地震対策に役立つ知識11選、災害時に生存率を上げる方法とは?

この記事では、地震の時に役立つ対策や知識、災害時に少しでも生存率を上げる方法について解説します。

地震対策に役立つ知識11選、災害時に生存率を上げる方法とは?

地震対策に役立つ知識11選、災害時に生存率を上げる方法とは?

北枕で寝た方が生存率が上がる

木造家屋の場合ですが、縁起が悪いとされている「北枕」で寝る方が、地震の時に助かる可能性が高いことがわかっています。
それは家屋の構造上、南側に採光のための比較的もろい部分が集中するためで、対して北側は壁構造が多いために丈夫なのです。

北枕で寝ると、南側で崩れても頭部が無事である可能性が高まります。

1階と2階ではどちらにいた方が良い?

阪神淡路大震災の時、一戸建ての家の倒壊では、1階にいたほとんどの人が圧死してしまい、2階にいた人は助かったそうです。
意外にも、2階にいる場合は揺れがおさまるまで動かない方が助かる確率は高くなります。

揺れが一時的におさまった場合は、まずは窓やドアを開け放ってください。
地震で建物が歪んでしまい、閉じ込められてしまう可能性があるからです。

揺れがおさまったからといってすぐに外へ飛び出すのは危険です。
周囲の状況を冷静に判断してから、屋内にとどまるか外へ避難するかを判断しなくてはなりません。


地震の時、家の中のどこにいれば助かる確率があがるのか?

地震発生後の10秒間の行動が生死の分かれ目となります。
火の始末などは揺れが収まってからで十分なので、まずは頭と足の安全確保に全力を注ぎましょう。
足を負傷すると動けなくなってしまうためです。

よく机の下にもぐれと言われますが、落下物から身を守るためにはいいが、建物が倒壊するほどの大地震の場合には、むしろ危険となります。
世界60カ国で875軒の倒壊した建物で救助活動した経験がある人によれば、机の下にもぐったり車の中にいたりした人は、ほとんどが圧死したそうです。

助かった人の多くは、タンスやベッドなどの大きな家具の脇や、車のすぐ横で小さくうずくまっていたそうです。
崩壊した天井屋根と、家具などの丈夫な構造物との間に三角形の生存空間ができて、そこにいたため人が助かったのです。

地震の規模によってどこに隠れるかで生死が変わってくることを覚えておきましょう。

鉄筋コンクリートと木造ではどちらが安全?

阪神淡路大震災では6433人が亡くなりましたが、そのうちの約5000人、つまり約80パーセントの人々が倒壊した木造家屋の下敷きとなって圧死しました。
木造家屋は津波に対しても弱く、高さ2mの津波で全壊するという試算もあるようです。

火事や台風にも弱く、耐熱性も低いので冬場は寒くもなります。
停電になった際には一大事となってしまいます。

防災面を考慮すると、圧倒的に鉄筋コンクリートの家が優れていることがわかります。

外にいる場合は、ビルから離れるべきか中に入るべきか

都会で大地震に遭ってしまった場合、最大の恐怖は降り注ぐガラスとなります。
高層ビルが立ち並ぶ街では、ビルのガラスが割れて降ってくるのです。

これは、東日本大震災でも実際に起こっています。
割れにくいガラスや、割れても飛散しにくいガラスも、激しい揺れと津波には勝つことは出来ないですし、古い建物や学校などはそういった強化ガラスを使ってないことが多いのです。

しかも風圧の関係から、尖った方を下にして時速40km~60kmの猛スピードで落ちてきますから、手足はもちろん、首すらも切断される恐れがあります。
また、地面に落ちた大きなガラスの塊は、割れて細かく飛散し、跳ね返ったガラスの破片が襲ってきます。

それでは、どうしたらこのガラスの恐怖から逃れられるのでしょうか?
ガラスはビルの周囲15mにわたって飛散し、場合によっては風で20mも飛ばされることもあるので、できるだけビルから離れる。

ビル街にいる場合は、そんなに離れられないため、ビルの中に避難する方が安全です。
それができない場合は、頭部や頸部の太い血管が集まる場所を守りながら、大きな街路樹に身を寄せてください。

倒壊しそうな古い建物でない限り、絶対に屋内から外に飛び出してはいけません。

地震の時にどんなアイテムがあれば助かるのか?

