていた方法であり、発酵が完了するまでには一週間から十日ほど掛かります。
その後、貯酒タンクに移されて熟成される期間も含めると、完成までには約1か月の時間を要します。

上面発酵とは?

続いて「上面発酵」についてですが、上面発酵は20度~25度ぐらいの常温であまり時間をかけずに発酵させる方法です。
発酵が進む過程で酵母菌が上のほうへと浮いていくことから、上面発酵と呼ばれています。

歴史は下面発酵よりも長く、古くから伝わる伝統的なビールの発酵方法が「上面発酵」なんですね。
発酵が完了するまでには3日~4日掛かり、貯酒タンクへ移してからの熟成期間も含めると、完成までには3週間ほど掛かります。

この発酵方法の違いによって、ビールの味わいにはかなりの差が出てきます。
続いてはラガービールとエールビールのそれぞれの特徴について解説していきます。

ラガービールの特徴

ビールラガー違い
まずは「ラガービールの特徴」についてですが、ラガービールは雑味が少なく、さっぱりとした味わいをしているのが特徴です。
香りも爽やかで飲みやすく、ゴクゴクと飲めることも特徴であり、実は現在の日本に流通しているほとんどのビールがこのラガービールにあたります。

日本のビールにもプレミアムモルツや一番搾りなど比較的濃厚な味わいのものもありますが、これらも全てラガービールとなります。
また、ラガービールといっても「ピルスナー、シュバルツ、ドルトムンダー、アメリカンラガー、etc…」など様々な種類のものがあります。

日本に流通しているラガービールは「ピルスナー」と呼ばれる種類です。
ピルスナーはチェコで誕生した黄金色をしたビールであり、日本の大手メーカーのビールはこのピルスナーをお手本にして作られたんですね。

ちなみに「ラガー」という言葉はドイツ語が語源となっており、「貯蔵」を意味する言葉です。

エールビールの特徴

ビールラガー違い
続いて「エールビールの特徴」についてですが、エールビールは苦味や風味が強く、濃厚な味わいをしているのが特徴です。
日本ではほとんど流通していませんが、クラフトビール(地ビール)として販売されていることもあります。

エールビールの最大の特徴はその香りであり、原料となる麦芽やホップの香りが芳醇に感じられます。
また、ラガービールはキンキンに冷やして飲まれることが多いですが、エールビールは常温に近くても美味しく感じられます。

むしろ、冷えていない方がビール本来の味や香りを感じられることから、あえてそこまで冷やさずに飲むのがエールビールの楽しみ方でもあります。
ビールが苦手だという方にとっては相性の悪いビールですが、ビールの味が好きだという方には一度試してほしいビールとなっています。

珍しい自然発酵ビール

最後にラガービールやエールビールに属さない「自然発酵ビール」について解説します。
「自然発酵ビール」はベルギーなどのごく一部の国でしか製造されていないため、なかなか飲む機会はありません。

「ランビック」などがベルギーを代表する伝統的な自然発酵ビールとして知られています。
自然発酵ビールは他のビールとは違い、培養された酵母を使わずに、空気中にある酵母やバクテリアを使って自然発酵させます。

そのため、発酵にはかなりの時間が掛かり、1年~2年、場合によってはそれ以上に発酵に時間をかけることもあるそうです。
他のビールにはない独特の香りを持っており、また、酸味があるのも特徴のビールとなっています。

通常、ビールといえばそのまま飲むのが一般的ですが、自然発酵ビールは他のビールと割って飲むのが一般的です。
また、甘味料などを加えて飲まれることもあり、普通のビールとは違う楽しみ方をしたい人にとっては、オススメのビールとなっています。

以上が「ビールとラガーの違い」についてでした。


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まとめ

ラガービールとエールビールの違いは「発酵方法」であり、ラガーは下面発酵、エールは上面発酵によって作られている。
ラガービールは雑味が少なくさっぱりとした味わいが特徴であり、日本で飲まれているビールのほとんどはラガービールにあたる。
エールビールは苦味が強く濃厚な味わいが特徴であり、日本ではあまり見られないが、クラフトビールとして一部販売されている。
自然発酵ビールは他のビールと違って酸味があるのが特徴であり、現在ではベルギーなどごく一部の国でしか製造されていない。