座高測定が廃止された理由は意味が無いから、なぜ測定していた?

今回は学校で行われてきた「身体測定」にまつわる雑学です。
皆さんが学生だった頃には身体測定において身長や体重、そして「座高」を測定するのが一般的だったと思います。

しかし、「意味が無いから」という理由で、2014年に座高測定が廃止されたのをご存じだったでしょうか?
座高の高さで友達と足の長さで競い合ったりしていた人にとっては、なんとも寂しい出来事ですよね。

座高の測定が始まった理由

先ほど冒頭で「意味が無いから」という理由で座高の測定が廃止されたと紹介しました。
それでは、そもそもなぜ今まで意味が無い座高の測定を、学校の身体測定で行ってきたのでしょう?

最初は徴兵検査のため

日本で健康診断というものが始まったのは明治時代以降のことでした。
そして、健康診断を始めたのは「徴兵検査」を行うためだったんですね。

現在では「意味が無い」という理由から座高の測定が廃止されてしまいました。
しかし、昔は足が短いと重心が低くなり、下半身が安定することから「いい兵士になる」とされ、座高の測定によっていい兵士を見定めていたんですね。

現代は当然ながら徴兵制度なんてなくなってしまいましたし、元から健康目的の測定でもなかったことから、座高測定が「意味が無い」というのも納得できますよね。

戦後は健康管理のため

戦後になると、一応は「健康管理のため」ということで座高の測定が続けられました。
上半身と下半身のバランスを見ることで、子供の発育状態が測定できるとされていたからです。

しかし、学校などの現場からは「健康状態」と「座高の関係」を表す指標がないことから、座高で健康状態を見るのは難しいという声があがりました。
そのため、座高の測定は戦後になっても、やはり有意義なものではなかったのです。

机や椅子の高さを決めるため

座高を測定する理由の一つとして、学校に配備する机や椅子の高さを決める指標にするというものがありました。
確かに、学校の生徒たちの座高の測定結果から、生徒にとって最適な机や椅子を配備できるかもしれません。

しかし、机や椅子は毎年買い換えられるものではありませんし、学年が変わったとしても使いまわされるものですよね。
そのため、座高を測定したとしても、机や椅子の配備に役立てられるということもほとんどなかったそうです。

このように、様々な理由から座高の測定は続けられていましたが、ほとんどの現場で「意味が無い」とされたため、2014年には遂に廃止されることになったのです。
現代では身長と体重を測定して活用することにより、座高のデータは省略できるとも言われています。

ぎょう虫検査も廃止された

実は座高の測定以外にも、ぎょう虫検査も廃止になったことをご存じでしたか?
ぎょう虫検査は1958年から開始され、小学3年生以下は必ず検査するように義務付けられていました。

しかし、ぎょう虫検査についても2014年の検査を最後に廃止されたのです。
なぜぎょう虫検査が廃止されたのかというと、衛生環境が改善されたため、子供のぎょう虫など寄生虫感染率が激減したからなんです。

ぎょう虫検査で寄生虫が見つかることは、最終的に1%もなくなっていたんですね。
このように、昔は当たり前だったことも、時代の流れで変わっていき、いつの間にか廃止されていることもあるのです。

以上が座高測定が廃止された理由や意味の無い座高測定をしていた理由についてでした。


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まとめ

身体測定における座高の測定は2014年を最後にして「意味が無いから」という理由で廃止された。
座高の測定は明治時代から始まったものであり、足が短い人はいい兵士になるという考えから、元々は徴兵目的で始まったものである。
戦後も上半身と下半身のバランスから健康状態を見るためであったり、机や椅子を配備する時の参考にすることを目的として続けられたが、座高の測定結果が生かされることが無かったため廃止された。
ぎょう虫検査も衛生環境が整い、寄生虫の検出率が激減したことにより、2014年の検査を最後に廃止された。