まず、用意したいのが懐中電灯です。
夜に地震が起きた場合には、暗闇で行動することは怪我をする恐れがあるうえに、不安を増幅させ、パニックの原因となります。

震度6以上の地震では、固定していないものがすべて動いてしまうため、固定した棚の中や、壁に備え付けておきましょう。
また災害時には、電池は早い時期に売りきれ、すぐに入手が困難になるため、手動で充電できるタイプのものがおすすめです。

ストレスを軽減するためのアイテム

携帯ラジオについては、正確な情報を得るうえで不可欠なアイテムです。
テレビは停電になれば役に立たず、パソコンや携帯のインターネットも電波の中継地が被害を受けてつながらなくなります。

そんな時に、ラジオがあれば正確な情報を入手することができます。
デマやパニックから身を守り生死に直結する情報を得られるのです。
東日本大震災の時も、震災当日、一番役に立ったものはなにかという調査をしたところ、ラジオが第一位だったそうです。

もうひとつは風呂の水です。
震災ではトイレの問題は常に深刻となります。

家庭にトイレが水不足で使えない人々は仮設トイレに殺到し、長蛇の列となる。
トイレがつまって排泄物が山盛りになれば、不衛生なだけでなく、汚いトイレに行きたくないという心理から便秘になり、病気への引き金となります。

普段から風呂の水を溜めておくようにしておけば、家庭のトイレを流すことができ、最悪の場合は、ろ過をして飲料水や食べ物の煮炊きにも使えます。

災害時には3日分の水を確保する必要がある

震災時になくてはならないものといえば水です。
普段は蛇口をひねるとすぐに出てくるため、ありがたみを感じない水も、いざ断水になると、とたんにお金よりも貴重なものとなります。

新潟中越地震の際には脱水症状を起こしたり、水不足によって血液粘度が高くなったことで血栓ができたりして、死者も出ました。
では、どのくらいの量の水が必要なのでしょうか?

体重70kgの成人男性が1日に必要とする水の量は、飲料水、洗顔、調理用などで3リットルになります。
もちろんこれには、選択やトイレ、風呂用の水は含まれていません。

大規模な災害発生から72時間は公的な支援は受けられないとすれば、3日分の水、最低9リットルの確保が必要となります。
思い立ったらすぐに準備しましょう。

しかし、万が一水が足りなくなってしまったらどうするのでしょうか?
実は各地方自治体ではそのような事態に備えて水を貯蔵しています。

例えば東京都では、どの場所からも2km圏内に給水拠点があります。
給水拠点の位置は水道局や市町村の役所で地図を作製していることが多いです。

災害伝言ダイヤルはどうやって使うのか?

地震対策に役立つ知識11選、災害時に生存率を上げる方法とは?
災害時には、救助活動に必要な電話回線を確保するために、一般の電話には規制がかけられます。
そのため、当然携帯は繋がらなくなります。

こんなときに役立つのが携帯メールです。
メールには通信規制がかけられていないので時間はかかっても送受信できる可能性が高いです。

また公衆電話は優先して通信回線を確保することになっているため、通じやすくなっています。
災害時にはグレーの公衆電話は無料で使えるようになり、緑の電話は通話後に入れた小銭が戻ってきます。

これらの通信手段がすべて通じない場合、頼りになるのが災害伝言ダイヤルです。
これは、ある人が伝言を録音し、別の人がそれを再生して聞くシステムです。

例えば被災者が171にかけて「みんな無事」と録音しておき、友人が171にかけて被災者の電話番号を入力すれば「みんな無事」というメッセージを再生して聞くことができます。
ただし、録音時間は30秒、保存されるのは48時間のため注意が必要です。

