板前の意味や語源を解説!実は寿司職人のことではありません。

今回は「板前という言葉の意味・語源」ということで、日本語にまつわる雑学を紹介します。
板前さんといえば「寿司職人」を連想される方も多いかもしれません。

もちろん、寿司職人のことを板前さんと呼んでも間違いではありませんが、「板前」は寿司職人という意味の言葉ではありません。
板前の正しい意味や板前という言葉の語源や由来について、ぜひ最後まで読んでいってくださいね。

板前の意味とは?

板前意味由来語源
それではさっそく「板前」という言葉の意味について解説していきます。
「板前」は「板さん」など様々な呼ばれ方をしますが、そのどれもが「日本料理・和食の料理人」のことを意味します。

洋食などを作る料理人のことを「シェフ」と呼びますが、「板前」はその日本語バージョンと考えるとわかりやすいかと思います。
そして、あまり知られていませんが、板前さんの中にも役職が定められており、きちんとした上下関係も存在します。

板前の役職

続いて「板前の役職」についてですが、板前には「花板(はないた)」「次板(つぎいた)」「椀方(わんかた)」「煮方(にかた)」などの役職があります。
「花板」は板長と呼ばれることもありますが、その料理場を仕切る料理長のことですね。

「次板」は料理場において二番目に偉い役職であり、別名「脇板(わきいた)」とも呼ばれます。
「椀方」はお吸い物などのお椀料理を作る人であり、料理全の味を引き立ててと整える役割も持っています。

「煮方」は煮物を作る人であり、日本料理の世界で「板前」と呼ばれる人はここまでです。
他にも「焼方(やきかた)」「揚場(あげば)」「追い回し」などの役職がありますが、これらの役職は板前修業中に与えられる役職となっています。

板前の語源とは?

板前意味由来語源
続いて「板前」という言葉の語源について解説していきます。
まずは板前の「板」についてですが、これは「まな板」のことを意味しています。

そして「前」についてはそのままの意味となり、つまり板前は「板の前で働く人=料理人」という意味になるんですね。
板前さんの使う「まな板」や「包丁」という言葉の語源や由来についても解説しています。

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板前=寿司職人ではない

寿司も日本料理の一つであることから、寿司職人のことを「板前」と呼んでも間違いではありません。
しかし、日本料理の中でも寿司については独自の技術がいることから、和食料理人と寿司職人にはかなりの違いがあります。

板前の修業中には様々な和食・日本料理について学びますが、実は寿司についてはほとんど握ることがありません。
そのため、和食の料理人が寿司の世界に飛び込んだとしても、最初はほとんど素人の状態からのスタートとなります。

また、寿司職人は単純に寿司を握る技術だけではなく、お客さんとコミュニケーションを取る技術も身に付ける必要があります。
もしも将来的に寿司職人を目指すようであれば、寿司職人の技術を学べる場所へ行くようにしてくださいね。

以上が「板前という言葉の意味・語源」についてでした。


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まとめ

板前とは「日本料理・和食の料理人」という意味を持つ言葉である。
板前には様々な役職があり、上位の役職から順番に「花板(はないた)」「次板(つぎいた)」「椀方(わんかた)」「煮方(にかた)」となっている。
料理人はまた板の前で調理をすることが語源となって「板前」という言葉が誕生した。
寿司職人を板前と呼んでも間違いではないが、寿司職人は和食の中でも独自の技術が必要であり、普通の和食料理人とはかけ離れた存在である。