今回は「世界の国旗の意味と由来」ということで、国旗にまつわる雑学を紹介します。
アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、オランダ、ロシア、トルコ、ブラジル、メキシコ、中国、世界各国の国旗にはどのような意味が込められているのでしょうか?
また、日本の国旗の意味と由来についても解説しますので、ぜひ最後まで読んでいってくださいね。
目次
世界の国旗の意味と由来
それではさっそく世界の国旗の意味と由来について解説していきます。
アメリカ
まずはアメリカの国旗についてですが、アメリカの国旗は日本では「星条旗」と呼ばれていますよね。
多くの人が地理の授業などで習ったかと思いますが、国旗の星は50個あり、星の数はアメリカにある州の数を意味しています。
そして、赤と白の縞模様の数は合計で13となっていて、これはアメリカが独立をした時の州の数を意味しています。
独立戦争時代からこの国旗が掲げられていたそうで、元々はベツィー・ロスという名の女性が裁縫で作ったものが国旗の由来になったとされています。
カナダ
カナダの国旗は葉っぱが中央にあるデザインが特徴的ですよね。
この葉っぱはカエデの葉であり、日本語では「カエデ旗」、英語では”The Maple Leaf Flag(ザ・メープルリーフフラッグ)”と呼ばれています。
中央に描かれたメープルリーフについては、18世紀頃から伝統的にカナダを象徴するものとして考えられてきました。
また、葉っぱの先の尖った部分が11個、枝をいれて合計12個となっており、これはカナダの10州と2準州を意味しています。
左右にある赤色の部分については、太平洋と大西洋を意味していて、カナダを象徴するメープルリーフが二つの海に挟まれているデザインとなっているんですね。
イギリス
イギリスの国旗は「ユニオンジャック」と呼ばれていますが、これは鑑艇の船首に旗が掲げられていたことが由来となっています。
「ジャック」という言葉には、海事用語で「船の国籍を示す旗」という意味が込められているのです。
そして「ユニオン」には「統合」という意味があり、皆さんもご存じのようにイギリスは様々な国が統合して誕生した国です。
白地の赤十字はイングランドの国旗、青地に白い斜めの十字はスコットランド国旗、白地に赤い斜めの十字は北アイルランド国旗となっています。
そして、これらの国旗を全て統合した結果、現在のユニオンジャックのデザインとなったのでした。
ウェールズが仲間外れのようですが、ウェールズの象徴である「赤い竜」については、他国への影響などを考えて採用されていないようです。
フランス
フランスの国旗は「トリコロール」と呼ばれており、トリコロールには「三色」という意味があります。
地理の授業で習った人も多いと思いますが青と白と赤のそれぞれの三色には「自由・平等・博愛」という意味が込められています。
「自由・平等・博愛」はフランス革命時に掲げられていたスローガンで、その頃からこの三色が使われているんですね。
また、それぞれの三色は「青色=矢車草」「白色=マーガレット」「赤色=ヒナゲシの花」で表現されることもあります。
ドイツ
ドイツの国旗は「黒・赤・金」の三色となっていますが、これらの三色にはそれぞれ「勤勉・情熱・名誉」という意味が込められています。
なぜは「黒・赤・金」の三色となったのかというと、ルートヴィヒ・アドルフ・フォン・リュッツォウ男爵という軍人が由来となっています。
彼はナポレオン戦争時に活躍した軍人であり、彼の率いる義勇部隊は「黒の猟兵」とも呼ばれており、数々の戦果を残しました。
義勇部隊は黒い軍服に赤い肩章を付けていて、ボタンが金色をしていたことが由来となって、現在のドイツ国旗のデザインになったと考えられています。
スペイン
スペインの国旗は通称「血と金の旗」と呼ばれています。
黄色い部分は帝国の豊かな国土、そして、赤色の部分は国を守るために戦った兵士達の血の色を意味しています。
中央からやや左寄りに描かれている紋章は、もともと存在していた5つの王国の紋章とヘラクレスの柱を組み合わせたデザインとなっています。
公用や軍用の時には紋章入りの国旗が使用されていますが、民間の間では紋章のない国旗が使用されているそうです。
イタリア
イタリアの国旗は「イタリア三色旗(トリコロール・イタリアーノ)」と呼ばれています。
「緑・白・赤」の三色については、それぞれ「緑=国土」「白=雪・正義・平和」「赤=愛国者の血液」を意味しています。
元々はナポレオン率いるフランス軍がイタリアに進行した際に、フランスに対抗すべくイタリア諸国が統一旗を作ったことが由来です。
当時のイタリア市民により結成された軍隊の軍服は、緑のマントに赤い紐の飾りがついていて、チョッキとズボンが白色であったことから、現在の三色が国旗に採用されました。
オランダ
オランダの国旗についても「三色旗(トリコロール)」として知られていますが、実は世界初の三色旗はオランダ国旗だったのです。
オランダ国旗が現在の三色旗となったのは16世紀後半のことで、当時スペインから植民地支配を受けていたオランダが独立戦争時に掲げていた旗だったんですね。
