野生の牛は日本に生息している?実は在来種は二種類しかいない。

今回は「野生の牛は日本に生息している?」ということで、牛にまつわる雑学を紹介します。
日本で牛といえば乳牛や肉牛などの家畜というイメージがあり、野生の牛が生息しているのは想像が出来ないですよね。

実際に野生の熊や鹿などの動物が出没したというニュースは見かけますが、野生の牛が出没したというニュースは見かけることがありません。
果たして、野生の牛は日本に全く生息しているのでしょうか?

野生の牛は日本に生息している?

野生牛
それではさっそく「日本に生息している野生の牛」について解説していきます。
結論から言ってしまえば、日本には2019年現在でも野生の牛が生息している地域があります。

なぜ普段から野生の牛を全然見かけないのかというと、純粋な野生の牛は日本に一種類しかいないからなんですね。
そもそも、西洋の牛の影響を全く受けていない日本の在来牛は二種類しかいません。

そのうちの一種類が「口之島牛(くちのしまうし)」と呼ばれる品種であり、鹿児島県のトカラ列島北端の口之島に生息しています。
口之島牛はトカラ列島に生息していることから、別名「トカラ牛」とも呼ばれており、日本で唯一の純粋な野生の牛となっています。

日本の在来牛のもう一種は「見島牛(みしまうし)」と呼ばれる品種で、見島牛についても西洋種の影響を全く受けていない純粋な日本の在来牛となっています。
しかし、見島牛は1928年に国の天然記念物に指定されていることから、人間の手によって保護されています。

そのため、純粋な野生の牛といえば、トカラ列島に生息している口之島牛しかいないのです。
貴重な野生の牛が見たいという方は、ぜひ鹿児島県トカラ列島の口之島に足を運んでみてくださいね。

日本の在来牛の特徴

野生牛
続いて日本の在来牛である「口之島牛(くちのしまうし)」と「見島牛(みしまうし)」の特徴について解説していきます。

口之島牛(くちのしまうし)

まずは「口之島牛(くちのしまうし)」についてですが、体格が非常に小さいのが特徴となっています。
一般的な食用の牛が700kgぐらいあるのに対して、口之島牛は成長しても300kg~400kgぐらいにしかならないんですね。

また、肥育した口之島牛でも最大で500kg程度にしかならないそうです。
これは、他の肉牛が食用とするために大きく育つように交配されたのに対して、口之島牛は全くそのような影響を受けていないからなんですね。

そして、家畜の牛といえばホルスタイン種であることから「白黒」、そして野生の牛が「茶色」という毛の色をイメージするかもしれません。
しかし、口之島牛には毛の色が黒色や褐色をしている以外にも、白い斑点のあるものも生息しているそうです。

見島牛(みしまうし)

続いて「見島牛(みしまうし)」についてですが、見島牛は見島ウシ保存会によって保護されている国の天然記念物です。
体格については口之島牛と同じく非常に小柄であり、これは見島牛も交配の影響を受けていない在来牛であることに関係しています。

一時期はその数を30頭前後まで減らしてしまいましたが、見島ウシ保存会の努力によってその数を増やしています。
非常に貴重であることから、食用として出回ることが考えられないかもしれません。

しかし、実は年間で12頭程度が市場に出回るそうで、その数の少なさから希少価値が高く、幻の高級牛肉とされています。
そして、肝心の味については筋繊維が細かくなっており柔らかく、鮮やかなサシの入った霜降り肉となっているそうです。

価格はについては部位によって違いますが、100gで2,000円~4,000円程度となっており、一般的な牛肉の数十倍の価格設定になっています。
普段は決して食べることは出来ませんが、何か特別な記念日などにはぜひ味わってみたいですよね。

以上が日本に生息している野生の牛についてでした。


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まとめ

2019年現在で西洋種の影響を全く受けていない日本の在来牛は、口之島牛と見島牛の二種類しかいない。
見島牛については1928年に国の天然記念物に指定されており、人間の手によって現在も保護されている。
そのため、純粋な在来牛で野生の牛については、鹿児島県のトカラ列島北端の口之島に生息する口之島牛だけである。
トカラ列島に生息していることから、別名「トカラ牛」と呼ばれており、2019年現在も野生で生息している。