一般の電話や携帯からも利用でき、暗証番号を使えば秘密も保持できます。
ただし、震災時はパニックになり混乱する恐れがあるので、一度、家族みんなで予行演習で使っておくことをお勧めします。

災害伝言ダイヤルの使い方

■録音する
①「171」をダイヤル → 音声にしたがって1(録音)を選択
②電話番号(自宅など)を入力
③録音

■再生する
①「171」をダイヤル → 音声にしたがって2(再生)を選択
②安否を知りたい人の電話番号を入力
③メッセージがあれば再生される

震災後は小銭がないと困る

日頃財布の中で邪魔者扱いされがちですが、災害時には心強い味方となってくれるのが小銭です。
特に、10円、50円、100円は大活躍します。

停電してもしばらくの間は稼働するように、バッテリーを備えた自動販売機がありますが、動いていてもすぐにつり銭切れになってしまうため、紙幣では買えなくなります。
のどの渇きを潤す大切な飲料も、小銭なしでは買うことができないのです。

店舗はほとんどが閉まってしまいますし、たとえ営業していても、つり銭切れでつり銭をもらえない事態が想定できます。
東日本大震災直後は小銭しか使えなかったという報告もあります。

また、比較的通じやすい公衆電話を使うにも、小銭は必要となります。
非常持ち出し袋に入れておくといいでしょう。

また、停電になればキャッシュカードやプリペイドカードは使えなくなるため、最低でも3日間は家族が生活できるだけの現金を小銭と合わせて用意しておきたいところです。

帰宅するのかしないのか、どちらがよいのか?

震災などによって会社などから帰宅できなくなる帰宅難民は大きな問題です。
東日本大震災の時には、交通機関が途絶して、首都圏を中心に、約10万人の帰宅難民が出ることとなりました。

通常、徒歩で帰宅できる距離は10km程度で、20km以上になると朝までに帰宅することは難しくなります。
その場合は、安全な場所で待機した方が良いです。
地上を走る鉄道より、地下鉄の方が地震に強く、復旧しやすいことを覚えておくと役に立ちます。

子供やお年寄りだけで留守番している場合など、歩いてでも帰宅したい人にとって頼りになるのが「災害時帰宅支援ステーション」です。
東京都や神奈川県などの8都県がコンビニやガソリンスタンド、学校やファミレス、ファーストフード店や居酒屋のチェーン店などと協定を結んでいて、災害時に水や食料などの供給とトイレの貸出し、ラジオなどからの情報提供を行っているそうです。

どうして緊急地震速報は地震を予測できるのか?

緊急地震速報とは、皆さんご存知かと思いますが、大きな地震が起こる前にテレビやラジオ、携帯電話などで、それを知らせてくれるシステムです。
地震は縦に揺れる小さな波P波と、横に揺れる大きな波S波が同時に発生します。

P波は1秒間に5~7km、S波は3~4kmの速さで伝わります。
そのスピードの差を利用したのが、緊急地震速報なのです。

P波をかな地した瞬間に警報を出せば、大きな揺れのS波を事前に知らせることができるのです。
しかしそのタイムラグはわずか数秒から数十秒しかないため、震源地から近い場所では緊急地震速報が間に合わない場合も考えられます。

しかし、その数秒が生きるか死ぬかの分かれ目でもあるのです。
携帯電話での緊急地震速報は各会社によって異なりますが、受信できるように設定する必要があるのがほとんどです。


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まとめ

地震災害の対策記事はこちらにもあります。
地震対策、家屋倒壊で生き埋めになったらおしっこか、声を出すと良い

また、ボランティア活動・支援物資寄付・募金方法についての記事はこちらになります。
熊本地震、ボランティア活動・支援物資寄付・募金方法まとめ

災害時に重要なことは、前もって準備をしておくことと知識を蓄えておくことです。
そして、それは災害時には大きな支えとなってくれるでしょう。
常日頃から意識しておくことで、突然の災害に襲われた際にも、パニックになる可能性を低くすることもできます。
ぜひ、この記事を参考に、常日頃から準備を進めて頂ければ幸いです。