面白い国旗が特徴のダホメ王国、子供の落書きのようなデザイン!

今回は「面白い国旗が特徴のダホメ王国」ということで、国旗にまつわる雑学を紹介します。
日本の国旗は日の丸がモチーフのデザインとなっていたり、ドイツの国旗は「黒・赤・黄」がそれぞれ「勤勉・情熱・名誉」の意味を持つことで有名です。

このように、他にも世界には様々なデザインの国旗が存在しています。
その中でも「ダホメ王国」という国の国旗が、とても特徴的で面白い国旗をしていたってご存じでしたか?

ダホメ王国の国旗が面白い

面白い国旗
このように、ダホメ王国の国旗は他の国では見られない、とても特徴的なデザインをしています。
王冠をかぶったゾウの主張がとても激しく、まるで子供が落書きで描いたような可愛らしいデザインをしていますよね。

この国旗は1818年に即位したダホメ王国の第9代の王である「ゲゾ王」の時代に、実際に使われていました。
それでは、このような面白い国旗が採用されていた「ダホメ王国」とは一体どのような国だったのでしょうか?

ダホメ王国とは?

ダホメ王国は現在は存在しておらず、16世紀に建国されて、19世紀ごろまで存在していた国でした。
場所は現在のアフリカの西の方にあり、現在のベナン共和国に位置していました。

ダホメ王国は王を中心にして国が治められている中央集権国家であり、12代もの国王が輩出されました。
そして、先ほど紹介した第9代の王である「ゲゾ王」の時代に、ゆるキャラのようなゾウが特徴的の国旗が採用されたのです。

その後、国旗は19世紀にフランスの植民地となるまでは使い続けられていました。
実に可愛らしい国旗を採用していたダホメ王国ですが、その見た目とは裏腹に周辺諸国からはかなり恐れられていました。

奴隷貿易によって栄えた国

ダホメ王国の主な収益は「奴隷貿易」によってもたらされていました。
ダホメ王国を治めていた歴代の王たちは、周辺国を侵略しては領土を増やしていました。

そして、周辺国の兵士たちを捕虜としてポルトガル人などに売り渡し、奴隷として国外へ輸出していたのです。
奴隷貿易によって銃火器などを手に入れていたダホメ王国はますます国力を増していき、更に勢力を拡大していきました。

歴代の王の中でも、先ほどの国旗を採用した9代目のゲゾ王は悪名高く、奴隷狩りを繰り返していたとされています。
また、奴隷貿易以外の収入源としてアブラヤシ農園を作るなどしたダホメ王国、その後も繁栄を続けていきました。

しかし、19世紀末になってフランスとの戦争が始まると、4年あまりで征服されてしまい、フランス領となりました。
ダホメ王国に攻め入るフランス軍の戦闘員のほとんどはダホメ王国に敵意を持ったアフリカ人であり、最終的には同じアフリカ人によって滅ぼされることとなりました。

女性だけの軍隊があった

ダホメ王国には「アマゾネス」と呼ばれる女性戦士だけで構成された軍隊がありました。
アマゾネスは恵まれた体格と若さを持った選りすぐりの1000人で構成されており、精鋭部隊として知られていました。

そして、男性と同じように巧みに銃火器を使いこなし、いざ戦闘が始まると数々の戦果を挙げていました。
その強さは男性を軽く凌駕するものであり、アマゾネスは周辺諸国にも恐れられていたとされています。

また、戦闘の前には王の前で何人の敵の首を挙げるかが誓われ、その誓いを達成できなかった場合には代わりに切られるという厳しい掟が存在していました。
そのため、王への誓いを果たすために、戦闘が始まると誰よりも果敢に戦っていたんですね。

現在はベナン共和国となった

1958年には自治を認められるようになり、1960年になると完全に独立し「ダホメ共和国」が建国されました。
その後、1972年にはクーデターによって社会主義政権が誕生し、1975年にはベナン人民共和国となりました。

そして、1990年には現在のベナン共和国となったのです。
ベナン共和国とは日本と国交もありますし、2019年現在も100人近くのベナン人が日本に住んでいます。

「ここがヘンだよ日本人」というテレビ番組で活躍していたゾマホンさんは、実はベナン人だったりするんですね。
もちろん現在は奴隷貿易などは行われおらず、綿花、パームオイルなどの輸出を行っています。

以上が「面白い国旗が特徴のダホメ王国」についてでした。


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まとめ

ダホメ王国は17世紀に建国されて、19世紀にフランス領となるまで存在していた国である。
1818年にゲゾ王が即位した後には、ゾウが描かれたまるで子供が落書きをしたような国旗が採用されていた。
他国への侵略を繰り返して、奴隷貿易によって国力を高めていたが、最終的にはダホメ王国に敵意を持つアフリカ人によって征服された。
女性だけで構成された軍隊が存在していて、男性よりも遥かに強かったことから周辺諸国に恐れられていた。