独立戦争の先頭に立っていた人物がオランイェ公ウィレムI世であり、ウィレムI世が付けていた紋章が「赤・白・青」の三色だったとされています。
オランダ国歌には「赤は多くの戦いにのぞんだ国民の勇気を、白は神の永遠の祝福を待つ信仰心を、青は祖国への忠誠心をあらわす」とあり、それぞれの色に意味が込められています。
ロシア
ロシアの国旗は「スラブ三原色」と呼ばれる「白・青・赤」を三等分に配列したデザインとなっています。
ソビエト連邦だったころは全く別の国旗が使用されていましたが、ソ連崩壊に伴い、帝政ロシア時代に使われていた国旗がそのまま復活しました。
それぞれの色には意味が込められていて「白色=高貴と率直の白ロシア人」「青色=名誉と純潔性の小ロシア人」「赤は愛と勇気の大ロシア人」を表しています。
ちなみに「スラブ三原色」とは、スラブ民族やスラブ諸国の国旗に用いられる色のことであり、他にもクロアチア、チェコ、スロバキア、スロベニアなどの周辺諸国の国旗にも用いられています。
トルコ
トルコの国旗は通称「新月旗」と呼ばれていて、他にも「月星章旗」と呼ばれることがあります。
国旗に描かれた三日月と星については、救国の伝説が由来となっていて、民族の進歩と国家の独立を象徴しています。
また、この国旗にデザインについては、1448年のコソボの戦いにおいておびただしい死者を出し、血の海が出来た際に三日月と彗星が映って見えたことが由来だという説も存在しています。
かつてこの国旗を採用していたオスマン帝国は周辺国にも影響を与えていたことから、現在でもオスマン帝国の領土だった国々が三日月と星を組み合わせたデザインの国旗を使っています。
ブラジル
ブラジルの国旗は「緑、黄色、青、白」が使用されていて、他の国よりもカラフルであることが特徴となっていますよね。
もちろんそれぞれに意味が込められていて、緑色はブラジルの森林、黄色は金などの鉱物資源、白色は平和、青色はブラジルの空を意味しています。
白色の帯の中にポルトガル語で”ORDEM E PROGRESSO”と書かれていますが、この言葉には「秩序と進歩」という意味があります。
そして、青色のブラジルの空にはいくつもの星がデザインされていますが、これらはブラジルにある州が由来となっているんですね。
メキシコ
メキシコの国旗は1821年にスペインから独立する際にデザインされたものです。
緑、白、赤、それぞれの三色は、スペインからの独立時に掲げた三つの保障である「諸州の独立(緑)」「宗教の純粋性(白)」「諸民族の統一(赤)」を意味しています。
また、中央にはワシがヘビを咥えている様子が描かれていますよね。
これはメキシコの国章であり、「ワシがヘビをくわえて湖沼のほとりのサボテンにとまっている所に出会ったらそこに都を築け」という古代アステカ文明の伝説が由来となっています。
中国
中国の国旗は通称「五星紅旗」と呼ばれていて、その特徴的な赤色は「共産主義革命」の象徴となっています。
そして、赤地には大きな星が一つと小さな星が四つ描かれていますよね。
大きな星については「中国共産党と人民の団結」を意味していて、四つの小さな星については「労働者・農民・知識階級・愛国的資本家」を意味しています。
また、大きな星は中国本土を表していて、四つの小さな星は「満州・モンゴル・ウイグル・チベット」のそれぞれの区域を表しています。
日本の国旗の意味と由来は?
最後の日本の国旗の意味と由来について解説していきます。
意外と知らない人が多いのですが、日本の国旗の正式名称は「日章旗」となります。
そして、日本の日の丸の色は赤色ではなく、正式には「紅色(べにいろ)」で「博愛と活力」という意味が込められています。
また、白色の部分に関しては「神聖と純潔」という意味が込められているんですね。
現在の日章旗の元祖となった日の丸の旗が使われるようになったのは江戸時代末期のことでした。
当時は船舶がどこの国籍かを示すために使用されていましたが、やがて船舶だけではなく日本そのものを表すようになりました。
また、あまり知られていませんが、実は現在の日章旗が正式に日本の国旗として定められたのは1999年のことだったのです。
それまでは特に紅白の比率などは定められていませんでしたが、1999年に公布された「国旗及び国家に関する法律」によって、正式に定義されたのです。
普段から見慣れている日章旗ですが、意外と知らないことも多かったのではないでしょうか?
以上が世界の国旗の意味と由来についてでした。
注目記事
他にも、こんな雑学がお勧めです。
サンドバッグの中身は砂ではない、それでは何が詰まってる?
モアイ像ではなく、渋谷のモヤイ像!その意味とは?
パン屋のパンが袋やガラスケースに入っていない理由とは?
まとめ
世界各国の国旗にはそれぞれ意味が込められていて、国旗のデザインの由来は国の成り立ちが関係しているものも多い。
世界初の三色旗(トリコロール)を使用したのはオランダであり、その後のヨーロッパ諸国の国旗に影響を与えた。
トルコの国旗についてもオスマン帝国時代のものであり、現在でもオスマン帝国の領地であった国々の国旗は、トルコの国旗の影響を受けている。
日本の国旗の正式名称は「日章旗」であり、実は正式に日本の国旗として定められたのは1999年のことである。