五月人形の意味や兜鎧を飾る由来を解説!こどもの日の雑学。

今回は「五月人形の意味」「兜鎧を飾る由来」ということで、こどもの日にまつわる雑学を紹介します。
こどもの日が近づいてくると、特に男の子がいる家庭では「五月人形」「兜鎧」などを飾る風習があります。

鯉のぼりと違って外である必要がなく、小さなサイズのものまであるので、気軽に飾ることが出来ますよね。
しかし、そもそもなぜこどもの日に五月人形や鎧兜を飾るようになったのか、その意味や由来をご存じでしょうか?

五月人形や鎧兜の由来

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まずはこどもの日に五月人形や鎧兜を飾るようになった由来から解説していきます。
こどもの日に五月人形や鎧兜を飾る風習は、元々は庶民のものではなく武家の風習でした。

こどもの日といえば「端午の節句」に行われ、別名「菖蒲(しょうぶ)の節句」とも呼ばれていますよね。
そこで「菖蒲」が武を重んじる意味の「尚武」と同じ発音であることから、武家の間で菖蒲の節句を盛大に祝うようになったとされています。

やがて、端午の節句が武家の世継ぎとして生まれてきた男の子が、無事に成長を遂げることを願う行事となったのです。
つまり、こどもの日に飾られる鎧兜などは、元々は武家の男の子の成長を願う風習だったことが由来となったんですね。

五月人形が武者や神様をモデルにしているのも、武家の男の子としてたくましく成長してほしいという願いが由来となっているようです。

五月人形や鎧兜の意味

続いて、五月人形や鎧兜にはどのような意味が込められているのかについて解説します。
鎧兜については戦場で戦うための道具だと思われていますが、その前に自分の身を守るための大切な道具でした。

そして、鎧兜が自分の身を守るための道具という考え方は、もちろん現代にも受け継がれて残っています。
そのため、子供の日に飾る鎧兜には「子供を病気や事故から守る」という意味が込められているんですね。

また、五月人形についてはなどをモデルとしているものが多いですよね。
そのため、五月人形には武者にように勇ましく、たくましい男の子になってほしいという意味が込められています。

五月人形のモデルとなった人物

続いて、五月人形のモデルとなった人物について解説していきます。
現在では様々なバリエーションの五月人形がありますが、その中でも王道の五月人形について解説しますね。

坂田金時

坂田金時は源頼朝の家臣であり、四天王と呼ばれるほど活躍した武将です。
「坂田金時」という名前でピンと来た方も多いかもしれませんが、童話で有名な「金太郎」のモデルにもなった人物ですね。

金太郎という名前は坂田金時の幼名であり、平安時代には実在した人物だとされています。
童話でも熊と相撲を取るほどたくましい人物として描かれており、子供にも金太郎のようにたくましい男の子になってほしいという意味を込めて、五月人形のモデルとなりました。

源義経

源義経は武芸に達人だっただけではなく、学問も優秀であり、まさに文武両道の人物でした。
怪力で知られる武蔵坊弁慶と歴史的な戦いを繰り広げたこととは、あまりにも有名なお話ですよね。

日吉丸

日吉丸は豊臣秀吉の幼名です。
豊臣秀吉は飛ぶ鳥を落とす勢いで出世した人物であり、まさに立身出世の象徴的な人物ですよね。

戦国時代で最も出世した人物といっても過言ではなく、出世する度に「日吉丸→木下藤吉郎→羽柴秀吉→平秀吉→藤原秀吉→豊臣秀吉」と五度の改名を行いました。
立身出世の象徴であることから、子供の日に飾られる五月人形のモデルになったとされています。

弁慶

弁慶は源義経の忠臣であり、最期まで義経に仕えたことで有名ですよね。
持前の怪力だけではなく、知恵まで優れていたとされる人物で、義理堅い人物であったことも語り継がれています。

最期は義経が立てこもったお堂の前に立って身を挺して矢を防ぎ、立ったまま絶命したことも知られています。
たくましさと知恵を兼ね備えた弁慶のような男の子になってほしいという意味で、五月人形のモデルとなりました。

鍾馗(しょうき)

鍾馗は中国の道教系に伝わる神様であり、厄を払うとされています。
中国が唐の時代に、玄宗皇帝が病に伏していると夢の中に大鬼が現れ、悪さをする小鬼を退治しました。

この大鬼の正体が鍾馗であり、夢から覚めると玄宗皇帝の病はすっかり良くなっていたという逸話があります。
以後、鍾馗が描かれた絵は国が一望できる城門の上に飾られるようになり、厄除けとしての意味を持つようになったのです。

そのため、子供に降りかかる災厄を祓う意味合いで、五月人形に鍾馗が採用されるようになりました。

以上が「五月人形の意味」「兜鎧を飾る由来」についてでした。


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まとめ

こどもの日に鎧兜や五月人形を飾る風習は、武家社会にあった風習が由来となって誕生した。
武家では世継ぎとなる男の子が無事に成長するように、端午の節句をお祝いする風習があった。
そして、鎧兜には子供を病気や災いから守るという意味が込められるようになり、五月人形のモデルの人物のようにたくましく育ってほしいという願いも込められるようになった。
五月人形には様々なモデルがあるが、そのほとんどは武将や神様がモデルとなっている。