ハブるの意味と語源とは?若者言葉をわかりやすく解説

「ハブるの意味と由来とは?」ということで、日本語にまつわる雑学を紹介します。
「ハブる」という言葉は主に若者を中心にして使われている、いわゆる「若者言葉」ですよね。

現代には様々な若者言葉が誕生していますが、「ハブる」は若者言葉の中でも比較的昔から使われています。
今回は「ハブる」という言葉の意味の他に、語源などについてもわかりやすく解説していきますね。

ハブるの意味

ハブる意味
それではさっそく「ハブる」という若者言葉の意味について解説していきます。
「ハブる」という言葉について辞書を使って調べてみると、以下の意味として掲載されています。

・仲間外れにすること
・仲間外れ

「ハブ」という言葉単体でも「仲間外れ」という意味を持ちますが、これに「る」を付けて動詞にしたものが「ハブる」となります。
若者を中心にして使われている言葉ですが、割と昔から使われていることから、現代の30代~40代の人でも意味を知っている人が多いようです。

似た日本語に「省く」というものがあり、意味も発音も似ていることから「ハブる」の語源となったと考えられています。
しかし、「省く」は全く関係が無く、「ハブる」には全く別の語源が存在しています。

ハブるの語源

続いて「ハブる」という言葉の語源について解説していきます。
実は「ハブる」という言葉の語源は諸説あり、明確には判明していません。

その中でも有名な「遠州地方の方言を語源とする説」と「村八分の略語を語源とする説」を初回していきます。

遠州地方の方言

まずは「遠州地方の方言」を語源とする説について解説していきます。
遠州地方の方言は俗にいう「遠州弁」と呼ばれるもので、静岡県の西にある地区(旧遠江国)で使われている方言のことです。

遠州弁には「はぶせ」という言葉があるようで、はぶせには「仲間外れ」や「除外」という意味があります。
そして、これが「ハブる」という動詞になって全国に広まっていったという説です。

「はぶせ」という言葉を動詞にして「ハブる」としたのは、いかにも若者らしく信ぴょう性が高いように感じられますよね。

村八分の略語

続いては「村八分」を語源とする説について解説していきます。
「ハブ」という言葉自体が「村八分」を省略したものであることから、「村八分」が語源となったという説です。

ちなみに、村八分とは江戸時代に農村や集落などで見られた風習であり、村の中で特定の家や家族を仲間外れにして蔑ろにすることですね。
昔は技術が発展していなかったことから、一つの家庭で農業を行うことは難しい時代でした。

そして、農業は村単位で協力して行われており、現在よりも地域の人間同士の結びつきの強い時代となっていました。
そのため、お互いが協力して生きていく上で、絶対に守らなければならないルールのようなものが存在していたのです。

そのルールを守らなかったものは、その村の人間から仲間外れにされるなどの処遇を受けるのですが、これを「村八分」と呼んだんですね。
昔は生きていく上で村民同士の協力は欠かせないものだったため、村八分にされることはまさに死活問題だったのです。

ちなみに、村の主な付き合いといえば「冠・婚・葬・法事・出産・病気・普請(ふしん)・旅行・火事・水害」の十種だったそうです。
そして、倫理的な観点からさすがに「葬式・火事」は手伝おうということで、それ以外の八分を手伝わないことを「村八分」と呼ぶようになったとされています。

村人同士の生活のルールを破った際には、様々な制裁が加えられたそうですが、その中でも「村八分」は最も重たい処分だったそうです。
そして「村八分にする」という言葉を省略したことから「ハブる」という言葉が誕生したんですね。

どちらの信ぴょう性が高い?

ハブる意味
「遠州地方の方言」と「村八分の略語」の二つの説を紹介しましたが、それではどちらの説の方が信ぴょう性の方が高いのでしょうか?
遠州弁については現代でも使われていることから、こちらの説の方が信ぴょう性が高いものと考えられます。

「はぶせ」という言葉自体がまさに「仲間外れ」という意味がありますし、遠州弁として使われていた言葉が動詞になり、全国へ広まったという方が説得力がありますよね。
また「ハブる」という言葉が若者言葉であることから、村八分という古い文化を知らない若者が、省略して使い始めたというのも無理があるように思います。

そのため、遠州弁の「はぶせ」が動詞になって全国的に広まったと考える方が自然ですよね。

ハブるの使い方

最後に「ハブる」という言葉の使い方についてです。
「ハブる」という言葉には主に以下のような使い方があります。

・放課後に遊ぶ約束をしていたが、自分だけハブられた
・部活動で仲間だと思っていた人間にハブられた
・気に入らない人間をハブるのが彼の悪いところだ

「ハブる」という言葉の意味と語源、使い方についてご理解いただけましたか?
以上が「ハブるの意味と由来」についてでした。


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まとめ

「ハブる」とは「仲間外れ」や「仲間はずれにする」という意味を持つ若者言葉である。
「ハブる」の語源は諸説あるが、「仲間外れ」という意味を持つ遠州地方の方言「はぶせ」が語源となっている説がある。
また、「村八分」という言葉を省略して「ハブる」となったという説も存在している。
「ハブる」という言葉は若者言葉であり、村八分の文化が若者に浸透しているとは考えにくいことから、遠州地方の方言「はぶせ」を語源とする説の方が信ぴょう性が高い。