今回は「小春日和の本当の意味」ということで日本語の雑学です。
「小春日和」という言葉の意味は誤解されやすく、なんと日本人の4割の人が意味を間違えて覚えているのです。
小春日和は「春」という漢字が使われていることから、「春」を連想させる言葉ですよね。
しかし、実は小春日和は季節的には「秋から冬の間」を意味する日本語なのです。
小春日和の意味
それではさっそく「小春日和」という言葉の意味を解説していきます。
「小春日和」について辞書などを使って調べてみると、以下のような意味であることがわかります。
・秋の終わりから冬の始まりにかけて現れる穏やかで温かい晴れの日
小春日和は春の暖かな日と誤解している人がたくさんいますが、小春日和とは秋から冬にかけてを意味する日本語なんですね。
この季節に移動性高気圧に覆われると、まるで春を思わせるような気候と陽気が訪れます。
日本人の4割が誤解
平成26年度に行われた「国語に関する世論調査」では、小春日和の意味が問われました。
正答である「初冬の頃の,穏やかで暖かな天気」と答えられた人は、全体の51.7%でした。
それに対して誤答である「春先の頃の,穏やかで暖かな天気」と答えた人が41.7%もいたそうなんです。
ほとんど半数の人が意味を誤解していると、会話で「小春日和」という日本語を使っても、正しく意味が伝わっているか心配になってしまいますよね。
小春日和の語源・由来
続いて「小春日和」という言葉の語源・由来について解説していきます。
「小春」とは元々は旧暦10月、新暦でいうと11月ごろを指す言葉となります。
この時期の日本の気候や陽気は、まるで春を思わせるようだったことが語源・由来となって「小春」と呼ばれるようになりました。
そのため「小春=春のような気候」という意味で覚えておくと、覚えやすいかと思います。
小春日和は秋?冬?
「小春日和」が季語ではどの季節に該当するのかを解説します。
小春日和は俳句の世界では「冬」の季語となっています。
小春日和だけでなく「小春」についても冬の季語です。
小春日和は旧暦では10月となるため、新暦を用いている現代の感覚では「冬」ではなく「秋」という感じがしますよね。
しかし、旧暦では冬を10月~12月としていたため、暦上では冬の季語となるのです。
現代でも年明けを「新春」と呼ぶのも、旧暦の1月~3月が春だったことの名残りですね。
時期を間違えやすい日本語
「小春日和」以外にも時期を間違えやすい日本語がいくつかあるので紹介します。
五月晴れ
五月晴れは「五月」と書くことから、五月の春らしい爽やかな晴れの日を連想させる日本語です。
しかし、五月晴れの本来の意味は「六月の梅雨時に見られる晴れ間」であり、時期は六月の梅雨です。
なぜ「五月」なのに「六月の梅雨」になるのかというと、「五月(さつき)」が旧暦の五月のことであり、新暦の六月を指すからなんですね。
このように、旧暦と新暦の違いから、ややこしくなっている言葉が日本語にはたくさんあるのです。
五月雨
五月雨についても五月に降る雨ではなく、六月に降る長雨を意味する日本語です。
五月雨の「五月」も旧暦の五月のことであるため、新暦でいうと六月にあたるんですね。
以上が日本人の4割の人が間違えている、小春日和の意味についてでした。
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まとめ
小春日和は「秋の終わりから冬の始まりにかけて現れる穏やかで温かい晴れの日」を意味する日本語である。
平成26年度に行われた「国語に関する世論調査」では、誤答である「春先の頃の,穏やかで暖かな天気」と答えた人が4割いた。
小春は旧暦10月ごろを指す言葉であることから、小春日和と小春は「冬」の季語になる。
他にも「五月晴れ」や「五月雨」なども旧暦五月のことであり、新暦にすると六月の晴れの日や雨のことを表す日本語である。