シロサイのクロサイの違いとは?肌の色と名前には関係が無い。

今回は「シロサイのクロサイの違い」ということで、サイにまつわる雑学を紹介します。
動物園でサイを見かけた時に、名前が「シロサイ」や「クロサイ」と紹介されているのを見かけたことがありませんか?

「シロ」や「クロ」という単語が使われていることから、名前の由来は肌の色だと思っている人が割と多いんですよね。
しかし、実際には「シロサイ」や「クロサイ」という名前には、肌の色は全く関係が無いのです。

シロサイのクロサイの違い

シロサイクロサイ違い
それではさっそく「シロサイとクロサイの違い」について解説していきます。
冒頭でも軽く解説しましたが、シロサイとクロサイの違いは肌の色ではありません。

肌の色に関係がないのになぜ「シロ」や「クロ」という言葉が使われているのでしょうか?

シロサイの名前の由来

まずは「シロサイ」の名前の由来についてです。
シロサイは英語では“white Rhinoceros”と呼ばれています。

しかし、元々はアフリカの言葉で”wijde rhinoceros”と呼ばれていたのです。
シロサイの肌が少し白みがかっていることから、“wijde”という単語を”white”と聞き間違いしたことにより、”white Rhinoceros”と呼ばれるようになったんですね。

そして、”white rhinoceros”という単語がそのまま日本にも伝わったため、直訳してシロサイとなったのです。
“wijde”という単語には「幅広い」という意味があるため、本来の名前の由来に肌の色は全く関係がなかったのでした。

クロサイの名前の由来

続いて「クロサイ」の名前の由来について解説していきます。
クロサイは英語では“black rhinoceros”と呼ばれています。

“black rhinoceros”と呼ばれるようになった理由は単純で、既に”white rhinoceros”がいたからなのです。
“white”の対比として”black”という言葉を使っただけであり、こちらも肌の色などには全く関係していません。

そして、”black rhinoceros”についても、そのまま日本に伝わったことから直訳されて「クロサイ」となったのでした。
それでは「シロサイ」や「クロサイ」に肌の色の違いがないのであれば、どこで違いを見分けることが出来るのでしょうか?

見分けるポイントは口の形

シロサイクロサイ違い
シロサイとクロサイの大きな違いの一つとして挙げられるのが「口の形」です。
シロサイは普段は地面に生えている草を食べて生活をしていることから、口の形が横に幅広くなっているんですね。

元々のシロサイの名前だった”wijde rhinoceros”の”wijde”という単語には「幅広い」という意味がありました。
つまり、幅広い口をしているサイが「シロサイ」だと見分けることが出来るのです。

一方でクロサイは木の葉や木の実など、高い位置にある植物を主食としています。
そのため、高い位置にある餌でも食べやすように、口が突き出して尖ったような形をしているのです。

身体の大きさの違い

サイといえば身体が大きなイメージがあると思いますが、シロサイとクロサイでは身体の大きさにかなりの違いがあります。
シロサイは体長が3.2~4.2メートル程あり、体重はオスで2トン~3.5トンほど、メスで1.4トン~1.7トンほどとなっていて、ツノが鋭く大きいのが特徴です。

一方でクロサイは体長が2.8~3.0メートル程で、オスでも体重が0.3トン~1.3トン程しかないため、シロサイのメスよりも小さいのです。
先ほど”wijde”には「幅広い」という意味があることは解説しましたが、シロサイの方が身体についても幅広くなっているんですね。

生態の違い

シロサイクロサイ違い
また、シロサイとクロサイでは生態にも違いがあります。
シロサイとクロサイは縄張り意識が強く、草食動物の中でも獰猛な部類に入ります。

一方で臆病であることから、下手に縄張りに入って刺激をすると突進をして攻撃をしてくることもあるそうです。
クロサイの方が特に臆病だとされており、人間と遭遇すると逃げてしまうか、下手に刺激すると攻撃をされることがあります。

シロサイの方が比較的に穏やかな性格をしていますが、やはり同じサイということで、近づく時には注意が必要なようです。
また、クロサイは単独行動をする習性がありますが、シロサイは数頭で群れになって生活をする習性があります。

絶滅危惧種に指定されている

サイはその身体の大きさと、鋭いツノ、足の速さから繰り出される突進などから、最強の動物だと言われています。
しかし、そんなに強いサイも絶滅危惧種に指定されており、絶滅の危機に瀕しているのです。

今回紹介したシロサイとクロサイ以外にも、全てのサイが絶滅危惧種に指定されています。
やはり絶滅の危機に瀕しているのは人間のせいであり、あまりにも乱獲しすぎたことが原因となっています。

サイのツノは伝統工芸品や薬などに使用されることから高値で売れるため、現在も密猟をする人が後を絶たないのです。
しかし、サイのツノから作られる薬には医学的な根拠が全くないことから、使ってもほとんど効果は得られないそうです。

以上が「シロサイのクロサイの違い」についてでした。


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まとめ

「シロサイ」や「クロサイ」という名前の由来には、肌の色は全く関係が無い。
シロサイは口が横に大きいことから”wide rhinoceros”と呼ばれていたが、”wide”が”white”と聞き間違えられたことにより「シロサイ」となった。
クロサイの名前については、シロサイが「シロ」であったことから、単純に逆の色を付けて「クロサイ」としただけである。
シロサイの方が口が広くて地面の草を食べやすいという特徴があり、クロサイの方が口が尖っていて木の葉や木の実を食べるのに適している。