今回は「ししおどしの意味と由来」ということで、ししおどしにまつわる雑学を紹介します。
ししおどしは日本の庭園に設置されていることが多く、水の流れと共に聞こえる音には風情がありますよね。
そのため、ししおどしは日本の庭園などで風情を演出するための装置だと思われていますが、実は本来の用途は違います。
ししおどしは元々は庭などではなく、田畑に設置されていた装置だったのです。
ししおどしの意味
それではさっそく「ししおどしの意味」について解説していきます。
冒頭でも軽く解説しましたが、ししおどしは庭園などの風情を演出するための装置ではありません。
元々は田畑に設置して、鹿や猪などの田畑を荒らす害獣を追い払うための装置だったのです。
人間にとっては心地よい音に聞こえることから、本当に動物を追い払う効果なんてあるの?と思ってしまうかもしれません。
しかし、自然界にはししおどしのような音の出る装置は存在しないので、野生の動物にとっては警戒対象になるんですね。
山の中で鈴の音を鳴らしていると、熊などの野生動物が警戒して近寄ってこないのと同じ原理ですよね。
かかしや鳴子もししおどしの一種
先ほど、ししおどしは田畑を荒らす害獣を追い払うための装置だということは解説しましたよね。
そのため、実はかかしや鳴子などもししおどしの一種だったのです。
そして、現代でししおどしと呼ばれている装置についても、元々はししおどしの一種だったんですね。
ししおどしの中でも、竹の中に水を引き入れて、竹が戻る時に音を立てる装置のことを「添水(そうず)」と呼んでしました。
しかし、時代の流れと共に、特に「添水(そうず)」のことを指して「ししおどし」と呼ぶようになっていったのでした。
かかしや鳴子などもまとめて「ししおどし」と呼んでいたのはかなり意外ですよね。
ししおどしの由来
続いて「ししおどしの由来」について解説していきます。
ししおどしが開発されたのは江戸時代に入ってからのことで、最初のししおどしは京都の詩仙堂と呼ばれるお寺に設置されたそうです。
詩仙堂は山のふもとに建てられていたため、夜中には鹿などの害獣が頻繁に現れていました。
そして、周辺にある田畑を荒らされていたことから、なんとか害獣を追い払おうと考えられたのがししおどしだったんですね。
実際にししおどしを設置してみるとすぐに効果が発揮され、田畑を荒らす害獣が減って被害が少なくなったとされています。
その後、ししおどしの音が心地よく、風情を感じさせるということから、害獣を追い払う目的以外でも庭に設置されるようになったのでした。
ししおどしを漢字で書くと?
ししおどしは漢字で書くと「獅子威し」「猪脅し」などと書かれることがありますよね。
しかし、漢字に変換して頂ければわかると思いますが、正しくは「鹿威し」と書きます。
なぜ「鹿威し」と書くのかというと、元々は鹿を追い払うために開発された装置だったからなんですね。
そのことから、ししおどしは別名で「しかおどし」とも呼ばれています。
以上がししおどしの意味と由来についてでした。
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まとめ
ししおどしは庭園の風情を演出するための装置ではなく、元々は田畑に設置して鹿や猪などを追い払うための装置だった。
害獣を追い払うという意味ではかかしや鳴子もししおどしの一種だったが、その中でも「添水(そうず)」だけをししおどしと呼ぶようになった。
ししおどしが開発されたのは江戸時代のことで、京都にある詩仙堂というお寺で鹿を追い払うために開発されたものである。
ししおどしは「獅子威し」「猪威し」と書かれることもあるが、元々は鹿を追い払う装置であり「しかおどし」とも呼ぶことから「鹿威し」と書くのが正しい。