「ラリるの意味と語源」ということで、日本語にまつわる雑学を紹介します。
現在では死語になりつつありますが、「ラリる」という若者言葉を耳にしたことはありますか?
いわゆる「俗語」と呼ばれるものですが、「ラリる」という言葉の意味を正しく説明できる人って意外と少ないんですよね。
今回は「ラリる」の意味以外にも、語源も併せて解説していきますので、最後まで読んでいってくださいね。
ラリるの意味とは?
それではさっそく「ラリる」という言葉の意味について解説していきます。
「ラリる」という言葉について辞書などを使って調べてみると、以下の意味として掲載されています。
・意識がぼやけてろれつが回らなくなる状態
・意識が朦朧としてふらふらした状態
このように、あまり良いイメージの言葉ではないことがわかりますよね。
そして、意味としては「泥酔」と似ているかもしれませんが、酒に酔ってろれつが回らなくなる状態は「ラリる」とは呼びません。
「ラリる」という言葉が登場したのは1960年代のことであり、この頃の日本では眠剤ブームが起こっていました。
睡眠薬を目的以外の用途で使用し、睡眠薬を服用することが大衆的に広まっていたのです。
そして、睡眠薬で遊んでいる時にろれつが回らなくなり、ラ行がうまく発音できなくなることから「ラリる」という俗語が誕生したのです。
もちろん、処方された睡眠薬を目的以外の用途で使用することは犯罪ですし、他人に提供することも犯罪なので、絶対にしないでくださいね。
ラリるの語源とは?
続いて「ラリる」という言葉の語源について解説していきます。
実は「ラリる」という言葉の語源は諸説あるため、はっきりとわかっていないそうです。
そのため、その中でも有力だとされている三つの説を紹介しますね。
ラ行の発音が曖昧になるから
まずは「ラ行の発音が曖昧になるから」という説についてです。
この説は先ほど紹介した「睡眠薬による影響」の説と似ていて、睡眠薬の影響で何を喋っても「ラ行」に聞こえてしまうことから「ラリる」となった説です。
「ラリ」に隠された意味
「ラリ」には他にも「馬鹿者」という意味があります。
そのため、睡眠薬を服用しすぎた影響で意識が朦朧とし、馬鹿っぽくなることから「ラリる」となったという説ですね。
乱離骨灰(らりこっぱい)
他にも「乱離骨灰(らりこっぱい)」という日本語が語源となった説もあります。
「乱離骨灰(らりこっぱい)」には「めちゃくちゃになる」という意味があり、これを省略して動詞化することにより「ラリる」とした説です。
実は「乱離(らり)になる」という日本語については、江戸時代から使用されていました。
当時も「乱離(らり)になる」といえば「馬鹿になる」という意味で使われていたため、「乱離(らり)になる」が「ラリる」になったということですね。
以上が「ラリるの意味と語源」についてでした。
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まとめ
「ラリる」とは「意識がぼやけてろれつが回らなくなる状態」を意味する言葉である。
1960年代の日本では眠剤(睡眠薬)ブームが起こっていたため、薬を服用した結果ラ行がうまく発音できず、ろれつが回らない状態のことを「ラリる」と呼ぶようになった。
他にも「ラリ」にはもともとは「馬鹿者」という意味があり、意識が朦朧として馬鹿っぽく見えるという説もある。
また「乱離骨灰(らりこっぱい)」という「めちゃくちゃ」を意味する日本語があり、これに「る」を付けて動詞化したという説もある。