チクるの意味とは?語源についてもわかりやすく解説!

今回は「チクるの意味とは?」ということで、日本語にまつわる雑学を紹介します。
現代では死語になりつつあり、あまり使われなくなった日本語に「チクる」という言葉がありますよね。

若者言葉であることから、大人になってから使う人もおらず、意味を曖昧にしか理解できていないという人もいます。
また、「チクる」という言葉の意味を理解していても、語源については知らないという人も多いかと思いますので、「チクる」という言葉の成り立ちをわかりやすく解説していきます。

チクるの意味とは?

チクる意味
それではさっそく「チクる」という言葉の意味について解説していきます。
「チクる」という言葉について辞書などを使って調べてみると、以下の意味として掲載されていました。

・告げ口をすること
・密告すること
・言いつけること
・ひそかに情報を漏らすこと
・上司や先生などの目上の人間に対して、他者の行いを告発すること

以上のように、どちらかというとネガティブな意味合いで使われている日本語なんですね。
例えば、良い行いをした人のことをこっそりと上司などに報告しても「チクる」ことにはなりません。

「チクる」とはあくまで、他の人が悪いことをしている場合や隠し事をしている時に、それをこっそりと言いつける時に使われる日本語なのです。
そして、基本的には年下に密告する場合には「チクる」という言葉は使われず、自分より強い立場にいる人間に対して密告をすることを「チクる」と言います。

日本語で「チクる」に似た表現のものには「たれこむ」「バラす」「もらす」などがあります。
いずれにせよ、あまり良いイメージを持つ言葉ではないことはわかっていただけたかと思います。

チクるの語源とは?

続いて「チクる」という言葉の語源について解説していきます。
実は「チクる」という言葉の語源については諸説あり、正確な言葉の成り立ちについてはわかっていません。

いくつかの説の中でも有力だとされている「ちくりという擬音」「不良の間で使われていた」の二つの説について紹介しますね。

ちくりという擬音

まずは「ちくりという擬音」が語源となった説について解説します。
「ちくり」という擬音は針などの先の尖ったもので、何かを刺す時に使われる擬音ですよね。

そして、「チクリと皮肉を言われた」など相手の批判や攻撃的な言葉をかける時にも使われる擬音となっています。
この意味が転じて、「る」を付けて動詞を付けることにより、現代の意味での「チクる」に変化していったものだと考えられているのです。

不良の間で使われていた

続いて「不良の間で使われていた」という説についてです。
不良というのは素行不良で悪い行いをしたり、非行に走ったりする若者のことですよね。

そのため、不良のグループ内では、仲間の悪い行いを先生や警察などに告げ口する人もいたのです。
そして、告げ口をするという言葉の「クチ」の部分を反転させることによって、不良の間に「チクる」という独特の言い回しが誕生したという説です。

バブルの時代も「ざぎん(銀座)」「しーすー(寿司)」など、何かと文字を反転させることはありましたし、チクるも不良の間で同じように誕生したのかもしれません。

チクるの正しい使い方

最後に「チクる」という言葉の正しい使い方について解説していきます。
主に以下の例文のような使われ方をします。

・友人が万引きをしたことを先生にチクったことから、友人は停学となった
・会社の同僚が不正を働いたため、そのことを上司にチクった
・弟が夜ご飯をつまみ食いしていたため、母親にチクったところ、怒られて泣いていた。

以上が「チクるの意味と語源」という日本語の雑学についてでした。


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まとめ

チクるという言葉には「上司や先生などの目上の人間に対して、他者の行いを告発すること」「密告すること」「言いつけること」などの意味がある。
良い行いをしたことを報告するという意味の言葉ではなく、他者が悪い行いをしたことを密告する時に使われる言葉である。
語源は諸説あり、「ちくり」という擬音に「る」を付けることによって動詞にしたという説がある。
また、不良の間で「告げ口をする」ことを、「クチ」の部分を反転させて「チクる」としたことで誕生したという説もある。